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平野啓一郎「ある男」 宮崎県西都市

蛻に いかに響くか 蝉の声

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この小説の主人公は、いったい誰なのだろう。考え込んでしまう。

闇社会を通じて他人と戸籍を交換し、出自や経歴を洗浄した男なのか。彼にひかれて再婚し、夫が事故死した後に真実を知る妻だろうか。謎の男の正体に迫る弁護士だと考えるのが妥当かもしれない。

戸籍の改ざんにより過去を消去する筋立てといえば、松本清張の「砂の器」が思い浮かぶ。傑作推理小説の中心人物は、生い立ちを隠すために殺人という罪を犯す野心的な...

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