HIKAKINの活動休止のつまらなさ
この手の問題で激怒するのも変なので、怒り狂った暴徒が繁華街を練り歩くことはあるまいが、なにかしらモヤモヤが燻っている人はいるに違いない。信者系の人なら、「心配して損をした。でもホッとした」となるが、そうでない人としては、儀礼的に心配して損をした、そして、別にホッとしないからモヤモヤ、という感情があるに違いない。たとえば(いや、この喩えがいいかどうかはしらないが)何かしら重病だと匂わせていた人が「実は健康でした」となれば、モヤモヤするであろう。そう、今回のHIKAKINの活動休止は狂言なのである。たとえばダルビッシュの弟が癌だそうで、実はわれわれはどうでもいいのだが、やはり人間として、(ダルビッシュの弟がどうでもよくても)儀礼的に彼の闘病を心配するわけである。そのような儀礼で世の中は成り立っている。一応は心配してあげるわけだ。今回はそのような儀礼をもてあそばれ手玉に取られた。そして今回のHIKAKINの活動休止騒動に関わっているのが、あの日清食品である。2010年に槍ヶ岳でラ王のCM撮影をした際に、一般の登山者を足止めした会社である。さすがにこいつら知恵遅れではないから、反省の演技で切り抜けたが、それだけのことである。まずいインスタントラーメンの売り方について、狡猾なマーケティングというか、選民思想や奢りが感じられる。まあ、いい。わたしは日清食品に不快感を持っている。HIKAKINも今のところスキャンダルがないから、お騒がせタレントとは正反対の扱いを受けられるが、たぶん少なからずの人が今回の狂言マーケティングに眉をひそめ、そしてわざわざ怒るのが面倒だから、解散解散ということだが、オオカミ少年的な禍根を残したのである。