強者の粘り方は「通りそうな」スジ牌まで【過去掲載分】



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リーチを受けて終盤。「割かし通りそうな牌を切ればイーシャンテンのまま粘れるが、こんな中途半端なとこから中途半端な牌切って良いのか?かと言って現物切ってオリるのも淡白すぎやしないか・・・?」
みたいな場面、麻雀を打っていれば結構あるんじゃないだろうか。

強者の牌譜を見ていると、価値の低いイーシャンテンから特に情報のないスジの牌を切ったりすることはほとんどない。逆に、成績の芳しくない人は、どうでもいいイーシャンテンから筋を切って放銃、というパターンを見ることもある。「リーチに対して特に情報のないスジを切る回数」というのは、段位が上がって行くにつれ少なくなっていく傾向があるんじゃないかと、個人的には思っている。

それでいて、強者の牌譜を見ていると、「ほぼ通りそうな牌を切りながら粘る」のが非常に上手い。一つのケイテン取りで最終着順が1つ変わるのなんてよくある話だ。今回は、ゆらゆら粘る系の強者達の牌譜から、微妙な手からどのくらいの危険度の牌まで押して良いのか、という分岐点を探っていく。

強者達が中途半端な手牌から切るのは、「単なるスジ牌」ではなく「ほぼ通るスジ牌」までだ。

切らない牌

まずは「切らない牌」から。

1_R
太くないおさんの牌譜より。現状ラスと7500点差の3着目。親リーチへの放銃は非常に痛いが、テンパイ料もバカにならない点棒状況。

役なしのテンパイだが、まだ5巡ほどあるため、生牌の北は切らずに、単騎にしか刺さらない9m切り。これがあと流局まであと2巡くらいの局面であれば、北を切ってテンパイを取ったかも知れない。

2_R
ゆいちゃんのパパさんの牌譜より。7sは手順上かなり通りそうに見えるが、カン7sは否定できず、またテンパイ時に出て行く牌(赤5mまたは6p)が、どちらもかなり強烈なのでやめ。

この辺りは非常にシビアに打っていく。

切る牌

次に、「切る牌」を見ていこう。

3_R
ゆいちゃんのパパさんの牌譜から。現状ラス目、放銃すれば飛びの可能性もある、ギリギリの局面。2p切りリーチのため、筋の3pも切りづらい・・・と見せかけて、3pは場に2枚見え。2p切りリーチなら、ペン3pやカン3pに受けず、2pとのシャンポンに受けるはず。これくらいの「ほぼ刺さらない」くらいの危険度なら切る。

4_R
そしてテンパイして6s切り。この6sも、赤5s切り+7s4枚見えから刺さることはほぼないと言って良い牌だろう。

5_R
太くないおさんの牌譜より。58mがそれぞれ4枚見えで、両面・カンチャン・ペンチャンに刺さらない。リーチ前に8mを切っていることから7mのシャンポン待ちも考えづらい。形は悪く、テンパイ時に出て行く8pや1sも危険牌のため、ただのノーチャンスというだけならば切らない牌だろう。刺さるとしたら、778m3s+Xから8m切って3sとXのくっつきのシャンテンに受け、Xを縦引きしたときくらいだろうか。

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6_R
これも太くないおさん。チートイのイーシャンテン。筋の7sは、第2打に8sが切られているため愚形にも刺さりづらい。テンパイ率も低い手のため、多分これがギリギリラインくらいだろうと思う。

7_R
これはトトリ先生19歳(ASAPIN)さん。7mは筋の牌。だが8m→9m切りリーチのためシャンポン・カンチャンに刺さることは考えづらく、刺さるとしたらペン7mくらいだが、その場合、何か手役が絡んでいない限りは9mと何かのシャンポンに受けそうだ。2枚切れの東より先に7mを切っているのが面白い。チートイツの可能性も捨てきれず、だとすれば地獄の東単騎はありえる待ちだ。

8_R
「通りそうな牌まで」とは言ってもテンパイすれば話は別だ。テンパイ料をもらえると払うとでは大違いなので、テンパイしたなら筋の7pくらいは切る。


こんな感じ。強者は「通せる牌」が多いため、弱者よりも安全な牌を切りながら、弱者よりもテンパイをきちんと取れたりする。中途半端な手牌から無駄な放銃をしないよう堅く打ちつつ、取りこぼしのないよう、場に細心の注意を払いながら打っていこう。

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