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先日、某超ビッグなタイトル戦の中継を見ていた時のこと。超ベテランの2名、AプロとBプロが、激しい乱打戦でぶつかりあっていた。
そんな中のとある一局で、Aプロが仕掛ける。
牌の並べ方は実際のものと同じようにしています。Aプロはこんな理牌から、1pポン打3mでポンテンを取った。ドラは持っておらず、発のみの1500点。
それに対し、Bプロは、
このイーシャンテンから1mを切った。1mも2mも生牌だが、自分の手牌だけ見ればごく自然な一打だ。
しかし穿った見方をすれば、Bプロが「放送卓ではAプロはきちんと理牌する」ということを知っていたために、1mを通せてしまった、という可能性だってある。3mが左端にあったということは、2mも1mも持っていないため、1mは刺さりようがない。
この半荘を見ている限り、Aプロはきっちりとした理牌をしていた。天鳳のように、全ての牌が数字順に並んでいたのだ。Aプロは何十年も競技麻雀をやっている超ベテランプロ。恐らくは視聴者に見やすいように、という配慮でやっていたのだろう。
Aプロと同じ団体のKプロは、別の放送番組でこんな事を言っていた。
「私は若い頃、できる限り手牌構成がバレないよう、理牌はとっても工夫していたんですよ。でも、それを見た先輩プロから『放送対局なら、見やすいようにきちんと理牌しろ。手牌構成がバレたって勝てるくらいの実力を付けろ』って言われて。それからは、見やすいようにきちんと理牌するようになりましたね」
視聴者に見せるものである以上、きちんと理牌しろというのは道理に適っている。これが良いことだとか悪いことだとか言うつもりはないが、「本来通せないはずの牌が通せてしまう」局面が生まれることは事実だろう。
さて・・・誰に見られるわけでもない我々は、誰にも遠慮せずに理牌を工夫することができる。
面前ならともかく、鳴き手の時は晒す時に手牌に穴ぼこができるため、不自然な穴ぼこの開け方をすると、手牌が読まれるリスクが伴う。
例えば他家がカン3mをチーして打6m。このときに、↑のような形で246mが置いてあった場合、かなり手牌が透けてしまう。こんな仕掛けはほぼ
からカン3mチーで25mに食い延ばしたものだろう。
鳴き手の理牌で大切なことは、
①晒す予定のある二枚は隣同士に置いておく
②端っこに変な牌が残らないようにする
この2点が非常に大切だ。それを踏まえて、理牌の仕方を見ていこう。
赤牌の晒し方
まずはこれ。赤5と黒5を両方持っている時の理牌。
①
ぼーっとこんな置き方をしていてはいけない。
基本的に赤5pと黒5pが手牌にある時は赤を晒すのが定石。上家から36pが切られた時、この形の理牌だと
となり、もう一枚5pを持っていることがわかりやすい。別にもう一枚5pを持っていることがわかったからといってどうということはないことが多いが、バレるよりはバレない方が良いだろう。
この手牌の場合は必ず
こうして、晒すターツを隣同士にしておくべきだ。
これならば、36pチーした時も4pと5pの間に不自然な穴ぼこができないため、手牌構成がわかることはないだろう。
②
こんな牌姿の時は、36pチー、47pチーどちらにも備えて
こんな置き方がいいだろう。
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食い延ばし
食い延ばしをする時は、最も理牌に気を使わなくてはいけない。ただでさえバレやすい食い延ばし、理牌でスキができると逆効果にすらなりかねない。
①
例えばこんな手牌、658pはチーだが、このまま置いておくと晒した時がひどい。
58pチーした時にここから2pが出てきたら、「私は36pです」と言っているようなものだ。
これを防ぐためには、
コレ。晒したところの隣から2pを切るようにし、ピンズの形をわからせない。
もしくは単純にこんなのでも十分だろう。とにかく変なところから2pを切らないことが肝要だ。
②
同様にこんな手牌も36pチーに備えて(14pチーは特に問題なし)、
こうして2pを右端によけておくだけで良い。
③
こんな牌姿も、カン8sチーに備え・・・
こう置いておくのが良いだろう。
端っこに変な牌が残らないようにする
①
例えばこんな手牌で8sをポンした時・・・
こうなると、9sトイツが透ける・・・とまでは言わないが、少し気持ち悪いことは事実だろう。
ならばこうしておくだけでも大分違う。何をポンしても透けない構えに。
②
白は2枚飛び。ここから5pをポンしたら中単騎に受けるとして・・・
これでは、字牌単騎っぽさがモロ見えだ。
こうしておいて右端の白を切れば、相手からは何もわからない。
③
この理牌では、発をポンしたとき、別の字牌トイツがあることが悟られかねない。
こんな形にしておくだけでも悟られやすさは大分変わってくるだろう。
ちなみに・・・理牌を工夫することに慣れておらず、崩した理牌だと形を見間違えて自分が混乱してしまうような場合は、あまり崩した理牌をしないことをオススメする。鳴いたときに手牌を悟られるデメリットよりも、自分がミスしてしまうデメリットの方が大きい。複合形が絡んでいる時などは特にわかりづらくなるため、慣れないうちはあまり凝らない方がいいだろう。
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