協会に「菊地俊介プロ」がいる。元天鳳十段のちくきさんだ。数年前、その菊地プロの麻雀を評して「字牌の扱い方が上手い」と書いていたプロがいた。
誰がどこに書いてたんだか、まるで覚えてないが。
当時は言ってる意味が、わかりそうでわからなかった。
字牌の扱い方が上手い??なんとなくわかりそうな気もするが、字牌を切るのに上手いも下手もないような気がする。んー、よくわかんねーけど、「字牌の扱い方が上手い」って言うとなんか麻雀上手そうに聞こえるな。くー!俺もいつか使っちゃろ!くらいに思っていた。
そんで、数年後。天鳳の鉄強達の牌譜を見るうちに、「あ、この人は字牌の扱い方が上手いや」と感じる人が何人もいた。せっかくなので、「字牌の扱い方が上手い人」がどうやって字牌を扱っているのか、まとめてみようと思う。
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字牌が活きる手・活きない手を見極める
字牌を扱う場合には、まずは自分の手が「字牌が活きる手」なのか「字牌が活きない手」なのかを見極める必要がある。字牌が活きる手であれば、愚形ターツや孤立中張牌よりも孤立字牌を引っ張るケースもある。
字牌が活きる手→ダメもとの手
字牌の扱いがうまい人は、ホンイツ・トイトイ・チャンタあたりをアガる回数が人よりも多いんじゃないだろうか。あまり浮かない手で孤立の字牌を残しながらダメもとの手役作り進行をする回数が多いのだ。孤立字牌を持つことは守備力にもなるし、役に絡めて高打点の種となることもある。ダメな手ほど、字牌は慎重に扱う。
これは天鳳位・おかもとさんの牌譜より。例えばこんな手は、字牌が活きる典型だ。
面前で進めたとして1300愚形にしかならないので、字を重ねてのポンして1000点コースを強く見る。さらには字が重なった瞬間に89m落としをすることで、字を両方重ねてのホンイツ満貫まである。
zeRoさんの牌譜より。南をポンして、現状ダブルバックの形。発や1pを残していくことで・・・。
こうなって
こうだ。多少リードしている局面なので、47sの1000点テンパイでもまあまあ偉いが、少なくとも平場だったらこちらの方が良いだろう。
こちらはすずめクレイジーさん。前巡から突如ターツを壊し始める。何をし始めたのかと思ったら・・・
流し満貫だった。2枚切れの白や発や東は、後から切っても鳴かれない。逆に19牌なんかは、流し満貫阻止のため、出来メンツチーされることだってある。流し満貫決め打ちするなら、先に19を切ってしまった方が良いだろう。
もう一ハンつけたいときのご飯のおかずに(ふりかけ)
これは就活生さんの牌譜より。南2の2着目で、安全度なら北を残すところだが、巡目も早いしもうちょっとだけ欲張りたいところだ。中が重なれば3900が狙えるため、ここは中を残す。中はふりかけのようなものだ。かけなくてもいいけど、ご飯が余ったらかけても良い。ちょっと何を言っているのかわからないですね。
これは秋田のにんにくさん。受け入れ枚数で言えば1pを残した方が良いが、1pにくっついて嬉しいのは、せいぜい2pを引いてのメンピン。ならばドラとダブ東のくっつきに受けることで、マンガンクラスの手作りをする。どちらにくっついても、割と満足なリーチが打てる。この東はふりかけというよりも、「明太子」とか「ごはんですよ」くらいの価値がある。
現状東バック。アガるだけならまあアガれそう。だが、字の重なる余地を残しておくと・・・
字牌を重ねるだけで、一気に味が出てくる。大豆みたいな手が麻婆豆腐に化けた。
人のご飯にふりかけをかけてはいけない
タンピン系のような整った手では字牌は不要。パンにふりかけは合わないのだ。
コーラ下さいさんの牌譜より。この手なら、2sより先に東を切る。南家、西家は変則手っぽく、親にはダブ東。自分の手牌的にも、東を重ねるより2sが重なった方が嬉しくないだろうか?
こういった手での字牌の切り遅れは致命傷だ。字牌は安全牌にもなるが、こういった「役牌」の「生牌」はまるで安全牌にはならない。リーチが来ても切りづらいし、刺さったら高い。さらに言えば、数牌は切り遅れても最悪くっつけて吸収することもできるが、字牌の場合は横に伸びないため、切り遅れたが最後、その1枚で手牌が死んでしまうことが多いのだ。
字牌が不要な手の場合には、相手のご飯にふりかけをかけてしまうことのないよう、なるべく早く切る意識が大切だ。
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