【80年~90年代ブームのアラカルト】

◆「真夜中のドア~stay with me」 松原みきが79年にリリースしたデビュー曲。インドネシアの女性シンガー、レイニッチがカバーしたことなどをきっかけに、レコード会社も仕掛け、20年12月にはSpotifyのグローバルバイラルチャートで18日間連続で1位を記録。これが話題になったことで、アメリカ、欧州各国、アジア各国のバイラルチャートでも1位に。アップル・ミュージックでは92カ国のJ-POPランキングでトップ10入りを果たした。YouTubeの再生回数は計1億回を超えた。

◆バブリーダンス 17年、大阪府立登美丘高校のダンス部が、荻野目洋子の楽曲「ダンシング・ヒーロー」で踊るダンス動画が話題に。荻野目本人もツイート。夏の全国大会は惜しくも準優勝に終わるが、80年代の派手な髪形や洋服、メークなどの当時のファッションが、現代の若い世代には斬新でキャッチーだった。バブリーダンスはYouTubeやSNSでバズり、メディアでも取り上げられた。お笑いタレント平野ノラのバブリーネタもその下地にはあり、この時の主将だった伊原六花はその後芸能界入り。

◆ポカリスエットCM 15年にスタートした吉田羊と鈴木梨央が母娘役で、過去の名曲を2人で歌唱するシリーズ。Yellow Magic Orchestra「君に、胸キュン。」松任谷由実「瞳を閉じて」「サーフ天国、スキー天国」ZARD「揺れる想い」小沢健二「さよならなんて云えないよ」小泉今日子「木枯しに抱かれて」など昔のヒット曲をたびたび起用。

◆過去のヒット曲を若手がカバー 上白石萌音が21年6月に、昭和歌謡のカバーアルバム「あの歌-1-」「あの歌-2-」をリリース。「1」はオリコン週間ランキング6位、「2」も7位に。橋本愛は太田裕美「木綿のハンカチーフ」をカバーし「THE FIRST TAKE」でも披露した。TikTokは「#昭和に憧れる」キャンペーンを始め、昭和歌謡を使用したショート動画が公開され「異邦人」「悪女」などが投稿され話題に。作曲家筒美京平さんが亡くなった時には、手がけた尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」(作詞阿久悠)が、「レコチョク」デイリーシングルランキングの「歌謡曲・演歌部門」で1位になった。

◆竹村章(たけむら・あきら)1987年(昭62)入社。販売局、編集局地方部などを経て文化芸能部。芸能全般のほか、放送局などメディア関連の担当が長い。テレビ特集ページ「TV LIFE」や「ドラマグランプリ」を立ち上げる。女優奈緒のインタビューで、お母さんの影響から吉田拓郎ファンになった話を聞き、現在の80年代ブームに納得している。