
◇VOL2
(続き)・・・・
フーゼル油は良いことばかりではありません。
フーゼル油というのは、ぶどう糖のアルコール発酵のさい、副産物として生成する高級アルコールの総称で、油状液体です。
お酒に個性と風味を与えると同時に、刺激的で青くさい香りと辛味、刺激的かつ、薬品的な香りでわずかに苦味を発生させます。微量だと芳香と心地よい刺激を生み出しますが、多すぎると飲みにくいという諸刃の剣でもあります。
生成したフーゼル油は、醪(もろみ)の過程で大部分は固形分に付着します。ウイスキーでは蒸留前に醪を粗ろ過して、フーゼル油が付着した固形分の一部を除去するのに対し、焼酎では固形分と共に蒸留します。
焼酎が南九州でしか飲まれなかった理由がここにあります。(続く) |
南海日日新聞掲載分
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(其之26)

ロシアによるウクライナ侵略が始まってから、そろそろ1年になろうとしています。一刻も早く終結する事を祈るばかりです。
ウクライナやロシア一帯の酒と言えばウオッカです。「ジン」「テキーラ」「ラム」と並んで世界4大スピリッツと称されます。原料は小麦や大麦、とうもろこしといった穀類が中心ですが、一部の地域ではジャガイモも用いられるようです。しかし、その起源ははっきりとしていません。
一般に知られている説では、12世紀には現在のロシアやポーランドにあたるスラブ民族の住む地域で、ウオッカの原型と思われる酒がありましたが、現在のものとはまったく違っていました。モンゴルを経由してロシアの民に蒸留技術が伝わると、蜂蜜酒やビールを蒸留し、それが最初の蒸留酒ウオッカの原型となりました。
ウオッカの激変は18世紀、白樺の炭による濾過効果の発見です。蒸留したウオッカを8時間以上かけて白樺の活性炭で濾過すると、フーゼル油などの匂いやエグミの元になる成分が除去されて、白樺のほんのりとした甘味が加わり、現在のようなクリアな酒が誕生しました。
みんなが笑いながらお酒を飲める日が早く来ますように… |
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