この記事は過去に「鳳南研究所 麻雀ウォッチ版」に掲載されていたものです。
東南戦、祝儀1枚5000点相当のフリー雀荘の場合、面前祝儀と鳴き祝儀の店の数の割合は、どのくらいだろう。
調べたわけじゃないし体感に過ぎないのだが、都内の場合、7:3くらいの割合で面前祝儀の店が多いんじゃないだろうか。特に個人経営の店は、そのほとんどが面前祝儀、というイメージがある。地方に行くと更にその傾向は強まり、面前祝儀の店の割合が増えていく印象がある。祝儀2000点相当の店は、鳴き祝儀が多いけど。
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そんな面前祝儀について、「面前祝儀はゴミのような愚形テンパイでも、ダマのぶっ高い手でも全部リーチ!!祝儀がもらえるチャンスを最大限にしろ!!」なんて話を聞くことがあるが、これはちょっと乱暴すぎるんじゃないかと思っている。今回は、この「メンシュー全リーチ打法」について異議を唱えていきたい。
面前祝儀の場合、鳴いた手に赤が入っていても祝儀はもらえない。そのため、副露手の価値が下がり、相対的に面前手の価値が上がる。
が、勘違いしてはいけないのが、「鳴き祝儀の店と比べて面前手・祝儀の価値が上がるわけではない」ということだ。具体的にどういうことだろうか。
例えばこの手をテンパイしたとする。
この手の価値は、面前祝儀のルールよりも、鳴き祝儀ののルールの時の方が価値が高い。祝儀がもらえるかもらえないかが変わるわけだから、当然だ。
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じゃあ、次の手の場合はどうだろうか。
この手の価値は、面前祝儀でも鳴き祝儀でも変わらない。なぜなら、どっちのルールでも祝儀がもらえるから。
手牌の価値に関して言うと、鳴き手の価値は鳴き祝儀よりも下がるが、面前手の価値は、鳴き祝儀の時と変わらない。ということはつまり、リーチ判断は変わらないのだ。鳴き祝儀でリーチする手は面前祝儀でもリーチするべきで、鳴き祝儀でダマにする手は面前祝儀でもダマにするべきなのだ。
例えば上の手でドラが1pだとする。ダマでも満貫。曲げても曲げなくても大差ないと思うのだが、「鳴き祝儀の時は曲げないけど、面前祝儀だから曲げちゃえ!」というのは理屈が通っていないんじゃないだろうか。
面前手の価値は同じなのでリーチ判断は変わらないし、祝儀1枚の価値も変わらない。祝儀の流通量は減るが、だからと言って5000点相当なもんは5000点相当なのだ。それ以上でも以下でもないので、「メンシューなら祝儀をもらえるチャンスを最大限にしろ!!」というのはちょっと違うんじゃないだろうか。
じゃあどこが変わるの?と言ったら手組みと鳴き判断、それくらいのものだろう。赤がある手のポンテン・チーテンのタイミングは鳴き祝儀よりも遅くなるのは当然だし、赤がある手では面前進行に重きを置くことが増えるため、孤立役牌の価値は下がる。
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