ハンズで歩む人生

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ハンズで働く中で、キャリア・ライフスタイルの変化と共に
どのような立場でどのような業務を行ってきたのか。
管理職として今のハンズを形つくる3名の当時の想いとこれまでのキャリアをご紹介します。

写真:店長 河本 泰憲さん

アイコン 店長 河本 泰憲さん

1~4年目
主体的に取り組むことの喜びを知る
6年目以降
チームマネジメントスキルを身につけて結果に繋げる
12年目以降
最年少の店長として

1~4年目 主体的に取り組むことの喜びを知る

理系の学部で学んでいたため、理学・薬学の分野に行く予定でした。ところが興味本位でもともと好きだったアパレルブランドの説明会に参加したところ、それが思いの外おもしろく「好き」を仕事にすることを真剣に考えるようになりました。そこで子どもの頃から好きだったハンズを選ぶことにしたのです。 入社1年目から4年目はどちらかというと指示を待つタイプでした。ところが4年目に社員の人数が少ない部署に異動になり、未経験含め幅広い担当エリアを管理することになりました。これまで「自分がメインで担当することはない」と考えてどこか他人事として捉えていた美容用品についても私が売上をつくらなければならないことに気付きます。 ここで初めて自分で考え始め、主体的に仕事を進めることが好きな自分にも気付きました。それと同時に自分がコントロールできることが広がり仕事が楽しいと感じるようになりました。

6年目以降 チームマネジメントスキルを身につけて結果に繋げる

当時の私は「何のために働いているんだろう」と目標を見失っている状態でした。それに加えて同期は徐々に昇進していく。自信を失っていたんだと思います。そんなときに岡山県に新店がオープンする話が持ち上がります。当初岡山に行く気はまったくなかったのですが、先に新店準備室担当になった先輩から「岡山に来ないか」と誘われて「何かがわかるかもしれない」と岡山行きを決めました。

岡山店での経験はハンズ人生の中で最大のターニングポイントだったと思います。岡山には全国からエネルギッシュな人材が集まっていました。考え方が柔軟で自由、そして他人のことをよく見てくれるスタッフばかりです。その中でもとくに私に大きな影響を与えてくれた上司は私の長所を見出し、育ててくれました。育てるといってもライオンが子どもを崖から落とす行為に近いですが(笑)。ですがそのおかげで良い未来を引き寄せられたと思います。 岡山店では個人のスキルだけでなく、チームスタッフを信頼して任せること、またそのために自分が土台・環境づくりに取り組むといった仕事の分担を俯瞰するスキルが身につきました。きっかけになったのは他店にも例がないような大イベントの立ち上げです。「自分があれもこれもやらなきゃ」と考えていたのですが、スタッフと本気でコミュニケーションを取ってみると「この人に任せよう」と思えたのです。「スタッフが動きやすくするためにどうしたらよいか」と考えたとき、おのずと自分がやるべきことがわかりました。私は裏方や什器の手配などに徹してスタッフに委ねたのです。すると全社で表彰されるほどしっかりとした結果が出ました。この頃から、スタッフが私を信頼してくれている空気を感じられるようになりましたし、私が知らず知らずのうちにつくっていた壁も取り払われたように感じます。

12年目以降 最年少の店長として

岡山店での私の姿勢、結果について店長や仲間から評価していただいたことがきっかけだったのか、推薦によって最年少で店長に就任することになりました。私が店長になったのは、会社としてはよい意味で実験ではあったと思います。若い風を求めていたのかなと。 私にとって、最年少での店長就任は後輩たちのための土台づくりでもあります。35歳で店長になることが当たり前になるような会社になればという思いがその時から芽生えました。 店長になってみて「信頼関係の難しさ」を感じています。管理職時代は信頼関係を築けていることが肌感でわかりました。しかし店長になるとスタッフは「店長だから」と動いてくれます。スタッフとの信頼関係が店長という権威の影にかくれてしまってわかりにくくなっているのです。だからこそ、私はメンバーとのコミュニケーションを重視しています。 とある先輩の受け売りですが店長は1年勝負です。プロ野球の契約更改と同じで、いかに全力で取り組んで結果を出すことを考える必要があります。今は遠くをみるのではなく、ゴールに全力で走り抜けるようなスタイルで走り抜けている最中です。

今後の展望

将来のキャリアについては正直しっかりと考えていません。今は出世よりも私が考える「よりよい仕事」を追求していけたらと思います。その結果としてキャリアがついてくるのではないかなというのが持論です。ただ、若手店長として結果は出していきたいと思っています。私が後輩達の道をつくり、夢がある会社にしたいです。 ハンズを支えてきた大先輩たちは個性的でおもしろい方ばかり。私はまだ経験が少なく諸先輩方のようなおもしろさを出せてはいませんが、まずは後輩たちから「飲みに行きましょう」と言ってもらえる先輩になるところを目指したいと思っています。

写真:店舗管理部門 戸田 麻美さん

アイコン 店舗管理部門 戸田 麻美さん

1~9年目
チームの連携と俯瞰的な視点を身につけた人事でのキャリア
10~16年目
時短勤務×管理職の重圧
17年目
キャリアの一つの選択肢になりたい

1~9年目 チームの連携と俯瞰的な視点を身につけた人事でのキャリア

私がハンズを選んだ理由は学生時代に接客の楽しさに目覚めたからです。入社すれば店頭に配属されると思っていました。ところが私が命じられたのは本社の人事部です。私が入社した2004年は本社配属もあるイレギュラーな年でした。私を含めて4人が本社に配属されて、店舗で働きたかったねと言い合っていました。
しかし、人事部への配属はネガティブなものだけではありません。産休、育休を経て職場に復帰できたのは人事部メンバーがいたからこそだと思っています。当時は今ほど子どもを産み育てながら働くことへの理解が得にくい時代でしたが、私以外にも子育てと仕事の両立を目指す方がいたからこそ「働くこと」を選べたと思います。さらに時短で働き始めることで、「チームで連携すること」の重要さにも気付けました。自分がやるべきことは効率良く最大限の力で取り組むこと、周りに頼ることでチームは力を発揮できます。
そして人事部にいたことで、会社の仕組みなどを理解することができ、視野を広く持てるようになったと感じています。この俯瞰的な視点は今でも私の強みのひとつです。

10~16年目 時短勤務×管理職の重圧

渋谷店に異動になったのは入社10年目、子どもが保育園に通っている頃でした。渋谷店での私の仕事は管理部門での庶務です。人事時代と同じように自分の仕事を時間内に終わらせること、仕事と家庭のバランスをとることに苦心していましたが、多くのメンバーが力を貸してくれました。そして渋谷店の管理部門に異動してから4年で販売促進に異動し、管理職に就任します。当時は店舗で、しかも時短勤務中の管理職は異色でした。新しい職務と職責の中、何もかもが手探りの状態です。他の管理職やメンバーと力を合わせて、ハンズ40周年のイベントの企画等に取り組みました。

17年目 キャリアの一つの選択肢になりたい

今の私は千葉店の管理部門の管理職です。管理部門の業務だけでなくフロアの管理職としての業務も行っています。子育てもひと段落したのでフルタイム勤務へ戻し、家庭とバランスが取れる範囲で勤務しています。
今は時短の社員が増えているので、「この先のキャリアはどうしたらいいだろう」と悩んでいるみんなの一つの選択肢になれればいいなと思っています。
千葉店にも時短勤務のメンバーがいます。子どもが熱を出して急に休んでしまうこともありますが、私も同じように休むこともありますし経験していることですので、大変こともよくわかります。だからこそみんなで支え合える思いやりのある店舗にしていけたらと思っています。

今後の展望

ハンズは店舗業務以外にもバイヤーやデジタルマーケティングや新規事業、法人営業、広報、人事などの多岐にわたる本社業務に関われるチャンスがあります。さまざまな経験をしたいとお考えの方、チャレンジしたい方にはよい環境だと思います。
一社員としては、雰囲気が良い職場をつくることが当面の目標です。ネガティブな言葉は連鎖して、チームの空気を澱ませてしまいますから、チームのメンバーには業務中はポジティブな言葉を使おうと話しています。

写真:ヘルス&ビューティ商品部 末廣 三知代さん

アイコン ヘルス&ビューティ
商品部
末廣 三知代さん

1~14年目
接客に喜びを感じた店舗と「うちの子」を育んだ庶務
14~24年目
念願のフロア復帰と管理職へのキャリアアップ
24年目
本社商品戦略部→ヘルス&ビューティ商品部

1~14年目 接客に喜びを感じた店舗と「うちの子」を育んだ庶務

「デニムとジーンズで働きたい」
そう考えて就職したハンズでしたが、想像通りの充実した日々でした。当時は1フロアのメンバーが80人。顔と名前も一致しません。誰に何を聞いたらいいかも、どの商品を担当しているかもわからずに右往左往してしまいました。ですが徐々に商品知識が増えていくにつれて、お客様からの質問に答えられるようになります。そうすることで、自分の商品知識が増えていくことにも喜びを感じていました。もともと「何かを売ることと、売れた瞬間のワクワク」がたまらなく好きでした。

そんな私に、管理部門への異動が告げられたのは入社7年目29歳のときでした。事務作業に苦手意識があったわけではないのですが、お客様との関わりによって生み出される変化に魅力を感じていた私にとっては少し不本意だったかもしれません。今思えば、管理部門の経験は私のキャリアの足腰になるのですが、当時は「ハンズ人生が庶務のまま終わるのか」と絶望していました。仕事へのモチベーションが低下していたので、ローンを組んでマンションを買って辞めるわけにはいかない状態に自分を追い込んだほどです。
とはいえ徐々にやりがいを見いだせた業務もありました。そのひとつが新しいスタッフへの研修です。ハンズのフロアのスタッフは商品を「うちの子」と呼んでかわいがることが多いのですが、私にとっては新しいスタッフたちが「うちの子」です。私が担当したスタッフ達が活躍しているのを見ると親鳥のような気分になります。
私があまりにもフロアに戻りたいというので、上司の勧めで「衛生管理者」という資格を取得したのもこの頃です。

14~24年目 念願のフロア復帰と管理職へのキャリアアップ

フロアに戻ることができた私は、水を得た魚のように店舗の運営や企画を存分に楽しみました。異動してすぐに企画したのが従業員同士の販売バトルです。従業員を1対1にマッチングして売上を競います。この企画が売上向上につながり、渋谷店の全フロアで販売バトルを実施することになりました。さらに担当していたフロアで実施した「アイドルマスターコラボ」が大ヒット。開店前から行列ができるほどで、担当部署を超えてオール渋谷店で対応しました。この企画によって担当部署の垣根を越えて人を動かすことで売上規模が大きくなることを実感しました。
そしてフロアに異動になってから3年目、管理職に昇進します。担当フロアは3フロアから9フロアに増えました。管理職について強く感じたのは人と直接話すことの大切さです。現場でスタッフと話すことで、それぞれがやりがいや困りごとがわかります。私自身も会話の中から課題を見出したり、強みを引き出したりすることに手応えを感じていました。

24年目 部長代理として本社へ異動 本社商品戦略部→ヘルス&ビューティ商品部

「このまま一生店舗にいるのかな」と思っていた頃、当時の商品戦略部への異動になり部長代理に任命されました。店舗時代に上司の勧めで取得した衛生管理者の資格が昇格要件のひとつでもあったため「キャリアは繋がっているな」と実感した瞬間です。異動先は商品を仕入れるバイヤーの部署です。そしてハンズがカインズのグループに入ることが決まり組織が再編されます。従来は複数の部門を担当していたのですが、今後は商品群に特化して役割分担を明確にしていくことになりました。現在の担当はヘルス&ビューティ商品部のバイヤーの部長代理です。チームのメンバーはバイヤーと、ビューティコンシェルジュを育成するビューティインストラクターで構成されていて、ビューティインストラクターは研修を担当します。

今後の展望

これまではキャリアアップというよりも目の前にあることを一生懸命やっていたらキャリアに繋がっていたという状況です。店舗時代の頑張りも庶務時代に培ったコーチングスキルもキャリアに貢献しているかもしれません。
今後は新生ハンズとしての価値を表現し、お客様に支持される店舗づくりに挑戦していきます。キャリアについても深く考えたことはありません。これまでと同じように目の前の課題に一生懸命取り組みます。個人の成長があってこそ企業は成長します。チームも自分も今求められていることに応えながら前進していく所存です。