[24日 ロイター] - 米中堅銀ファースト・リパブリック・バンクは24日、第1・四半期に1000億ドル余りの預金が流出したと明らかにした。バランスシート再構築を含む選択肢を模索していると発表したことも嫌気され、株価は引け後の時間外取引で20%超急落した。
同行は役員報酬カットやオフィス縮小、第2・四半期中の従業員約20─25%を対象とする人員削減でコストを減らす計画を示した。また、保険対象の預金を増やし、連邦準備理事会(FRB)からの借り入れも圧縮するとした。
マイク・ロフラー最高経営責任者(CEO)は決算発表後の電話会見で「バランスシート圧縮という優先課題に沿って支出を大幅に減らす措置を講じている」と説明。会見はアナリストからの質問を受けずに15分弱で終了した。
ジャニー・モンゴメリー・スコットのアナリスト、ティム・コフィー氏は、質疑応答を行わないのは2008年金融危機時の会見を想起させると述べた。
ファースト・リパブリックは経営強化を加速するため「戦略的選択肢」を模索していることも明らかにしたが、詳細には触れなかった。
関係筋によると、同行はあらゆる選択肢を検討している。プライベートエクイティ(PE)投資会社や大手金融機関など同行の好転に寄与し得る関係者を集める形で支援するよう米政府に求めているという。
同行は地銀のシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行が先月経営破綻し、銀行不安が高まる中で注目を集めた。
ニール・ホーランド最高財務責任者(CFO)は過去最大の預金流出に見舞われたと述べた。
第1・四半期に預金は1764億3000万ドルから1044億7000万ドルに減少。JPモルガン・チェースなど大手銀11行が資金繰り支援のために預け入れた300億ドルを除外すると、流出額は約1020億ドルとなった。
前出のコフィー氏は「預金の純流出は約400億ドルと予想していた」とした上で、「これほど多額の預金を失い、借り入れでそれを補うのは非常に高くつく」と述べた。
預金流出は3月27日の週に落ち着き始め、4月21日まで安定して推移した。
ファースト・リパブリックは長年、住宅ローンやその他融資の優遇金利で富裕層の顧客を獲得してきた。
ザ・ウェルス・アライアンスのロバート・コンゾCEOは「金利が極めて低く収入をほとんど生まない大規模な住宅ローンポートフォリオはあまり魅力的でない」とし、買い手候補の意欲をそぐ可能性があると指摘した。
こうした中、ムーディーズは24日、ファースト・リパブリックの格付けを3段階引き下げた。ウエスタン・アライアンス・バンコープやコメリカ、USバンコープも格下げした。
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