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リセッションとは何か?原因や影響まで知っておくべきポイントを解説

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2022年12月12日

最近、経済ニュースや記事などで「リセッション」の言葉を見聞きすることが多くなったと感じている人も多いのではないでしょうか。この記事では、リセッションとは何かを解説した上で、リセッションによって起きることや、知っておくべきことについて解説します。

1. リセッションとは?意味について理解しよう

最初に、リセッションという言葉の意味や、その定義について解説しましょう。

1-1. リセッションとは?

リセッションとは、景気後退局面のことを指します。景気は大きなサイクルで拡大と縮小を繰り返しています。景気の拡大がピークに達した時が景気の山で、逆に景気後退がピークになると谷と表現されます。リセッションは、景気の山から谷に向かっている局面のことを指すため、リセッションが始まった時よりもリセッションが終わる直前のほうが景気は悪いことになります。この概念を図にすると、以下のようになります。

リセッション(景気の強弱と時間の流れ)

景気拡大が続いてピークを迎えると、そのピークから今度は不景気になり、谷に向かっている部分に赤い色をつけました。景気サイクルの中で、この部分のことをリセッションといいます。

1-2. リセッション(景気後退)を判断する指標は何?

リセッションは、雰囲気やムードだけで主観的に判断しているわけではなく、判断する基準があります。ただし、日本と欧米とでは基準が異なるので、その違いも含めて理解しておく必要があります。
日本ではDI(ディフュージョン・インデックス)と呼ばれる景気動向指数が景気の判断をする指標として用いられています。DIはさまざまな経済部門の景気動向を指数化したもので、毎月内閣府によって公表されています。このDIが50%を下回ると総合的に景気が悪化しているサインとなり、50%を下回った状態が継続するとリセッション入りしたと判断します。これに対して欧米では、四半期ごとに発表されるGDP(国内総生産)が2四半期(つまり半年)連続でマイナスになると、リセッション入りしていると判断します。

1-3. 景気減速と景気後退(リセッション)の違い

リセッションは景気後退局面のことですが、これと似た言葉に景気減速があります。この2つの言葉は異なる局面を示しているので、ここで違いを明らかにしておきましょう。景気後退は先ほど述べたように景気がピークを迎えて谷に向かう局面なので、全体的に不景気でさらに景気が悪化している状態です。これに対して景気減速は、景気拡大の局面ではあるものの、その勢いが鈍化することをいいます。

2. リセッションの原因

それではなぜ、リセッションが起きるのでしょうか。これを理解するには、景気循環の仕組みを知る必要があります。先ほどの図でも示したように、景気は良くなったり悪くなったりを大きなサイクルで繰り返す構造になっています。
企業が商品やサービスを提供すると、それが売れます。利益を上げると企業はさらに人を雇用し、投資を拡大させます。そしてさらに売上が伸びて事業が拡大しますが、いつかそれが頭打ちになり、期待しているようには売れなくなります。そこで企業は事業を縮小し、雇用削減を行うようになります。こうした動きが経済全体に広がると景気が悪化し、低迷期に入ります。これが、リセッションです。その後、不景気が底をつくと今度は商品やサービスを必要とする人が増え、再び景気が拡大していく流れになります。
なお、景気には主に4つのサイクルがあるといわれています。短い順に並べると、以下のようになります。

キチンの波
40か月サイクルの最も短い景気循環。企業が在庫を調整する動きなどが短期的な景気変動を生み出します。
ジュグラーの波
10年前後のスパンで循環する中期的な景気サイクル。老朽化した設備や機械を買い替える設備投資などの需要が、景気の活性化を促します。
クズネッツの波
20年周期の長期的な景気サイクル。建築物の建て替えや改修への需要が、景気のサイクルに大きな影響を与えます。
コンドラチェフの波
50年周期の景気サイクル。技術的な進歩やインフラの更新など、とても大きな規模の経済活動が景気に影響を与えます。

3. リセッションがもたらす影響

経済ニュースなどでリセッション入りが盛んに報じられるのは、その影響を懸念している人が多いからです。それでは、リセッションはどんな影響をもたらすのでしょうか。

リセッションによる株価への影響

リセッションの影響が最も顕著に表れるのは、株価です。企業の業績が悪化し、それは株価にも反映される傾向があります。株価が大幅に下落したリーマンショックやコロナショックは、近年の主なリセッションです。
コロナショックをきっかけとするリセッションの主な原因は、パンデミックとそれによる後遺症のような影響です。それまで米国をはじめ世界の株価は堅調に推移していましたが、コロナショックによって一気に冷や水を浴びせられた形となりました。とはいえ、金融市場の破綻が原因ではないため、パンデミックの問題さえ解消すればそれまでの堅調な経済を取り戻すスピードが速い可能性は十分あります。そのため、コロナショックによるリセッションは逆に「買い場」であるととらえる投資家もいます。

4. リセッションへの備えや気を付けたいポイント

リセッションが現実になると仮定した場合、投資している人はリセッションに備える必要があります。そのポイントは、3つです。

① 株価は先行指数であることを踏まえ、自分で景気動向に注視する

株価は半年以上先を織り込むといわれる先行指数です。株価が下落基調になることは、リセッションのシグナルである可能性が高いです。ただし、あくまでも先行指数として半年以上先を織り込んでいるだけかもしれないため、本当にリセッション入りしているのかどうかはDIやGDPなどの指標をチェックしつつ自分で注視しておく姿勢が重要です。

② 分散投資を実践する

リセッションになると、株のように積極的にリスクを取る資産よりも、国債や金(ゴールド)といった安全資産が有利になります。株だけに投資をするのではなく安全資産も組み込んで保有資産を多様化させることは有効な「守り」になります。

③ ディフェンシブ銘柄への投資

ディフェンシブ銘柄とは、株の銘柄の中でも「衣食住」や社会インフラなどに関わる企業で、景気変動による影響を受けにくい銘柄群のことです。株式投資をしていく中で資産を多様化するのであれば、リセッションになっても株価が大きく下落する可能性の低い電力、ガス、通信、交通といった銘柄を保有することが備えになります。

5. 今後の景気の見通し

今後の景気について、2022年の年初に内閣府はポジティブな見通しを立てていました。1月17日に閣議決定された「令和4年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によると、日本の実質GDPは3.2%程度の成長が見込まれGDPの規模は過去最高となり、景況感はコロナショック以前の水準に回復して景気が拡大していく可能性が高いとしていました。ところが、2022年10月には国際通貨基金(IMF)が世界経済の見通しを下方修正し、さらに米国ではリセッション入りする見通しが強まってきました。こうした全体の景気動向を踏まえると、年初からの潮目が変わってきていることに注意を払う必要がありそうです。

6. まとめ

リセッションとは、景気後退局面のことで、株価の下落が懸念されます。しかし、リセッションからの回復に期待した株の「買い場」ともなり得ます。特に、コロナショックは金融市場の破綻が原因ではなく、パンデミックが原因であるため、買い場であると考える投資家も多いようです。今後は景気動向を注視しつつ、リセッションを踏まえた投資戦略を立て、長期的な資産形成に役立てることが推奨されます。

以上

【ライター情報】
蛯沢 路彦

早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。

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