人のことは食べたくないのに、私のことは美味しく食べるのね
「これがずっとずっと待ち望んでいた食事でしょう?」
平凡な男子高校生・伊織頼人。学校行事の作業で帰りが遅くなったある日、頼人は路地で人喰いの現場を目撃してしまう。
意識を失って気がつくと、そこは家族がいる自分の家。しかしその日から頼人の体にはある異変が出始める。
時を同じくして両親の都合で転校してきた少女・月見里輝夜。絶世の美女ということもあり学校で人気者となった彼女は、頼人に妙に近づいてくる。そして輝夜から漂う、空腹感を刺激する香り。
以前より強くなった身体能力の一方で何を食べても腹が満たされない。何を飲んでも喉が潤わない。飢餓感に支配される頼人には、次第に人間がこの上ないご馳走に思えてくる。
そんなある日、二人きりになった時輝夜に「食事会」誘われることになり——。