前編では、「微妙な押し引き」について触れた。今回は、「手詰まり」について触れていく。
※この記事内では危険度を「20」とか「60」とか「100」とかで表してますが、何%刺さる、とかではなく「20=大体通るっしょ」「60=当たってもおかしくない」「100=めっちゃ危ない」くらいの感じで捉えて下さい。
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危険度「60」の牌を切らざるを得ない局面に追い込まれないこと
3代目天鳳位・独歩さんは、麻雀を打つときの心構えとして真っ先に「他家に押し返されたらゼンツせざるを得ない手組は極力しない」ということを挙げている。強者の牌譜を見ていると、「手詰まり」の状態に陥ることが本当に少ない。
「手詰まり」も、自分の手との相談となる。危険度「90」の牌も押すほどの超勝負手なら、安牌を切る必要がないので手詰まりもクソもないが、自分の手が危険度「20」くらいの牌しか押せない手で、危険度「60」の牌を切らないといけない局面に追い込まれることは、それ自体が非常に損なこととなる。ある意味で、手組みの段階で既に押し引きは始まっているのだ。
例えばこんな仕掛けは「押し返されたらゼンツせざるを得ない手組み」の代表格だろう。白で1巡は凌げるとはいえ、そのあとは愚形(またはイーシャンテン)で危険度「80」とかの牌を切っていく展開になりそうだ。
ASAPINさんは結構仕掛けが多いが、遠めの仕掛けをする時は必ず撤退の道を残しながら仕掛ける。この手であれば南2枚だ。
これもそう。2sチーして打3p。二件の安牌である9sを残しつつ、危ない3pを先に処理。6pのカベもあるため、守備力はまあまあキープされている。1000点のイーシャンテンとかから「60」とかの牌をなるべく切らない方向へ。
5mを持っておくことは簡単だが、2件にほぼ通る9pを持っているか持っていないかで守備力が結構変わってくる。押し返すために安牌を持っておき、危険度「60」の牌を残さない(参考記事:余剰牌の持ち方と押し引きの相性)。もちろん、中ポン時に待ちがスケスケにならないように・・・という意図もあるだろう。
これはリツミサンの牌譜より。安全牌を持っておくことは、何も手詰まりを防ぐことだけが目的じゃない。6m切りは7m引きが非常に痛いが、ほぼ後手を踏みそう(っていうかもう踏んでる)なので、形を決めておくと・・・
あとから安全牌を切りながら手を進めていけるというメリットがある。こうなれば安全にチーしながらケイテンを取れるビジョンが見えてくるが、6mを持っていると「30」くらいの勝負をしないとテンパイが取れなくなる可能性が高い。
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安全牌を手の内で活かす手組み
後々手詰まりにならないためには、「安牌を手の内で活かす」という引き出しも大切だ。言葉だけではよくわからないと思うので実践例を。
ゆうせーさんの牌譜より。手順どおりなら一枚飛びの9mトイツ落としだが、ちょっと後手を踏みそうな手、ラス目の安牌の9mを残して2mトイツ落としとした。「安牌を手の内で活かす」とはこういうことだ。手詰まりを防ぐため、こういうところで地道にやっていく。
ホンイツは「攻守兼用の手」と言われるが、まさにそんな感じの手組み。後々安牌になりやすい字牌を抱えつつ、打点力もあるホンイツに向かう。点棒状況的に、上家に自由にやらせたくないというのもあるだろう。
手詰まりになる回数は、当然ながら少なければ少ない方が良い。もちろん、手詰まりをゼロにしようと安牌をどっさり抱えてしまってはアガリが少なくなってしまう。「人より多くアガリつつ、人より手詰まりの回数を減らす」ことを目指していこう。
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