総額500~600万円 メンズエステや“出稼ぎ”も
被告人質問で、被告は、1年半ほどで「総額500〜600万円を店で使った」と証言した。
【被告人質問】
ーー金はどうしていた?
奨学金や仕送りを切り崩したけど足りなくて、メンズエステの仕事をするようになった。
ーーメンズエステとは?
男性にマッサージをして、性的なサービスも伴う仕事です。
風俗の仕事を始めることに抵抗はあったが「キャバクラより稼げるし(被害者が)喜んでくれると思った」という。
ーー同棲中の生活費は?
基本的に私が全部出していました。
ーー長期間家をあけることは?
地方に出稼ぎに行く時があった。
ーー出稼ぎとは?
1週間、10日ほどデリヘルをしてまとまったお金を稼ぐことです。
ーー出稼ぎは被害者から提案された?
「掛け金を返さないと出禁」「返せないと俺の責任になるから出稼ぎにいけば?」と言われた。一度は断ったが、掛け金を返さないといけなかった。
「掛け金」とは、いわゆる「ツケ」のこと。被告には数十万円の「ツケ」があった。
「ツケ」回収するため、ホストが「風俗店」紹介も
ホストクラブでは「売り掛け(ツケ払い)」が一般的に行われていて、トラブルになることがある。こう警鐘を鳴らすのは、性風俗業界で働く女性を支援するNPO法人「風テラス」の坂爪真吾理事長だ。
風テラス 坂爪真吾 理事長
「ツケでもいいので、客に今すぐお金を払わせて、自分のランキングを上げたい”ホスト”と、手元にお金がない状態でもホストに貢献したい“女性客”、双方の利害が一致している」
客から「ツケ」を回収するのは担当ホストの責任で、締め日に回収できない場合はホスト自身が補填や借金をしなければならない。そのため、ホストは客に対し脅しや恋愛感情をちらつかせるなど様々なアプローチをする。風俗店や出稼ぎ先を紹介されることも多いという。
風テラス 坂爪理事長
「同意の上で借りた金は返す必要があるが、金を作る方法までホストの命令に従う必要はない。困ったら一人で抱え込まず、NPOや弁護士などに相談してほしい」