【天鳳強者の麻雀観】リツミサンの牌譜に見る、巡目の捉え方・アガリ形の捉え方【過去掲載分】



広告


「俺だってもともと遅い巡目で勝負する雀士だ、爆牌…？　かまうもんか、まっ向から受けてやる」

これは麻雀漫画の名作、「ノーマーク爆牌党」の中の鉄壁のセリフ。
ライバル・爆岡の「爆牌」について研究し続けた鉄壁は、手牌が読みきれない早い巡目のうちなら爆牌は打てないと読み、自らのスタイルに反して速攻仕掛けで攻め続ける。しかし意に反して、4巡目に爆牌は炸裂した。ここで上記のセリフ。鉄壁はここで開き直って、真っ向から爆牌を受けてやろうと決意する。

さて、天鳳にも、「遅い巡目で勝負する雀士」というのが存在する。面前主体の打ち手であるリツミサンやはぐりん＠さんの牌譜を見ていると、巡目の意識が普通の人とは違うなあ、というのが見て取れる。

例えばこんなシーン。

62
タンヤオもダブ東もあるところ。赤5mを使いきりたい手牌のため、この4mはチーして3sを切る人が多いんじゃないだろうか。

63
しかしリツミサンはこれをスルー。最終盤までもつれこみ、ラスツモで満貫のツモアガリとなった。

この手牌を、一直線にアガリに向かうものだとして見れば、間違いなく4mはチーする一手だ。赤5mは使いきれるしシャンテン数は進むし、言うことなし。しかし、リツミサンは明らかに、一直線のアガリだけを見ていない。おそらくリツミサンは・・・

こんなのや、

 

こんなのや、

こんなのや、はたまた・・・

こうなって、

 こんな感じになるのまでイメージしながらスルーしている。

昭和？確かに昭和なのかも知れない。ただ、スルーしても赤5mを使いきれる道が結構残っているということは、結構大事なポイントなのかもしれない。アガリの道は一つではない。自分でアガリへの道筋を一つに決めてしまうと、後々苦しくなるし、最高打点も追えなくなってしまう。アガリまでの最短コースにかけなくとも、相手より一牌先にアガれれば問題ないのだ。

これはある意味で程度問題で、麻雀やっていれば誰でも思うこと。
例えば、

こんな手牌から、1mや9mをチーしてイッツーテンパイ取らないじゃないですか。「あんた、次巡までにアガれなければ死ぬわよ！」と細木数子にけしかけられている状況なら仕掛けるかも知れないけど。それの延長みたいなことだと思うんですけどね。

66
実際には5sを引いて・・・

67
ズバッと4m引いて優勝なんですけどね。

選択肢を多く持ちながら手牌進行するとなると、どうしても副露は少なくなり、結果的に面前型の強者が完成する。別に面前型の強者は、「面前」が先に来ているわけではない。自分にとっての最適バランスを追求していった結果、結果的に「面前」になるわけだ。

ではなぜ彼らが選択肢を多く持ちたがるかといえば、それは対応力に自信があるからだ。後々、相手に対応しながら自分がアガるためには、選択肢を多く持っておく必要がある。極端な話、相手リーチの当たり牌が毎回わかる、超人的な読みの持ち主であれば、リーチするよりもダマテンが増えるだろう。リーチして全てツモ切りのめくり合いをするよりは、ダマにして当たり牌だけ止めればいいわけだから。

広告


関連記事


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。