マインド亀

マネーショット Pornhubは語るのマインド亀のレビュー・感想・評価

3.5
あなたが観ているその動画、誰かが搾取されているものではないですか???

●Netflixがまたドキュメンタリーでやってくれた!少し下世話な性産業を舞台にしたドキュメンタリーかと思っていましたが、観始めるとなかなかどうして、シリアスなトーンが増し、正義感が間違った対象に牙を剥く恐ろしさを思い知る作品でした。

●このドキュメンタリーでは、pornhubの非合法な動画を取り締まる名目で、弁護士や市民運動家が正義の鉄槌を下す状況を描いていましたが、性産業そのものが敵視され、合法的に働いているポルノ業界人が食い扶持を奪われ保護されない側面も描かれておりました。
日本でも弱者救済の正論を武器にAV新法が成立し、逆に女優たちが闇の営業を取らないといけない状況に陥っております。ご立派なセンセイ達がご立派な正義感を振りかざして、セックスワーカーの職業を蔑んでいる状況が世界中で起こっている状況なんだと思います。

●とはいえ、確かに弁護士や市民運動家にもきな臭い団体がバックについてはいますが、非合法にアップされた動画の当事者などが被害にあってるのは事実。そしてちゃんと合法的にpornhubで収入を得ているセックスワーカーにとってとても良い仕組みなのは事実。一番ずる賢いのは全てを放り出して、彼女らを搾取し、とんでもない広告料を手にしているマインドギーク社会社の上層部なんだと思います。
こういった巨大なECプラットフォームで得をするのは会社の最も上の方で、その末端で消費されるセックスワーカーや、非合法な動画の被害者は搾取されるばかり。今後もこういったプラットフォームによる弱者の搾取は過激さを増し、そのうちAI技術の発展により自動で動画が生成され、働く人々すら不要なディストピアになっていくのではないかと恐怖を感じました(←これはあくまで私の想像ですが)。
マインドギーク社で働いていた一般社員のインタビューも行っており、あらゆる方面からこの問題点を浮き彫りにし、深く考えさせられる良作でございました!是非全人類に見てほしい作品です!
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    他のユーザーの感想・評価

    mmmu

    mmmuの感想・評価

    -
    世界最大のポルノサイトが誰でも自由にアップロードできる仕組みだったってこわすぎる human traffickingって人身売買って訳されるけど、つまりは意志に反して人間をモノとして(目的ではなく手段として)扱うこと、それによっておこなわれる搾取を指していて、そのニュアンスはいまの訳語だと伝わりづらいのではないか 
    英語圏では反ポルノがキリスト教保守派と結びついていること、規制の煽りを1番受けるのはセックスワーカーの労働環境の悪化だということ、日本のポルノ市場との違いとかも気になった ポルノのポップ化にも功罪ある
    ムサシ

    ムサシの感想・評価

    3.0
    ポルノっていうより、ネットとSNSについてって感じ

    面白かったけど、それぞれのことをもっと深く知りたかった
    結論から言うと、つまりは#HENTAIを掲げた大東亜共栄圏の再興なのである。

    創造主の大学生からPornhubを買収したSEO最適化の天才ファビアン・ティルマンの調整によりトラフィックが激増、その後引き継いだ経営陣が鬼のプロモーションをかけて一気に月間訪問アクセス45億PVを叩きだし世界第9位のサイトにまで発展。
    アダビデ俳優が自分達で制作したファンタスティックムービーを有料会員に視聴させる中で手数料を取るビジネスモデルが合法かつ健全な状態で成功した。一方で一般会員として簡単にアップロード出来るような無法地帯の中で八百万のヤバ動画が蔓延り莫大な広告収入を得ていたのが本体だったため、あの空前絶後の動画削除劇となる。と言うような簡単な話では無かった。

    正義に笠を着まくった正義マンのヤバさを見た気がする。Pornhubの統計面白いよね。
    hasisi

    hasisiの感想・評価

    3.6
    エロ動画サイト[Prnohub]
    最大手の内情や歴史を紐解く過程で、業界そのものの構造が炙り出されてゆく。
    ポルノ俳優だけでなく、運営会社や、反対派のインタビューも交え、個人で動画配信する人々を取り巻く環境や実情に迫る。

    監督は、スザンヌ・ヒリンガー。
    2023年にNetflixで公開されたドキュメンタリー映画です。

    【主な登場人物】👙🩲
    [セレーナ・フレイテス]被害者。
    [ニコラス・クリストフ]コラムニスト。
    [ノエル・パーデュー]業界勤務。
    [ブリー・ミルズ]ポルノ監督・眼鏡。
    [ホイットニー・バーゴイン]元従業員。
    [マーティン・パトリキン]記者。
    [マイク・スタービレ]業界関係者。

    📱ポルノ俳優。
    [アサ・アキラ]大使。
    [ウォルフ・ハドソン]髭。
    [グウェン・アドラ]眼鏡・鼻ピアス。
    [シェリー・ドビル]ドレス。
    [シリ・ダール]ピンク髪。
    [ナターシャ・ドリームズ]大使。

    ⚖️弁護士。
    [イオタ・ソウラス]黒ぶち眼鏡。
    [ダニ・ピンター]ロングの七三分け。
    [マイケル・ボウ]角刈り。

    【感想】📹🛌🏼
    ヒリンガー監督は、ニューヨーク出身の女性。詳細分からず。『無責任大統領と17人の告発』の監督の1人で、エミー賞を受賞しています。

    ポルノの具体的な内容について詳しく解説してくれる素敵な映画。ではなくて、
    会社経営の話。
    序盤は、インターネット初期からのポルノの発展の歴史を振り返る場面や、撮影現場などが流れて魅力的。
    レトロゲームのカタログ動画を見ている感覚に近い。

    ネットの初期は、それまで本屋で購入していたエロ本が無限に拡張したので、夢中で画像を集めていた。
    いまでも時々狂ったように集める時があるで、動物の習性なのだろう。

    このノリのまま1本撮ってくれれば笑えて最高なのだが、
    社会派の監督がそんな視聴者を甘やかす映画を撮るはずもなく、
    鞭の部分がメイン。
    いかがわしい動画を見ているのがばれて、正座させられて説教されるような展開へ。

    [Prnohub]⬛🟨
    2007年にカナダで開設されたチューブ系エロ動画サイト。黒字に黄色いロゴが目印。
    2010年にポルノ大手、マインドギークの傘下に入った。
    世界で10番目に多くアクセスされているウエブサイトであり、国別アクセス数では米国についで日本が2位に入っている。
    (Oh😳)

    サイトが巨大化してく通例。初期は無法地帯であり、紆余曲折あって、いまは健全な環境になりつつあるらしい。
    (知らんけど)
    動画の大量消去の裏側で何が起こっていたのかまとめてある。

    以前は時々観覧していた気がする。昔の珍しいOVAやMMDなど。改革後は何もヒットしなくなったので、全然立ち寄らなくなって記憶の彼方に。

    メジャーになってゆく流れが当時の運営から聞かされるので「なるほどね」とはなる。
    運営からは試練を乗り越えてゆく成功体験も、ユーザー側からは退屈になってゆく過程。
    (とは言え、犯罪動画なんて興味ないし)
    普段の性生活に根差した興味深い内容だけど、今一つ乗り切れず、複雑な心境にさせられる。

    犯罪動画の被害を扱った場面は鬼気迫るものがあって、閉鎖されなかったのが不思議なほど。
    エロ動画サイトを敵視している人たちも、治安の維持に貢献しているから、一概に悪いとは言えない。

    👩🏽‍💻現場の話が聞ける。
    年下ばかりなのに、エロ歴史の理解度が高くて、師匠と呼びたくなるほど熱心な方々。
    修羅場をくぐってきた生き残りはみなタフで、パワーを分けてもらえる。
    笑えない深刻な内容が中心なので一服の清涼剤に。

    演者がどのようにして収益化しているのか、視覚的に認識できるのも映画ならでは。
    サブスクで生活している人達が紹介されて、
    確かに最近は「お金払ってくれたら本編を見せるわ😘」が増えたので、豪邸を建てた人がいても不思議ではない。

    話がそれるけど、Tubeでも最近までスポーツの生放送を自宅から中継している無茶な人達がいたけど、いまは全滅した。
    日本のテレビ番組であればTVerやABEMAで見られる。
    こんな風に公式が無料提供して、違法の存在意義が薄れている。
    (会話できるチャット欄が目当てだったので寂しいけど)

    ネットの動画に興味がない人の「1度動画が出まわったら、2度と消すことはできない」がミームになっている。
    サーバーに動画が記録されていて、容量を食うから昔の動画は理由をつけてつぎつぎ消されてゆく。
    たとえば、以前見かけた90年代のバラエティ番組なども、すぐにどこにも存在しなくなる。
    大手に統合されてゆく流れが、それに拍車をかけている。

    [OnlyFans]⚪🔵
    Twitterを模したサブスク型のSNS。
    演者が個人で商売できる方法の1つ。
    ユーザーは、お金を払って俳優と繋がる。定期的に写真や動画が公開されるので、無法地帯を歩いて、犯罪動画と衝突するような危険性が少ない。

    YouTubeだと、クリエーター向けのPatreonがよく見かける。
    買い切りか、定期購読か。寄付の形式なので、額も選べて自由度高く推しに貢げる。

    ⚔️ポルノは戦いの歴史。
    ポルノ撲滅教の人たちとの戦いが過酷で、映画業界とは共通点が多い。弁護士への相談が絡んで泥沼。
    裏に隠れている組織も有名どころで、儲かる業界はそれに比例してストレスも上昇する。

    [SESTA]🔯🦅
    性的人身売買業者法の有効化を停止できる米国の法案。
    この法律の施行によって、いくつもサイトが閉鎖に追い込まれ、そのつど配信者の働き先が消失。
    さらには、配信者のSNSが検索されなくなる処置など、追い打ちがかけられた。

    🕊️大切なのは配信者。
    最初はPrnohubの広告動画? のように思って見ていたら、サイトを叩く人だけでなく、経営の裏側も暴いていて、気持ちの持って行き場ない。
    切り取りによる印象操作も露骨で、両方を敵に回している。

    ネットでの仕事も冷徹。
    法律で規制されると一瞬で立ち行かなくなる。
    YouTuberも、突然収益化が出来なくなるので、専門でやれないって話は聞くし。

    演者にとって個人配信はどこで働くよりも安全なのに、
    犯罪と一色単にされて仕事が失われては逆効果だ。
    撲滅しようと過度に訴える人達が、誰よりも差別主義者なのはどの業界も変わらない。

    【映画を振り返って】📹🛀🏻
    📑めっちゃ真面目な内容。
    動画が勝手にアップされる被害への対処報告と、サイトが整備されてゆく流れ。
    ・身元確認できないと動画をアップできないようにする。
    ・問題のある動画がアップされたら消去して、アカウントを凍結する。

    まだまだ始まったばかりの業界なので問題だらけ。形が整ってゆく過程が、環境を初期から知る人たちのインタビューと合わせて再現されている。

    黎明期って確かに何でもありで面白いけど、
    お互いが満足できるに越したことはないので、法整備には反対する理由がない。
    それでも、いまは触れることができなくなった過去なので、映像化には価値がある。
    「そんな時代もあったなぁ」程度でも、
    昔を思い出す行為は脳にいいので、エロオジには打って付けの内容だった。
    よー

    よーの感想・評価

    3.4
    pornhubに限らず世に溢れるポルノ動画の中には違法なものも沢山あり被害に遭っている人たちが男女問わず多くいる傍らこのコンテンツを職とし生活している人たちも沢山いる。これだけのネット社会で全てを取り締まるのは難しいが本人の意思に反する違法動画のアップロード等は決して看過してはならない。日本は特に性に関してタブー視しがちだが正しいこととそうでないこととの線引きから目を背けずしっかりと教育していけばもっと傷つく人たちや失っていく命の数を減らすことができるはず。
    くりふ

    くりふの感想・評価

    3.5
    【ポルノなんて、の落とし穴】

    Netflix新作ドキュメンタリー。不勉強で、性欲系動画共有サイトPornhubのこと、その巨大ぶりなども知らず、後回しにしていた。

    見た後で、香港人の一番人気が日本のHENTAIアニメであることや、大量の動画削除騒動の後、その原因をつくったNYTの記者へ、日本から誹謗中傷や殺害予告が相次いだことなどを知って、日本の恥絡みのことも映画に含めてほしかったなあ、なんて思いました。

    お金はお金に過ぎず、そこに人間性を期待してはいけない、という冷酷な学びがある。

    対岸の火事だが、同じ境遇が自分に起こることだってある、そこは忘れるなと思った。あと、こういうカテゴリだと軽く見がちだな、と自分に染み付く優越感を思い知らされる。

    セックスワーカーが人気を集めて、自営業として儲かる仕組みにへえーと感心したが、目立つそこに、厄介な連中から目をつけられてしまったわけですね。

    実際、性的暴露という映像の被害を受けた人はいるだろうが、目をつけた連中の目的は、弱者の保護ではなかったという。まあ、あの宗教だと、本音はわかり易過ぎますが。

    一方、Pornhubのビジネスモデルでは、一番儲かるのは広告であり、それを引き寄せる一番手はセックスワーカーではなかった。ということで、結局ソンをするのは…。

    終わってみると、意外性はなかったですね。いかにもな魑魅魍魎が跋扈していた。

    改めて、メディアと性欲の、切っても切れない関係を思い知らされますが、他人事にしておくと、足をすくわれそうだ。

    足りぬ掘り込みが色々あるようにも思いますが、見ておいて善きドキュメンタリーでした。

    日本のAV業界も、AV新法に絡んだコトを始め、色々と荒れているようですが、そちらを掘り込むドキュメンタリーやフィクションにもどんどん、出てきてほしいですね。

    <2023.4.24記>
    dropham

    drophamの感想・評価

    3.4
    カナダのポルノ会社であるPornhubの成功とスキャンダルを動画パフォーマー、活動家、元従業員のインタビューに基づいて深く掘り下げる。
    Pornhubという会社が、YouTube(Google)の会社に匹敵することに驚きました。ポルノを主体としているので、なんか色々とあるんだなと大変そうに見えました。
    Pornhubにお世話になるのは大概の男性の通過儀礼ではないだろうか。

    収益を得るパフォーマー(Youtubeの配信者的な人)、会社の重役、元従業員、サイト閉鎖を目指す活動家など、様々な角度からこの世界有数のポルノサイトを掘り下げるドキュメンタリー映画。

    性犯罪の温床となっている実情、運営会社を攻撃する活動家、それを受けて起きたカード会社の対応や新法の制定により厳しくなる検閲。
    SNSのシャドウバンや収入を得る手段を失っていく性産業従事者の姿も収められている。

    死ぬほど見たことあるサイトの、普段見ることのない裏側や取り巻く情勢が見られるという点で非常に興味深い映画だった。
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