今回のテーマは副露率に関して。
鳳南全体で見ると、低い人で.200前後、高い人で.500くらいになるのだろうか。人によってかなりばらつきはあるが、大体3割台に収まる人が多いんじゃないだろうか。ちなみに、七段以上の副露率の平均は.350~.360の間っぽい。鳳東の人は副露率高いだろうから、鳳南の副露率平均はこれよりもうちょい低めになるのかな。
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トトリ先生19歳さんの副露率は4割
「副露率.400」と聞くと、どんな感じの打ち筋を思い浮かべるだろうか。おそらく、「なんでもかんでも仕掛ける人」を想像するんじゃないだろうか。
(画像はASAPINさんの昇段ツイートから拝借しました)
ASAPINさんの二代目ID、「トトリ先生19歳」の副露率は.401。かなり高い。が、トトリ先生の牌譜を見てみると、先手で鳴くことが多いというよりは、リーチを受けてからの粘り鳴きや、ハイテイ付近でのツモずらし、ケイテン取り、ツモ番キャンセル等々が人よりも多いため、このような数字になっているんじゃないかと思っている。
また、過去に十段に到達した「nakajuun」さんも、副露率が4割近くあった覚えがある(こちらはソースなし)。そこまで鳴きが多いという印象はあまりなかったが、牌譜を見てみるとやはり後手を踏んだ時に、押し返すための副露が多かった。
このようなことから、いわゆる「軽い鳴きが多い」打ち方と、「副露率が高い」打ち方は、イコールにはならないと考えている。単純に言えば、「リーチに対して必死に粘るか、中抜きしてオリるか」「攻撃型か、守備型か」というようなことで、副露率が変わってくるのだ。
リツミサンやはぐりん@さんが仕掛ける時とは
面前型のリツミサンやはぐりん@さんは、副露率2割ほど。トトリ先生の半分だ。この二人の牌譜を見ていると、本当に鳴かない。役牌は鳴かないしタンヤオ仕掛けも少ないし、そもそも面前で進めるための手組みが多いので、鳴く手になる回数が他の人よりも少ない。
ただそれでいて、ケイテンを取りにいくための鳴きは、二人とも非常にうまい。
↑割合は適当だが、イメージ的にはこんな感じ。普通の人よりも、ケイテンを取るための仕掛けの割合が多い。
これはもちろん、先手や後手での鳴きが少ないから、相対的にケイテン鳴きが増えているということもあるが、「的確な仕掛けが多い」ということは間違いなく言えるだろう。
また、この人達の麻雀を見ていると、「面前進行でしか取れないケイテン」が結構見受けられる。この辺は上手く言語化できないし、これ!という牌譜があるわけでもないのだが、イメージ的には・・・
この西をスルーして・・・(これは鳴かない人が多いだろうけど)
西を落として粘りながらアガれちゃう、みたいな。後手で粘りやすくしてるみたいなそんな感じ。
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副露率より副露の内容
以前取り上げた一蓮峻潤さんの大ミンカン。一見謎だが、よーくよーく考えてみるとかなり的確な鳴きに思える(この記事で考察してます)。なかなか思いつかない、こういうのも、副露率の中に含まれるのだ。
プロ野球の世界では、イチローが「センター前ヒットだけでいいならいつでも打てる」と発言したことがある。
3度の三冠王に輝いた落合博満も、「オレはホームランを捨てれば4割打てる」と発言している。
最悪でも進塁打を打たなきゃいけない場面、長打を狙わなければいけない場面、犠牲フライを狙わなきゃいけない場面など、野球をやっていればいろんな場面が出てくる。高ければ高いほど良い、と一般的には思われる「打率」ですら、内容の問題が出てくるわけだ。打率ですらそうなんだから、副露率に関しては尚更だ。副露率は意識して上げたり下げたりするものではなく、麻雀の考え方が変わった末に「結果的に」上がったり下がったりするべきもののはず。目的は平均順位を上げたりラス率を下げたりすることであって、副露率の高低だけを気にしてもあまり意味はないんじゃないだろうか。的確な鳴きを増やし、損な鳴きは減らす、大事なのはそれだけだ。
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