【天鳳強者の麻雀観】攻撃型にも2タイプある【過去掲載分】



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かのとつげき東北さんは、過去に「おれは守備型と言われることもあるが、最強クラスなら当然避けられる放銃を避けているだけ。攻撃型と自称する人達が攻撃型ではなく放銃型なだけだ」という旨のことを書いている。ベタオリの技術が今ほど進歩しておらず、またベタオリしようという意識も今よりもずっと薄い時代だったのだろうから、無駄な放銃が今よりもずっと多かったことは容易に想像できる。もちろん、強い人はちゃんとオリてたんだろうけど。

攻撃型と一口に言っても、その中でも2つのタイプがあると考えている。

①全局参加型

「自分が多くアガる」ことに重点を置き、相手のリーチが来ても簡単にオリないタイプ。とはいえ、もちろん押し返すためにそれなりの打点は作る。
天鳳の強者で言うと独歩さんや銀色いがぐりさん、iq180真剣様あたりが該当するだろうか。プロで言うと平賀聡彦プロや佐々木寿人プロのようなタイプだ。

このタイプは、ひたすら前のめりでスピード重視で打っている・・・というわけではない。全局自分がアガることを理想とする以上、先手を取られた時にも押し返せる形作りが重要になってくるし、危険牌の先切り、安全牌の持ち方といった部分は、このタイプの強者の生命線と言っても過言ではないだろう。また、形を崩さずに粘っていくこのタイプの打ち方は、白黒つけないというか、曖昧な、中庸な打牌が求められるため、相当の経験を積んでいないとなかなか真似するのは難しい。この道を極められれば相当強いことは間違いないが、中途半端に真似するよりは、1か0かでわかりやすく押し引きしていた方が成績は出やすいだろう。

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これは銀色いがぐりさんの牌譜から。

1sを切るのは簡単だが、親に1sトイツ落としが入っており、対面も2sが早いため、あとあと1sが安牌になりやすい。後手を踏みそうな手では先切りしておき、押し返せる形を作っておく。

注目すべきは前巡、南をツモ切りしていることだ。前巡の時点では特に意識していないが、親のトイツ落としを見てスピード感を計っている。このあたりは感覚に拠るところだが、このあたりの精度がキモになってくる。

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こちらはIq180真剣様の牌譜。
リーチがかかってもちょっとやそっとじゃオリないのがこのタイプ。愚形2つのイーシャンテンとなると結構厳しいが、現状安牌がなく(7mも宣言牌の筋)オリるのが困難なため、腹をくくって前に出る。

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天鳳位・独歩さんの牌譜。微妙な手で形を崩さずに前に出て行くのがこのタイプの特徴だ。7mを切ることは簡単だが、そうすると次に3pや3mを引かない限り大体オリになる。それよりは、早い巡目につき形をキープしつつ、自分のアガリを消さない。

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どうにもならないフリテンターツが出来て、ここで始めて中抜きの2s切りとした。普通の打ち手ならあと一、二歩早くオリに回っているんじゃないだろうか。

3
こちらも、巡目こそ深いものの通っていない牌が多く、親番のためワンチャンスの8m切り。こういった、非常に曖昧な判断が求められるため、なかなか真似するのが難しい。

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②勝負手作ってゴリ押し型

「高い手をアガる」ことに重点を置き、勝負手の時はガンガン押し、ダメな時は静かにオリるタイプ。
天鳳の強者で言うと罪歌さんやzeRoさん、いちはらさんあたりが代表格だろう。プロで言うと鈴木達也プロや瀬戸熊直樹プロあたりか。

こちらは、全局参加型よりは少し真似しやすいんじゃないかと思う。

ただ、このタイプの強者は、ひたすら打点を叩きにいきまくっているように見えて、牌譜を見ると結構臨機応変に、ササッとチーテンを取ってみたり、手牌に素直にまっすぐ進めていたりしている。そりゃそうだ、素点の比重がぶっ高いルールならともかく、完全順位制の場では打点一辺倒だけで勝てるほど甘くはないものだ。

また、勝負手が入ればゴリゴリに押すが、手がショボイ時の守備意識は非常に高い。このタイプの元祖といえば小島武夫プロ。小島プロは手作りばかりが注目されるが、実は非常に堅~い打ち手で、よく見ていると、同年代の誰よりも中抜きしまくってオリている。知ってました?

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形で打つなら打6s。しかしタンピン変化や678三色の打点を見ると打2sだ。「周囲を突き放して大きく浮くチャンスを作る」という意識が高いため、形のロスが少なければ打点を作りに行く。

9
重戦車・いちはらさんの一打。この手で前に出るなら、メンタンピンかもしくはドラの南を使い切る手順。カン8pが埋まったところで戦う手にはなりづらいため、受けゴマの発を残して先にカンチャンを払う。

5
押し返しは、成功率もそうだが、成功した時のリターンの大きさを重く見て選択している。ドラを切ることは簡単だが、ワンパンチで決めに行く。

5
それでいてこういうところは非常にしっかりしている。ラス目の両面チーに即座に反応して抜き打ち。これができてこそ一流だ。


このように、「攻撃型」と一口で言っても、全局参加型と打点作ってゴリ押し型だと少し打牌選択が変わってくる。攻撃型の強者を目指すなら、参考にして欲しい。

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