【天鳳強者の麻雀観】愚形1300で親リーに追いかけるか!?統計データとの付き合い方【過去掲載分】



読者の方から鳳南研究所に、こんなリクエストがあった。

「親リー相手に愚形1300テンパイは追っかけ有利と、ある本に書いてあり、すごく違和感があります。打ち手はどういうときに統計データを参考にすればいいのか、逆にあまり参考にしないほうが良い局面があったりすればそれも含めて、統計データとのうまい付き合い方を鳳南研究所の方でまとめてくれませんか。」

面白いテーマだ。少し考え方をまとめてみよう。

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・・・と、その前に、「愚形1300は追っかけ優位」について、もうちょっと詳しく見てみよう。

「愚形1300は追っかけ優位」理論とは

最近発売された「現代麻雀最新セオリー:著 雀ゴロK」の中に、「親リー相手に愚形のみ手で追いかけ立直するか?」という問題がある。そこでの正解は、「追いかけリーチ」。データを取ってみたところ、追いかけリーチもベタオリも局収支はマイナスだが、追いかけリーチの方が500点ほど局収支がマシ、という結果になったそうな。

ちなみに本に出てくるのはこんな感じ。↓

「親リーに愚形のみ手での追いかけ立直した方が良い!!」←この一文は、今までの麻雀の常識を覆す、とてもセンセーショナルな一文だ。ただ、この文言だけをそのまま飲み込んでしまうと、危険かも知れない。

というのも、この本では「現物切って追っかけリーチ」と「ベタオリ」を比較しているが、現物切ってダマにするという選択肢もある。そしてデータを見てみると、「現物切りリーチ」と「現物切りダマ」はほとんど差がないのだ(ちなみにデータ監修のnisiさんは、ブログに「私見では取りダマ優位」と書いている)。
逆に、リーチの宣言牌が無筋の場合には、ベタオリ優位となっている(ベタオリと大きな差はないが)。これは旧来のセオリー通り。

となると、「親リーに愚形のみ手での追いかけ立直した方が良い!!」というよりは、「対親リーののみ手、現物切りリーチと現物切りダマがほぼ互角」という覚え方の方が良いだろう。

いやそれにしても、現物切りリーチと現物切りダマがほぼ互角、というだけでもかなりの大発見だ。だって、私も含め、そんな感覚持ってる人、ほぼいないじゃないですか。このデータ見なかったら、現物切ってダマにして、そのあとオリ、という打ち方に、何の疑問も抱かないわけじゃないですか。率直に言えば、私自身、感覚としては信じられないが、何かデータを持っているわけでもないので反論できない。

印象的なフレーズだけに振り回されないこと

福地誠先生が「カンチャンドラ1即リー打法」を提唱したのは、今から8年前、2009年のようだ。当時、賛否両論(主に否)が巻き起こったが、今ではカンチャンドラ1リーチを打つ人の割合がかなり多くなった。
ちなみに近代麻雀にこの打法が掲載されたときの牌姿はこれ↓


子の6巡目、リーチする?」

カン28とかじゃなくてカン6というところがミソなのだろう(= =) ウム
とはいえ、三元牌を3つ鳴いている人がいる状況で、カンチャンドラ1即リーを振り下ろす人はいない。あくまでも「即リー」はおおよその基準であって、場況次第でいくらでもブレる、ということは、ほとんどの人が理解しているはずだ。

今回の件も同様で、「愚形1300で親リーに追いかけ優位!」というフレーズをそのまま覚えるのではなく、「根拠となっているデータはどういうものか」「他の選択肢と比較してどのくらい優位なのか」ということを覚えておくことが大事なんじゃないだろうか。

一人で麻雀を考える時は、データが非常に役に立つ

さて、「統計データとのうまい付き合い方」という話。データが最も役に立つのは、一人で麻雀を考える時じゃないかと思っている。

麻雀を打った後、あの時ああしていれば、とか、あそこでリーチ打っとけば、とか、今日の麻雀の内容を振り返りながらうずうずする時って、誰しもあると思うんですよ。その中で、例えば「オーラス追いかけるかオリるか、どうすれば良かったんだろう」って悩むとするじゃないですか。

そんな時は、データが大いに役に立つと思うんですよ。例えば、こんな状況。
「ウマ1-3のフリー雀荘ルール。オーラス、現状2着目で子からリーチが入ってて自分もテンパイ。
満貫放銃するとラス、満貫ツモられで3着落ち。自分がアガった時は、ツモ裏の時だけトップ、それ以外は2着止まり。出て行くのは危険牌。さて追いかけるか?オリるか??」

これを頭で考えて答えを出せというのは至難の業だ。でも、

・「リーチに危険牌切って両面で追いかけたときの和了率・放銃率」
・「アガった時に一発or裏が乗る確率」
・「オリた時のツモられ率」
・「相手のリーチが満貫の確率(出アガリ、ツモ時それぞれ)」

この辺のデータがあれば、後は和了・放銃・ツモられなどの確率にウマ・オカを掛け合わせれば、大体押したほうが良いかオリた方が良いか、というのが見えてくるんじゃないだろうか。もちろんこれは理論値であって、他家が押しているとか引いているとか、自分の待ちが山にいそうか、とかにもよるので正確なところまではわからないが、自分の中で「大体の基準」を作ることはできるだろう。

鳳南研究所の記事の中だとこの記事なんかは、相手リーチの跳満率や満貫率といったデータをベースに、オーラス、満ツモor跳ツモ条件の相手との押し引きについて考察している。

余談:愚形リーのみで親リーに追いかけた実戦譜

余談だが、私は覚えている限り一度だけ、平たい点棒状況での愚形リーのみで親リーに追いかけたことがある。

子の15巡目くらい。
89pのシャンポンだったのだが、残り3巡くらいのところで、7pが4枚見え、9pが親の河に1枚切れている、という状況。脇二人がかなり苦しそうにオリているのに89pが全く出てこない。
こりゃ残りの20枚くらいの山の中に3枚生きてるわ、と確信してリーチを打ったところ、一発で9pをツモり、裏ドラ表示牌が8pという僥倖で、跳満の4枚になった。確かに山にはいたがいくらなんでもさすがにできすぎで、同卓者から大ひんしゅくを買い、即座にラス半が2件入ったのを未だに覚えているw
「うるせえ!アガったやつが偉いんや!!!さっさと払いやがれ!!」とは言わずに、「いやー、山にいるかと思ったんですよね~」などと言い訳?釈明?をして事なきを得た。事なきを得てない可能性もある。

結論:

・統計データによって導き出された結論だけを覚えるのではなく、「どういうデータが基になっているのか」「他の選択肢と比較してどのくらい優位なのか」というところを見る

・自分ひとりで麻雀を考える時にはデータは大いに役立つ

・アガったやつが偉い(= =) ウム

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