伝説の面前派「リツミサン」が鳳南を打っているーーーーー
最近ツイッターを見ていたらこんな噂が聞こえてきた。リツミサンといえば、数年前に九段になった「元祖面前派」。フーロ率は2割ほどらしく、かなり独特な打ち方をすることで有名だ。
「受け」を非常に強く意識している印象で、前に出るときは「安定感」「破壊力」の二つを兼ね備えた状態で前に出る。「手牌が詰む」頻度は非常に低い。そして打点力のある一撃必殺の手で全員倒します、ご優勝はオレだ!という感じ。
ノーマーク爆牌党の鉄壁は、「オレは遅い順目で勝負する雀士だ」と自分のことを評していたが、リツミサンもまさしくそんな感じで、遅い順目で強い勝負ができるような形を作っていく。
まあゴチャゴチャ言うよりも、見てもらえればその独特な打ち筋がわかってもらえるんじゃないだろうか。
前に出るための「安全牌」の持ち方
リツミサンの麻雀観を最も端的に表しているのがこの5s切りじゃないだろうか。ソーズの伸びを失う代わりに、打点アップ用のドラの南と安全牌の中を両方持っておき、安定感を持たせる。安牌は、リーチが来た時の対処・・・というだけでなく、中盤以降、仕掛けが入ったりする中で安全に前進できるように、手牌に余裕を持たせておく感覚。手数は非常に少ないが、その代わり、どっしりとした安定感がある。
こういうのもそう。しょうもない手で二段目に突入する時は、愚形を固定してでも安全牌を持ちながら進行する。地味ながらこういうところがリツミサンの強さだと思っている。わかっちゃいるけどどうしても右手が3m切りを拒否しちゃう、みたいなのありません?
これも三色の方に固定しつつ、中盤以降手が進んだ時に安全に前に出られるよう、東をキープしての進行。
結局三色は崩れ、ダマテン。リツミサンはカン456の愚形2600とかではなかなかそうそうリーチ打たないイメージだが、カン2pが悪くなく、取り立てて早そうな他家もいないのでこれはリーチするかと思ったが。
浮かない手。どうせ仕上がるまでに何手もかかるので、のちのち東が切れた方が戦いやすい。先にペンチャンを外す。
これも中残してペンチャン払い。7mをへくったら、赤5mで吸収して再スタート。
ここは6m切り。7m引きで両面ができないのが非常に痛い。だが、後手を踏むことがほぼ確実なこの手。それならば、字を残しておくことで・・・
こうして字を切りながら、じわじわと後から追いついて行くのがリツミサンスタイル。少なくともこうなった時には、6mを切ってあるこっちの方がケイテン取れそうだ。
親番リーチを受け、現状まだ2シャンテンだが、どこにくっついてもそこそこ戦えるイーシャンテンになる。「守備意識が高い」のと、ここからオリるかどうか、というのはまた別の話かも知れない。親なら、ここから1pを切ったりしないのがリツミサン流だ。
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打点にこだわった手組み
この4m切り、リツミサンらしい素晴らしい一打だと思った。4m切りは36m引きの時が微妙にロスになる、一見中途半端なようにも思える一打だが、
例えば3mを引いた時、
この「デジタル風イーシャンテン」でやるよりも、
この「鈴木たろう風イーシャンテン」のやつをやりたい、ということだろう。
6pにくっついてのこのイーシャンテンも、ドラ受けを残せて悪くない。
一段目のうちからつまらない手に固執せず、打点を追い求める打ち筋がとても面白い。
5ブロック、6ブロックとかにあまりこだわらず、赤含みのリャンカンは先に赤い方に固定。ドラドラのイーペーコーも、789の三色も大体跳満っぽい感じになる。
2sを引いて、今度はドラ3p引きのフリテンリーチも見てペン3p固定。
その後リーチを受け、一旦はノーチャンスの1pで撤退の構えだが・・・
ゆらゆらと粘ってなんだかんだてテンパイを取ってしまう。
一瞬で跳満に化けるトイツ手もかなり好き。1sを切りたくなるところだが、ここは1pから切っていく。さすがに中ポンテンは取るだろう。
これなんかも、ドラを切っても十分打点のあるイーシャンテンだが、めったなことではドラを打ち出さない。
リツミサンの麻雀は、良い意味で教科書的な麻雀とはかけ離れている。非常に独特なため、真似するのも難しいが、「なんだかセオリー通りじゃないけど理にかなってる気がする」ところは、上達のためのヒントとなるかもしれない。
後編ではリツミサンのリーチ判断や鳴き判断を取り上げる予定。
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