「食い替え」といえば、例えばこんな手筋が思いつくだろうか。
こんな手の時に上家が赤5mを切ってきたら456mでチー、打2m、なんていうのはもはや常識と言っても良いだろう。が、今回書きたいのはこんなスマートで知性溢れる、キャリア官僚みたいな食い替えではなく、もっとおサルさんみたいな、美しくない食い替えの話だ。
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ドラの食い替え(美しくないやつ)
例えば祝儀のない天鳳の段位戦で、
子の5巡目、こんな手で一牌切り番だったとする。
これだと、1000→2000の打点上昇は大して偉くないので、周りに動きがなければ、ドラを先に切って安牌の西を残したくなるじゃないですか。
この手をちょっと変えて
同じく子の5巡目。
これだと、3900→7700の打点上昇が大きいため、西を切ってギリギリまで7p残したくなるじゃないですか。
麻雀の点数計算は倍々計算なので、現状確定しているのが何点なのかによって、ドラの価値も変わってくる。
これを踏まえて・・・
例えばこんな手(待ち番です)。
この手で上家がドラの1mを切ってきたとする。1000→2000の打点上昇のメリットと、手牌を短くして南を手放すデメリットを比較すると、デメリットの方が大きく見える。ほとんどの人が鳴かないことだろう。
では、次の手ならどうか。
赤赤のイーシャンテン。現状3900の手だが・・・ここからは、ドラの1mはチーして南を切るべきじゃないだろうか。
汚い、実に汚い、麻雀界の重鎮達から叱咤を受けそうな仕掛け。だが、安牌が減ったり手牌が短くなるデメリットなんて吹き飛んでしまうほど、3900→7700の打点上昇が確定するのは大きすぎる。
冒頭のドラ7pは引っ張るのにこの1mはチーしないというのはおかしい。上の7pを引っ張っても打点上昇は確定しないが、この1mはチーすると打点上昇が確定するのだ。見た目があまりにも美しくなさすぎるので思わずパスボタンを押したくなるが、これは必ずチーしたいところだ。
ここからも1mチーして5s切りが良いだろう。3p5sのポンテンが取れなくなるが、どちらも中張牌のためポンしづらい牌。受け入れこそ狭まるが、3900→7700の打点上昇効果はそれ以上に大きい。
これも赤5mはチーして西切り。現状2000点のイーシャンテンが、3900確定、高目満貫のイーシャンテンになる。
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赤牌の食い替え(祝儀比率の高い場)
祝儀比率が高ければ、ここからでも赤5mチー打西は有力だ。祝儀5000点相当の場合、祝儀1枚の価値はおよそ1000点、赤牌一枚の価値はおよそ2000点(参照:祝儀牌のある手の押し引き)。打点は1000点が2000点になるだけだが、祝儀も含めて考えれば、実質的には1000→4000点くらいの打点上昇になるわけだ。手を狭めて安牌切るだけの価値はあるだろう。
なんなら、ここから赤5mをチーして打7pだってアリだろう。19pはかなりポンしやすいトイツのため、7pを切って受け入れを狭めても、テンパイ率はそこまで大きく低下しない。
ここから赤5mチーしてピンズを切るのはさすがにやりすぎか。
赤の食い替え:祝儀比率の高いルールなら、赤には迷わず飛びつけ!!
スマートにできる食い替えと違い、こういったムリヤリの食い変えは見た目は非常に良くないが、勝つためには大切なことだ。麻雀の実力は見た目では決まらない。汚く鳴いて勝ちを拾おう。
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