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秋田のにんにくさんの記事で取り上げたこの一打。
「麻雀をシステマティックに捉えてばかりだと、こういう一打は生まれてこない」と書いた。
が、多分それだけじゃないんだな。システム的に麻雀を打っている人でも、きっとこの1mを打ちたくなることはあると思う。そんな時、頭の中の天使と悪魔がささやいて、
悪魔「切っちゃえよ、1m。面白そうじゃねえか」
天使「シャンテン数を落として筋を切る?そんな一打が正着になるわけないだろ!目を覚ませ!」
となって、結局天使が勝つから1mは切らない。どっちが天使か悪魔かはよくわからんが。
なんで頭の中で天使が勝つかというと、そういう風に勉強してきて、それに沿った打ち方である程度の実績を残してしまっているからだ。実績を「残してしまっている」というのもおかしいが、システマティックに打って成績を残すことで、自分の麻雀に自信が付いてくると、逆に自分のシステムから外れた打牌を打つのが怖くなる。麻雀において自分のシステムを固めることは非常に重要なことだが、裏を返せば、頭が固くなっている、とも言える。
にんにくさんの中には、おそらく「にんにくシステム」はあるはずだ。これがこう来たらリーチ。この時はダマ。こんな感じなら大体押しで、こんな感じのときはチーテン取ろう、みたいな。ただ、システム化している範囲は、人よりも狭いんじゃないかと思う。例えばこの1m切りは、いくらなんでもシステムにはなっていないはずだ。
それともうひとつ、この1m切りを打てない一因として、「人に見られたら何て言われるか・・・」という恐怖心の問題もあると思う。
明らかに、人とは違う一打を打とうとしているわけだ。そんな時、十段にもなれば「誰かに観戦されているかもしれない・・・」というのが頭をよぎることもあるはず。この1mで放銃にでもなった日には、人によっては「何やってんだ十段」と思う人がいたとしてもおかしくない。
それでも、強者は自分の麻雀を信じて自分だけの一打を打つ。
天鳳名人戦の、非常に注目が集まる戦いの中、独歩さんはこの36pをダマにした。
36pが薄いとはいえ、この手は100人中99人がリーチするところ。だが、ツモればアガれること、8pがかなりポンしやすいことを踏まえ、自分の麻雀を信じてダマテンにした。アガリ逃しをすれば何と言われるかわからない中、相当な胆力がないとできるもんじゃない。
にんにくさんや独歩さんだけじゃない。木原さんだってzeRoさんだって、普通の人とは大分違う打ち方をしながら、結果を出している。どんよくさんだって、小倉孝プロだって、野茂だって、イチローだって、時代の先駆者達は、みんな人とは違うことをやってきた。そんなんで通用するわけがないだろと言われても、そこで自分のやり方を貫いて結果を出し続けて、自分が正しいことを証明してきたのだ。
麻雀には色んな勝ち方がある。教科書的な打牌しか見てきていなければ、変な打牌=損だ、と思って、そこで終了してしまう。「カンチャン即リー」みたいに、一見変に見える打牌の中に、新時代のセオリーが隠れていることだって大いにある。人とは違う一打を打たなければ、「超一流」にはたどり着かないのだ。
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