@chablis777
シャブリ

---------------------------------

----R----015--------------------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----m------------------------------
----a-n-----------------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------


万太郎と竹雄東京滞在 最後の日となりました。
(万太郎)ほんなら 残りの日程もどうぞよろしゅう頼みます。
(竹雄)試し飲み用の酒が足りんなりましたらいつでもお知らせください。はい はい。
いらっしゃい いらっしゃい!最後に かるやき食うか。
最初来た時 うまかった~。
まんじゅう うまいよ!いらっしゃいませ!
どうぞ どうぞ…!
あ あの… お尋ねしたいがじゃけんど。どげんした?
前に出ちょった屋台が今日は 見当たらんがですけんど休みやろうか?ほう… 替わったんじゃなかか?
替わったゆうがは…。
ほう。 ここん屋台じゃったら東京中の菓子屋が入れ代わって出しちょっで。
あ~…。うん…。
ありがとうございます。
そうか…。 かるやき ないがか。
あのおなごも 見当たらんかったしのう。
まあ こういうがは ご縁ですし…。
縁がなかったゆうて?違います。
ご縁があったら またどっかで…。
竹雄が… 竹雄が あの時わしの頼みを聞いちょってくれてたら…。
しかたないですろう!あの時は内務卿が視察でいらっしゃると。
それをおいて おなごの方を追うらあありえません。
大奥様に 何と言われるか…。
結局 ばあちゃんが怖いがか?
誰も そんなこと言うちゃあせんでしょう!
峰屋の若が 内務卿と話される。
そういう晴れ姿を見たいと思うて何が いかんがですか!?
えいですか? わしは若に お仕えしゆうわけじゃありません。
「峰屋のご当主」に お仕えしゆうがじゃき。
あ…。 そ… そうか…。
♪~
♪「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」
♪「私は決して今を」
♪「今を憎んではいない」
♪「命ある日々 静かに誰かを 愛した日々」
♪「空が晴れたら 愛を、愛を伝えて」
♪「涙は明日の為 新しい花の種」
♪「空が晴れたら」
♪「逢いに、逢いに来て欲しい」
♪「涙は枯れないわ 明日へと繋がる輪」
あ… おお!
まだ買うがですか?
宿にも山積みでしょう?
おばあちゃんらあにも土産を買わんと。
竹雄 好きなもん 買いよ。
わしは別に…。
♪~
おおそれ 姉ちゃんに似合いそうじゃのう。
いや これは…。
竹雄! 次 あそこだけは行かんと!
まだ買うがですか?
あっ! おっ おっ…。
おお! これじゃ!
こんな高いもん とても買えません。
金が足らんがか?
大奥様には 決して無駄使いせんよう厳しゅう言われちょります。
無駄遣いじゃないき。 植物学をやるにはこの顕微鏡が必要ながじゃ。
頼む 買うてくれ!
はい…。
あとは…まあ 足りんなったら また来たらえいか。
東京は そんなに気軽に来られる場所じゃありません。
そうも言うちょられんじゃろう。
先生が言うちょったけんどこの学問には 標本が ようけ要る。
まあ これから わしが集めるがはもちろんじゃけんどほかの人らあのも見せてもらわんと。土佐に引っ込んじょったち 無理じゃき。
ええ 無理ですよ。
高い本も 高い顕微鏡を買うがも…えいです。
昔っから 大店の旦那衆はそりゃあ羽振りよう遊んだもんじゃと大奥様からも父ちゃんからも聞いちょります。
けんど それは若が 峰屋の当主を務めるきこそ!
草のことは どだい無理ながです。
わしが見つけた あの花は先生も見たことないと おっしゃった。
世界中 誰も知らん花かもしれん。
わしだけが知っちゅう…。ほんで!?
若が 峰屋を放り出したらわしらは どうしたら えいがですか?
若は わしらを捨てるがですか?
いや… そ そんなこと…言うちゃあせんじゃろ…。
♪~
どうしますか?
東京最後の夜は 牛鍋がえいがでしょう?
あ… 食うか…。
はい。
うっ…! う~!う~ん!
あ… うまいのう!
牛ゆうがは こんなに甘うてたまらんもんながですね!
竹雄 口の中で 溶けたで!はい!笑うてしまうのう!
フフ…。なあ 博覧会の酒 どれが一等だと思う?
灘の松屋。 試し飲みも 一番並んでたしよ評判は 特上だったねえ。
いや 新聞記者が来てたから 聞いたらよ伊丹の丸川屋どっかの料理屋が大層 気に入ったとさ。
へえ~。俺は7日通って みんな飲んだ。
ほう!で どれだ?
全く聞いたことねえ酒なんだけど妙にうまくてよ…。
土佐の酒。土佐?
何とかっつう村の 峰乃月って酒。
酒屋が… 何だっけな?とにかく ちいっと品があった。
土佐の酒に 品がある?嘘じゃねえ 嘘じゃねえよ!
毎日飲んでも飽きなかった!へえ~。
あっ! あ… あの! あの!
それ… それ 峰屋じゃき!
その酒屋 佐川村の峰屋ゆうとこじゃ!
わしも 峰屋の峰乃月が日本で一番じゃと思いますき!
ああ! にいちゃんたちも好きか?(2人)はい!
明日行って 飲んでみるか!ありがとうございます!
あっ すみません おねえさん!
おねえさん こちらの席に酒の追加 お願いします!
あ… ありがとうございます!太っ腹!若!
ありがとうございました。ありがとうございました。
またお待ちしております。若 お待たせして…。
あれ?
若?
ふざけちゅうがですか?
若… 若!
(綾)万太郎!坊!
若!
坊! どこです?
若!
た け お! アハハハハハ…!
牛鍋 うまかったのう!
ふざけんとってください!
知らん場所でやってえいことと悪いことの区別もつかんがですか?
人を心配させて そんなに楽しいがか!?
あ… 人が見ゆう…。
ふだん 人目を気にせんがは若の方でしょう?
あ… 悪かった。 ふざけ過ぎた。
宿に帰ろう。
困っちゅうがですき! わしやち…。
わしは 峰屋の番頭の息子。
わしがお仕えしゆうがは峰屋のご当主じゃき。
けんど こんなに腹が立ってぐちゃぐちゃになるがはあんただからやき。
子供の頃 わしが二度と そばを離れんと誓うたがはあんただからやき。
ごめんちや…ちゃんとした当主になれんで。
わしやち 分かっちゅうがじゃ。
分かっちゅうがじゃ。
♪~
ありがとうございました。
東京は すごい街でした。
このすごさ 佐川の者らあに話しても伝わらんろうけんど。
行こうか。
はい。
すまん 最後に もういっぺんだけ!えっ?
いらっしゃい いらっしゃい!
プリーズ。(寿恵子)はい ありがとう存じます。
サンキュー。
白梅堂のかるやき練り切り まんじゅう らくがん!
お土産に一つ いかがですか?
若 行ってきてください。
ご縁があったゆうことですき。
かるやき 一つ。はい ありがとう存じます。
♪~
はい。あ…。どうも。
こないだ うもうて 忘れられんかったき。買えてよかった。
カエル様?
フフフ あの時のカエル様でしょう?
今日は 木に登らないんですね。
うん。 明日は もう くにへ帰るきの。
あっ カエルだけに。
あっ!あ…。(笑い声)
ハハ…。 ハハ。 どうも。
若 えいがですか?
はあ…。
東京は 遠すぎる。もう来ることもないき。
ハァ… あ…。
カエル様 待って!
ハァ ハァ…。 これ お土産です。
えっ? あ…。
フフ…。
♪~
帰ろう… 佐川へ。
はい。
♪~


via Twishort Web App

Made by @trknov