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万太郎と竹雄は 佐川から高知まで歩き浦戸の港から蒸気船で神戸へ渡りました。
神戸からは 汽車で京都へ。
京都からは歩いて琵琶湖 鈴鹿峠を越え 四日市へ。
そこから再び蒸気船に乗り 横浜へ。
横浜から汽車に乗ってついに 東京へやって来ました。
(万太郎)うわ…。
ああ 東京じゃ~!
いや~ 東京は 何もかんも立派じゃのう!
(竹雄)異国のようですのう!
こればあ ようけの人らあどっから来るがじゃ?(竹雄)お…。
竹雄 はぐれたら いかんぞ。若こそ はぐれんとってください。
あっ! ありゃ 何じゃ!?竹雄 何じゃ? ありゃ!
言うたそばから~! 若~!
♪~
♪「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」
♪「私は決して今を」
♪「今を憎んではいない」
♪「命ある日々 静かに誰かを 愛した日々」
♪「空が晴れたら」
♪「愛を、愛を伝えて」
♪「涙は明日の為」
♪「新しい花の種」
♪「空が晴れたら」
♪「逢いに、逢いに来て欲しい」
♪「涙は枯れないわ 明日へと繋がる輪」
明治14年 東京の上野公園で開かれた第2回 内国勧業博覧会は出品数33万点。
4か月の会期中に 82万人以上が来場し大盛況となりました。
♪~
お~…。
おっ… おお!
はあ~ なんとまあ キラキラしゆう!
わあ ため息が出るきのう…。
西洋のおなごは腰がキュッと しちょりますのう。
ほう~。 こっちも 目が くらみそうじゃ。
お~ この刺しゅう!
どんだけ手間がかかっちゅうがじゃろうか?
そうですねえ。
(竹雄 万太郎)う… ああ~!
ハハッ すごかったのう!
いろいろ見過ぎて クラクラしゆう。ああ。
いらっしゃい! いらっしゃい!まんじゅう うまいよ!
いらっしゃいませ!買ってって!
いらっしゃいませ~。 いかがですか?
菓子が こんなに!? あ~…。
(まつ)いらっしゃいませ。これ 何じゃろうか?
あ… かるやきでございます。かるやき?はい。
一つ もらえんろうか?ああ ありがとう存じます。
今 召し上がられますか?うん。
えいですね。フフ…。
はい どうぞ。はい。
うん!
うん! うん…!
カリッとして ジュワッと溶けたき!
ハハ それは ようございました!いくらですか?
5厘でございます。あっ お願いします。
おっ! 竹雄 見いや! 竹雄!
また! 待ってくださいよ~。・早う!
あっ…。ありがとうございます。
ろいろいせんとってください!
(寿恵子)おっ母さん お待たせ。お帰り。
たいぶ売れたね。今 かるやきも 最後の一つが出たところ。
お~ 大きな木じゃ!
あっ 花壇も。
あっ なあ 見事じゃ。大層 手が込んで…。
あ~ わし 来てよかった…。
こりゃ 誰かが丹精込めて育てたもんじゃ。ですね。
色ごとに 植えられちゅうのう。模様になっちゅうがじゃろうか?
あっ 竹雄。えっ?
おっと 若! 時間です。 行きますよ。竹雄…。
分かります! あとで存分に見ましょう。
はい 行きましょう。
気ぃ付けてください。
諸君 この度の博覧会への出品まことにありがたく存ずる。本日は 大いに 親睦を深めてもらいたい。ハハハ…。
峰屋はんでっか?はい。土佐の?
ご当主は どちらに?わしです。
えっ… えらい若おますなあ。アハハ…。
わては 灘の松屋いいます。あ…。
伊丹の丸川屋や。
いや~ 恥ずかしいこっちゃけどこれまで 土佐の酒いうのは知らなんだわ。
あ~ ほうですか。これ 頂いても?
ああ もちろんですき!どうぞ飲んでください。
ほな うちの酒も。 おい。
山形の酒も 飲んでけらっしゃい~!さあ 一献!
アハハ… あ…いや~ わし… は 結構ですき。
互いの酒を飲み比べて せえだい競い合わな ええ酒は でけしまへんで。
あ…。ほれ 遠慮せんと 飲まれなはれ。
いや… わし 飲めんがですき。
アハハハ…。また!
よその酒は 飲めんのかいな?
あ… いえいえ…。失礼いたします。
当主に代わりまして わしが頂いてもよろしゅうございましょうか?
おらだは 蔵元の当主同士酒の話 すったいのよ。 さあ ご当主!
あ… ハハ。 あ…。 ええ じゃあ…。
若!ふう…。
頂きます。
あ~。
お~!(一同)お~!
アハハハ…。アハハハハ…。
あっ じゃあ こっちも…。若…。
はあ…。
お~!(一同)お~!
(笑い声)
いや~ アハハ なるほどのう。 ハハ。
いや う… この酒は…。
う… いや… この… 酒は…。
どやんばいした?どないしたんや?大丈夫ですか?
若! 大丈夫ですか?アハハ…。
若 若。エヘ… 何じゃ?
あんた 下戸かいな?はい…。
酒蔵の当主が下戸て…。土佐にも下戸なていだけのが…。
なあ 不思議じゃろう?家の者も 分家の皆も みんなあ強いにわしだけ下戸じゃき。 ヘヘヘヘ…。
何でじゃろうのう?
わしだけ 酒が一滴も飲めんがですき!ヘヘヘヘ…。
若 水をお持ちしますね。ああ ああ ああ… すまん。 すまん。
ああ… いや~ 下戸で 下戸で…。 ヘヘ。
カエルじゃき。 ハハハハ… カエル…。
ゲコでカエル…。 すまん! ハハハハ!
若 若! 待ってください 若!若!どういうこっちゃ?
若 勝手に行かんとってください!
う~ん… 何でかのう…?生まれつきですき。
あ… 生まれつきじゃあ しょうがない。
体も弱いし 下戸じゃし。
アハハ…。 何で酒屋の当主らあに生まれたがじゃろうのう?
若…。
わし 本当は ただのカエルながじゃのう!
カエルじゃき そこが住みかじゃ!
住みかじゃ! 住みかじゃ!わしの住みかじゃ!
ゲコ! ゲコ! ゲコ!
若 やめてください! 人が見てます!
若! ああ ちょっと…。
のう… きれいじゃのう。
若 お願いです。 水を持ってきますき本当に ここから動かんとってください。
うん うん…。 ゲコ。 ハハハハ…。
はあ…。
白梅堂の かるやき まんじゅう練り切り らくがん!
お土産にいかがですか?ありがとう存じます。
かるやき いかがですか?お一つ いかがですか?
どうぞ!
どうしたんだろう?
おっ母さん ちょっとお願い。
すみません…。大丈夫かな?
おまんは なんて立派な榎じゃろう…。
人がつくり出したもんも すごいけんどわしは おまんらあ草木の方がずっと すごいと思う!
この世に ひとっつとして同じもんがない。
何か理由があってこうして生まれてきたがじゃろ。 なあ。
フッ…。 なら わしも…。
わしで えいかのう?
よう! 木と話してるのか?
うん? あっ ああ… わし カエルじゃき!
えい木を見るとな たまらんがじゃ!アハハハ…!
ゲコ~! ハハ…。
おっ!あっ ちょっと!
危ないです! 下りてください!
あ… アハ…。聞いてるんですか?
下りてください! 枝が折れるでしょ!
いやいや… 折れんが。榎は 強いきのう。
なあ わしぐらい平気じゃろう?
早く。
♪~
いや…。 あ… そうじゃのう。
あ… すまん!
あ… おっ…。
あっ!うわ~!
ああ… い…。
大丈夫ですか?
どうしよう? お連れの方は?
あなた どなたですか?
カエルじゃ…。
若? 若 どうなさったがです!?
この方が 木から落ちて…。
そりゃあ うちの若様がご迷惑を。大丈夫ですか?
私が声をかけたせいで落ちてしまったのかもしれません。
あ いえいえ… そんな… そんなこと…。わしが勝手に…。
ありがとうございます。平気ですき あとは こちらで。
分かりました。お大事になさいましね。 カエル様。
何やりゆうがですか? 立てますか?あ… 痛…。
骨でも折れてませんろうか!?
おまんの言うとおりじゃった。何です?
理屈じゃないき。
一目見ただけで ここが ぶわっとしたが!
心が震えた。
あんなに かわいい人がこの世におるがじゃのう…。
ありがとう存じます。どうも。
どうだった?うん カエルがいたよ。カエル?
でも「若様」って呼ばれてた。カエルの国のお殿様…。 フッ…。
ああ!えい飲みっぷりで。
あ… 竹雄 後生じゃ あの人に…。
分かりました! 動けます?
行きましょう。 ほら…。・あっ! おった…!
えっ?峰屋はん!
えらい捜したがな!
あ~ もう べっちょないか?あ… はい。
これから内務卿がご視察に いらっしゃるんだど。
ちゃっちゃど戻らねえど!いや… いやいや でも わし…。
峰屋はん!あんさん 今回出品の蔵元の中で一番年若のご当主のようや。いや…。
きっと 内務卿から話がありますわ!
ほれ 行きますで!近頃は ビールとかいうのが入ってきちゃってやさかい!
あっだな西洋の酒蹴散らしてけらんなねなあ!
竹雄! わしは… わしは あの人に!
竹雄 あの人に…!
竹雄 わしは あの人に…わしは あの人に…! 竹雄!
わしは あの人に~! 竹雄~!