小ネタ集 サケビバ その後 |
昨年の8月末くらいにこのコラムでご紹介した「サケビバ」というビジネスアイデアコンテストの話を覚えていますか?(詳しくはコチラから)
既にビジネスアイデアの募集は終わっており、296件のアイデアが出たようです。
その中から本選へ進む7案を選定し、最終的に優秀賞として選出された案が2つ決まったようです。(該当HPはコチラから)
今回のコラムはその優秀賞として選ばれた2案のご紹介と、個人的な感想を書いてみたいと思います。
優秀賞1つ目は「食品などにアルコールを少しかける“ちょいたし”の提案」。
プレゼン資料を読む限り、発案者の提案を要約すると以下の通り。
お酒を飲まない理由
・頭痛や気持ち悪さなど、お酒を飲むと体調が悪くなる
・お酒の飲み方が合わない
・お酒である必要がない
そこで、「お酒を飲むことに対して苦手意識のある人がお酒をおいしいもの、楽しいものとして認識するためにはどうするのがいいのか?」と考えたようです。
で、「食事にお酒を “ちょいたし” することで苦手なお酒も楽しめるのではないかと考えました。」という思いに達したようです。
商品展開の想像図も描かれており、女性が好みそうな可愛い個包装。
しかも、酒の種類、銘柄、容量別の商品ラインナップの展開も考えています。
家庭の料理では料理酒や味醂など、「食べるお酒」という概念は既に存在します。
また、「お酒の香りだけを頂く」というフランベという技法も既にありますよね。
どちらもアルコールに熱を加える事でアルコール分を飛ばし、そのお酒自身が持つ風味だけを頂いています。
しかし、この提案の違う点は「料理に直接、アルコール添加する」という点でしょうか。
個人的な感想ですが、お酒はある程度、日持ちのする液体なので、個包装によるコスト高が気になる所です。割高感が否めません。
また、40度のアルコールって少量でもそれなりに味覚に影響(辛く感じたり、苦く感じる)するので、煮切らないアルコールの風味ってそもそもお酒が苦手な人にはあまり受け入れられないのかな?とも思ったりします。
これがワインや日本酒などの醸造酒であれば、そこまでのアルコール度数はありませんのでギリギリ我慢出来るかとは思います。
個人的にはワインは開栓すると風味が落ちていくので、必要量だけが個包装になっているのは賛成です。(そもそも、ワインをあまり飲まないので、余った時に飲まない可能性が…)
でも、ワイン好きは割高感を感じるでしょうね。
まぁ、こういう商品はニッチな層を狙っているので、バカ売れする訳ではないでしょう。
2つ目に選ばれた優秀賞は「地域素材を活用した社会課題解決型サステナブルジン」。
プレゼン資料から発案者の提案を要約すると以下の通りです。
農協が定める規格外の野菜や果物をボタニカルとしたジンを開発するという提案のようです。
この資料を見ていると「フードロス」、「サステナブル」、「SDGs」など、今時のキーワードが満載です。
そのジンの製法として、前述のような野菜や果物をパウダー状にした「サステナブルパウダー」をもって風味付けをすると記されています。
これで風味付けって上手くいくのでしょうか。
資料内でとあるバーテンダーの言葉が掲載されているのですが、「サステナブル切り口も味が美味しいならウェルカム!」
これに尽きます。
どんなプロセスやソリューションを経て出来上がったとしても、最終的に口に入り、鼻で楽しむものですから「美味いこと」が大前提ですよね。
また、パウダー状にすることのコスト増が気になる所です。
それでなくてもクラフトジンは高めの価格設定ですから、ネトゲ課金にご執心の酒離れが進む若者が飲むかは疑問です。
生産者には優しい提案ですが、酒離れの若者に飲ませる施策とはちょっと違うんじゃないかな?というのが私の感想です。
と言う訳で今回はサケビバにて実際に優秀賞を得た提案についてご紹介しました。
この提案資料を読んで、皆さんそれぞれ感想も違うと思います。
バーで話すネタとしていかがでしょうか。