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ソフトウェア設計学
【日付  2004,11,28】 【連載回数 第11,12回】


 ・DFDを分割する手法の1つ
 ・入力から出力に至る主要なデータフローが1つの時に有効
 ・データの流れに着目して、Source(入力)Transform(変換)Sink(出力)に分割する

STS分割の手順
 (1)モジュール分割
  ①機能の分割
    ・対象となる機能を分割
    ・主要なデータフローを見極める
  ②最大抽象化の決定
    ・データの変化に着目して「入力」「変換」「出力」の境界を定める
  ③STS分割
    ・「入力」「変換」「出力」の3種類に分け、それぞれをモジュールとする


 (2)モジュール構造組み立て
  ・3つのモジュール「入力」「変換」「出力」を制御するモジュールを新たに作成して3つのモジュールの上位に配置する
  ・必要に応じて階のモジュールを更に分割していく、下位は3分割でなくてもよい

 (3)モジュール間IF定義
  ・モジュール間のデータのやり取りを決める

STS分割の例1 (モジュール分割)


STS分割の例 (モジュール構造組み立てorモジュール間IF定義)


TR分割
 TR分割とは
  ・TR分割はトランザクション(Transaction)分割の略
  ・主要なデータフローがデータの種類ごとに分岐するとき個々の主要なデータフローをトランザクションと呼ぶ
  ・TR分割では、個々のトランザクションに対応する処理群をまとめてモジュールとする

 (1)モジュール分割
  ①機能の分割    ・対象となる機能を分割
   ・主要なデータフローがデータの種類毎に分岐するとき個々の主要なデータフロー毎に分割する


TR分割の手順
 (2)モジュール構造組み立て
  ・分岐、合流を制御するモジュールを新たに作成して2つのモジュールの上位に配置する
  ・必要に応じて下位モジュールを更に分割していく
 (3)モジュールのIF定義
  ・モジュール間のデータのやり取りを決める
TR分割とSTS分割の使い分け
主要なデータフローが 1つ  STS分割を使う
  データ種類によって複数に分岐  TR分割を使う

共通機能分割
 共通機能分割とは
  ・分割したモジュールの中に共通的に含まれる機能があるときに、これを共通機能として切り出すこと
  ・共通機能分割の結果は、逆向きの木構造となる
  ・言語や開発環境が提供しているモジュール組織で作成済みのモジュールが多い

 分割技法の併用
  ・まずはSTS分割とTR分割を用いてモジュール分割を始める
  ・最後に共有機能分割を行う
  ・モジュール構造は、TR分割とSTS分割を行っている間は木構造だが、共通機能分割を行うことによりモスク型になる




  
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