子宮頸がんワクチンは怖いのか?
2010年、小学6年生~高校1年生の女の子を対象に
子宮頸がんの予防接種がスタートしました。
そして、
2013年には定期予防接種になり
うちの長女(1999年生まれ)次女(2001年生まれ)は
ちょうどこの過渡期に思春期を迎え、
頸がんワクチンを接種しましたが
副反応とされる症状が相次いで報告され
定期接種になってわずか2ヶ月で
「積極的な接種推奨を中止」となり
2020年時点、接種している子は
ほとんどいない状況です。
子宮頸がんは、HPVというウイルスが
原因であることが多く、
セックスで感染するため、性感染症とされています。
性感染症の予防のためにコンドームを!
っていうけど、
実はHPVはコンドームでは防げません。
性感染症というと
まるでセックスに対して自由奔放、みたいな目を
向けられることがありますよね。
ですがHPVそのものは
セックスの経験がある大人の女性なら80%が
一生に一度は感染するほど
ありきたりなウイルスなんです。
なので、
『性経験が多い=HPV感染』
ではないんですよね〜。
HPVに感染しても、
必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。
感染しても基本的には何も起こらず
身体の免疫作用で自然に消えてしまうことも
多いです。
感染したウイルスがずっと消えずに
最終的に子宮頸がん発症までたどり着くのは
わずかな確率。
一部が異形成や上皮内がんと呼ばれる
前がん病変、つまりがんになる手前の状態になることがあり、
そこから数年~数十年かけて子宮頸がんを
発症します。
なので、正常な子宮頸部の細胞が
HPVによって、がんの手前、
高度異形成、上皮内ガンの段階にあると診断されたときには
本格的ながんに移行する前に手術をします。
がんは、全身いろんなところに発症しますが、
子宮頸がんはほかのがんに比べて
20代~40代、若い女性たちに増えていることが
産婦人科業界ではとくに問題視されています。
だって、この年齢の女性は
結婚、妊娠、出産、子育ての真っ只中だもん!
異形成の段階で見つかれば
手術も、子宮の入り口部分だけを
円錐型に切除する手術(円錐切除術)
という簡単なもので済むし、
その後の妊娠出産も可能です。
ただ、子宮を温存できても、子宮頸管を切除すれば
大きくなる妊娠子宮を支えきれなくなって
流産や早産のリスクは大幅に増えます。
わたしの身近な人でも、
円錐切除後の妊娠で、
妊娠5ヶ月で死産になってしまったことが
ありました・・・。
弱くなった頸管が増大子宮を支えきれずに
頸管無力症を発症したのではないかと
思います。
だから、検診で早期発見を!
という以前に、ワクチンでがん前段階を防ごうという
発想になったわけです。
HPVワクチンを接種するかどうかを考える上で、
子宮頸がんは早期発見なら手遅れにはならないし、
出産も可能
という単純なことだけでとらえては
正しく判断できませんね。
それから、
毎年子宮頸がんの健診を受けていても
100%確実ではないというのも
ぜひ知っておいてもらいたいです。
子宮頸がんの種類によっては
細胞診で見つかりにくいのです。
去年は陰性だったのに、
今年、たった1年で子宮頸がんが見つかって、
しかもすでにかなり進行していた!
というケースは珍しくないんですよね・・・。
だからわたしは
検診とワクチンは両方必要だと思っています。
2020年7月、
ついこないだには、先進国がすでに実施している
複数のHPVに効果のあるワクチンが
ようやく日本でも承認されました。
HPVは厚生労働省で
「接種のおすすめ」はされていませんが
今も定期接種であることは変わっていません。
小6~高1の女子は今でも接種しようと思えば
無料で打てる状態ではあるんです。
ちなみにHPVワクチンは
自費で接種したら4~5万円かかりますよ!!
先進国では、HPVワクチンは女子だけじゃなく
男子にも推奨する方向です。
HPVは子宮頸がんの原因としてよく語られるウイルスだけど
セックスで男女ともに感染するし、
このウイルスによって引き起こされる病気は
外陰がん、膣癌、肛門癌、咽頭癌、
そして、性器の周囲にイボがたくさんできる
尖形コンジローマという性感染症など
いろいろだからです。
さて、冒頭で説明したように
HPVワクチンは
2013年には定期予防接種になりましたが
副反応とされる症状が相次いで報告され
定期接種になったわずか2ヶ月後に
「積極的な接種推奨を中止」
となり、そのまま現在に至ります。
HPVワクチンに子宮頸がんを予防できる効果が
あるとしても
命取りになるような副作用のリスクを提示されたら
誰だって接種をためらってしまいますよね。
当時の厚生労働省の統計では
ワクチンを打った1000人中、1人弱ぐらいの割合で
副反応が疑われる症状が起きて
そのうち半分ちょっとが重い症状だった、
としています。
実際、ほかのワクチンと比べて副反応の報告数は
多いのですが
それは単純に危険だ!ということではなく
当時の現場の医師たちに
「とにかく全部報告しておこう」という意識が
働いたという側面が大きいようです。
とくに、HPVワクチンでの副反応に関する報道が
たくさん出て注目されていたのもあって
接種した女子たちも
「自分の症状も・・・?」と不安になって
受診したケースも多かったと思われます。
報告された中には、
接種後数年たってから出た症状など、
ワクチンとの因果関係?
今ごろ?
と疑わしいものも含まれているんです。
頭痛、めまい、筋肉痛、関節痛、吐き気、腹痛、
蕁麻疹、倦怠感など。
これらの症状は、HPVワクチン以外の
他のワクチンでも同じように起こるものばかりですが
特徴的なのは、
全身の脱力や失神、
けいれん、歩けなくなったという症状。
失神に関しては、
冷静に分析していくと
他のワクチンが乳幼児期に接種するのに対して
HPVは思春期の女子に接種する
ということが影響しているのではないかと言われています。
多感な思春期。
いろんなことを考える年頃だからこそ
些細なことでも心と身体のバランスが取りにくく
痛みや恐怖への感受性が強く、
自律神経が乱れやすい年代ですよね。
ワクチン接種しようとしまいと、
問題になっているさまざまな症状は、
もともとこの年代には一定の割合で
生じるものだということもわかっています。
慢性疲労症候群と呼ばれたり、
起立性調節障害と呼ばれたり、
最近では思春期の不登校の原因としても
注目されています。
症状が起きるきっかけは
学校生活の悩みだったり、
本人もはっきりと自覚していない大人への成長に
伴う心配ごとだったりします。
血管迷走神経反射といって
ワクチンの針の刺激で急激に血圧が下がる
この年齢特有の生理反応が起きて
失神してしまう、ということもあります。
その他の多様な症状は
HVPワクチンそのものが原因で起きている
というエビデンスはありません。
また、検査しても
ここの炎症がある、組織の損傷がある、など
明らかな原因が見つかりませんが
歩けなくなる、けいれんが起こるなどの症状は
気のせいではなく本当に起きています。
緊張すると冷や汗や動機がするように
わたしたちの心と体は
思った以上につながっているので、
その症状が悪化したり慢性化したりするのは
心理的、社会的な支援の有無、
周囲の対応なども大きく影響します。
当時、大規模な全国疫学調査が複数に行われ
明らかになったのは
「HPVワクチンを受けても受けなくても
同じような症状は有意差なく起こる」
つまり
「接種後の症状とHPVワクチンには
因果関係はない」
というのが最終結論でした。
WHOでも、
HPVワクチンの安全性に懸念を示すデータはない
という見解を示しています。
まとめると、
HPVワクチンの成分がさまざまな症状を引き起こすのではないけど、
ワクチンに対する不安や恐怖、痛みなど
思春期特有の感受性の強さが
引き金になって、いろんな症状につながっている
可能性はある、
ということです。
HPVワクチンに限らず
予防接種はきちんと理解して接種することが
もっとも大切。
うちには中1と6年生の女子がいます。
積極的な接種は推奨されていないけど
彼女たちの将来について考え、
そしてワクチンのリスクについての
正しい知識を持てば
せっかく定期接種なんだし、
あえて受けるのもありかな、と
思っています。
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