ゆうせーさんの牌譜より。
8順目という微妙な時間帯。他家の捨て牌を見ても、割と煮詰まっている頃合いだ。だが1枚切れの南を切ってドラ受けを残す。
ゆうせーさんは、押し引きのバランスが割と守備寄りで、気合オリも多用するタイプ。余剰牌は攻撃的な牌を残すことが多い。対して・・・
秋田のにんにくさんの牌譜より。567の三色目はあるが、7m切って2人に安全な9p残し。
この人は割と押し返しが強いタイプで、中抜きオリはあまりしないタイプ。余剰牌は、割と守備的な牌を残すことが多い。
打ち手の余剰牌の持ち方と押し引きのパターンは、4種類に分類できる。
Bタイプ 攻撃余剰牌を持つことが多め - 粘りタイプ
Cタイプ 守備余剰牌を持つことが多め - 中抜きタイプ
Dタイプ 守備余剰牌を持つことが多め - 粘りタイプ (秋田のにんにくさんタイプ)
天鳳、特に鳳凰卓の強者の牌譜を見ていると、Aタイプ(ゆうせーさんタイプ)か、Dタイプ(にんにくさんタイプ)に該当することが多い。これはもちろんどっちが良いとか悪いとかそういう話ではない。どっちも一長一短なのだ。
ただ、Bタイプ、Cタイプと比べると、Aタイプ、Dタイプの方が、余剰牌の持ち方と押し引きの相性が合っているんじゃないかな、という気はする。
Aタイプ・・・攻撃的な余剰牌を残し、リーチが来たら中抜きも辞さないタイプ
攻撃的な余剰牌を残すことで、自分の手牌の価値を上げることを重視する。
切り遅れたなら切らなければ良い、もしくは余剰牌にくっついたら押し返せば良い、という考え方。放縦率が低いことが多い。
Dタイプ・・・守備的な余剰牌を残し、リーチ後の押し返しや粘りを見るタイプ
守備的な余剰牌を残すことで、相手リーチが来た時に残した牌を切りながら粘ることを重視する。
このタイプにとっては切り遅れは致命傷だ。相手の危険牌をリーチが来る前に処理し、なるべく安全に追いかけリーチに持ち込む。危険牌を持ってきたら、宣言牌で勝負だ、という考え方。高打点のアガリが多い。
例えばBタイプは、押し返す時に危険牌を切る回数が多くなり、危険が危ないっつーか、頭痛が痛いっつーか・・・。押し返す時に危険牌を切るのであれば、放縦率が上がる分、和了率も下がってしまう。
Cタイプだと、自分の手の価値を上げにくくなり、馬から落馬しちゃうっつーか・・・。どうせ安全進行できるのであれば、自分の手を強くできる可能性を上げたほうが良い。
全然関係ない話だが、「我が巨人軍は永久に不滅です」も、頭痛が痛いシリーズの一つらしい。言われてみれば確かに・・・。
また、この「余剰牌と押し引きの相性」という考え方は、自分の手牌進行にも応用できる。例えば・・・。
東1局、南家、8巡目。ドラ3m。以下の牌姿で何を切るか。
①
②
①の牌姿は現状リーのみのイーシャンテン。それほど押し返したい手ではない。どうせ後手でテンパイしてからオリても損じゃない手なので、ドラ表の2m(攻撃余剰牌)を切り遅れるリスクは気にせず北を切り、ギリギリまでドラ受けを残して自分の手の価値を上げに行くのが良いだろう。
②の牌姿はドラ4のリャンシャンテンの手牌。是非押し返したい手だが、8巡目でリャンシャンテンだと先手を取るのは厳しいところだ。アガリたい手牌だからこそ、後々押し返しやすいように5sを先切りしておき、リーチが来た後も西(守備余剰牌)を切って粘っていくのが良いだろう。
本当は平面何切るだけで語りきれる話ではないんだが、まあ言いたいことはなんとなく伝わるだろう。
まとめ
★強者は大体「攻撃余剰牌×中抜き」タイプか、「守備余剰牌×押し返し」タイプ。
★後手で中抜きする手なら、切り遅れを恐れず攻撃余剰牌を持って進行するのが良い。
後手で押し返す手なら、危険牌は先に処理し、守備余剰牌を持って進行するのが良い。
関連記事
- 微妙な押し引きと「手詰まり」を生まない手牌進行(後編)【過去掲載分】
- 【天鳳強者の麻雀観】守備型の3タイプ【過去掲載分】
- 【天鳳強者の麻雀観】守備力は攻撃力を兼ねる
- 手組み段階から押し引きは始まっている!!他家との距離感の取り方
- 【天鳳強者の麻雀観】攻撃型にも2タイプある【過去掲載分】
ピンバック: 【天鳳】鳳凰卓強者研究⑲:スナック瞳さん ラス率は驚異の.206!対応力が光る昭和系新十段! | 鳳南研究所
ピンバック: 【天鳳】鳳凰卓強者研究⑲:天鼓(黒猫@ぺろぺろ☆)さん 守備意識の高い鉄壁麻雀!! | 鳳南研究所
ピンバック: 【鳳南研究所】天鳳強者研究⑲:天鼓(黒猫@ぺろぺろ☆)さん 守備意識の高い鉄壁麻雀!! | 麻雀ウォッチ
ピンバック: 【鳳南研究所】天鳳強者研究⑲:スナック瞳さん 驚異のラス率.206!対応力が光る昭和系十段 | 麻雀ウォッチ
8順目の漢字が違いますよ
ピンバック: 微妙な押し引きと「手詰まり」を生まない手牌進行(後編:手詰まりについて) | 鳳南研究所(天鳳ブログ)