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【2001年宇宙の旅】モノリスの正体がヤバい!ネタバレ考察解説!

SF映画 考察・解説
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ネタバレあり

つまらない?怖い?
1968年公開・SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』ネタバレ感想で徹底考察・解説!
HALはなぜ暴走したのか?モノリスの正体とは?
最後のホテルの部屋赤ちゃん(スター・チャイルドの意味は?
小説や続編撮影方法や音楽も解説!

いざ、SFの世界へ…!

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Japan Sci-Fi ソル Ryo

2001年宇宙の旅 のネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)

本日は古典SFの名作『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』についてネタバレ徹底考察!

13項目で考察します!!!

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キューブリック×アーサー・C・クラーク。原案はどの作品?

監督は、スタンリー・キューブリック

キューブリックがアーサー・C・クラーク『前哨』という短編に触発されて始まり、脚本はクラークと共に書かれました。

この『前哨』という短編小説では、「月に人工構造物があった」という話であり、『2001年宇宙の旅』でいう序盤のシーンと似ています。最近でいうとエメリッヒの『ムーンフォール』的なw

後述しますが、この映画が「難解」「つまらない」「眠い」と呼ばれる一番の理由は、キューブリックがアーサー・C・クラークの用意した説明パートやナレーションを全カットしたからです。なので、クラークの原案は、しっかり理解できる内容になっています。ただ、キューブリックの考えが難解にさせてしまった、もしくは考察しがいのある映画にした、といえます。

※筆者も中高生のころにみたころはさっぱり意味が分かりませんでした笑

企画当初では、キューブリックはラジオドラマ『太陽面の影』を元にした地球侵略物を考えたようですが、クラークが「人類の進化」について描く物語を提案したらしいです。

ですので、基本的にクラークのアイデアをしっかり理解すれば、この映画はシンプルなストーリーであることがわかります。クラークは続編も執筆しており、全4部作となっていますので、このあたりを読めばより内容が入ってきます。

宇宙の旅 (全4巻)

今はネットで検索すればすぐにあらすじや考察内容がたくさん出てきますので、すぐに理解できるようになりましたが、公開当時はどう理解すればいいのか、と批判が多かったのは納得できますね。

ちなみに、クラークの小説は、映画公開後に発表されていますので、「原作」とするのはやや間違いがあります。アイデアを出したのはクラークなので完全に間違っているわけではないのですが、小説は同時進行でつくられていた、という点を考えると、クラークとキューブリックでつくりあげたストーリーとして見る必要がありますね。

2018年10月19日にもIMAX上映されましたね!

名作となった理由①:宇宙開発競争の時代が与えた宇宙への期待

公開当時から難解とされたこの映画がここまで名作となったのはなぜでしょうか。

キューブリックがこだわりぬいた撮影技法、クラークのユニークな生物進化論もありますが、1968年という時代背景も大きく起因しています。

1968年といえば、アポロ8号が史上初めて有人で月の裏側を廻って帰還し、その翌年にはアポロ13号が月面着陸に成功しています。

そう、アメリカとソ連の宇宙開発競争が激化していた時代です。

ソ連は、1961年にガガーリンによる世界初の有人宇宙飛行を成功させています。アメリカは国として宇宙開発に力を注いでいたのです。『2001年宇宙の旅』は、当時アメリカという国全体として「今後、宇宙を旅するとしたらどうなるんだろう」と注目していた世界でもあったのです。

アポロ13号が月面着陸する前に、すでにこういった映像を撮影していたのも驚きですよね。いま見れば既視感ある映像かもしれませんが、当時は、月に人類がおりたっていない時代。無重力空間や宇宙船の映像を創造し、撮影し、編集することがどれだけ困難であったかがよくわかる時代です。

ちなみに、当初の公開予定は1966年だったので、1年4か月遅れてしまいました。これはキューブリックがモノリスのデザインや長時間露光という1秒4時間かかる撮影技法(笑)にこだわっていたことが大きいでしょう。製作費も予定の600万ドルを大きく超過し1050万ドルになっていますしね。

また、アポロ8号の船長の名はフランク・ボーマン

偶然とはいえ、この映画に登場するフランク・プールとデヴィッド・ボーマンを合体させた名前であることは当時話題になったそうです笑(;;)

名作となった理由②:今も色あせないビジュアルのクオリティ

撮影技法の話がすこしあったので、触れておくと、この映画が不朽の名作とされる所以には、映像のクオリティが大きな要因のひとつです。

というのも、当時はCG技術なんて存在していませんので、ミニチュアやセットの特撮に頼るのみ。それでいて、今見ても緊迫感あるリアリティのある宇宙船や宇宙空間をつくりあげています。

冒頭の類人猿のシーンなどでは、フロント・プロジェクションと呼ばれる革新的な合成技法を駆使しています。もっとも、これはキューブリックが飛行機が嫌いという理由でアフリカなどのロケ地にいかなかったことが原因ですが笑(;;)

制作から公開まで4年かかったことが分かる一番の映像は、宇宙船や宇宙ステーションです。膨大な時間を費やした長時間露光により、宇宙船にはいっさいの影がなく、無の空間に佇むビジュアルが完成しています。

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出典:2001年宇宙の旅 : 作品情報 – 映画.com
(C)2018 Warner Bros. Entertainment Inc.

これより後に出てくるSF映画も多数ありますが、CG技術が発達するまで、『2001年宇宙の旅』のリアリティを凌駕する作品はなかったといえます。勿論、CGやVFXが発展してからも、色あせないクオリティを保持していますし、多くのSF映画に影響を与えたといえます。

直径300mのリングが回転して遠心力による人工重力を生み出す「宇宙ステーション5」は、後のSF映画で散見されるものとなりました。

遥か彼方の宇宙人からのメッセージを受信して交流していく展開は、『コンタクト』や『インターステラー』、宇宙人や人類の起源などはリドリー・スコット監督の『エイリアン』や『プロメテウス』にも影響を与えたといえるでしょう。

実際、1968年のアカデミー賞特殊視覚効果賞を受賞、また1969年のヒューゴー賞も受賞しており、1991年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されています。

日本でも、文部科学省が「特選」に指定している、唯一のSF映画です。

SF好きで知らない人はいないといえる作品でしょう。

登場する3種の”モノリス”の正体とは?サピエンス全史の答えが…

さて、この映画ではモノリスがキーアイテムです。

全部で3種類のモノリスが登場するのですが、それぞれ名称と役割があります。

TMA・0:ヒトザルが道具を使うようになるという「進化」を提供
TMA-1(ティコモノリス):人類が月面まで行けるようになったことを確認し、次なる「進化」へ案内
ビッグ・ブラザー:「物質的な存在」から「精神的な存在」への「進化」を提供

モノリスの正体は、高度な地球外生命体の遺物であるということが後に分かります。この生命体にとっての「コンピュータ」のような道具であり、それは別の生物を進化させたり滅ぼしたりするときに使われるのです。

TMAは、Tycho Magnetic Anomalyの略称らしいです。

『人類の夜明け(THE DAWN OF MAN)』のTMA・0の場合、400万年前(小説では300万年前)にヒトザル(月を見るもの)に動物の骨を武器にして戦う知識を習得させました。この「道具を使うという知恵を得たことにより、ほかの猿人との縄張り争いに勝利し、領土を拡大、高度な文明を持つように至るのです。

世界的ベストセラーとなった『サピエンス全史』でも興味深い説が世に放たれました。それは、ホモサピエンスだけが「虚像」をつくることができたという話です。要は、なにがリスクかを妄想することができたのが我々の祖先であり、だからこそほかの猿人を滅ぼして生き残ることができた、というわけです。(もっとも、最新の著書で自分で否定していたりしますが)

しかし、なぜホモサピエンスだけに認知革命が起きたのかはよくわかっていません。
その答えを、キューブリックは50年も前に仮説を組み立てていた、というわけですね。

サピエンス全史
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無神論者が問う「神とは何か」。後の『A.I.』で取り組む哲学

この映画が独創的な観点でつくられた背景には、キューブリックもクラークも無神論者という点があげられます。彼らはニーチェの「神は死んだ」の如く、人類の起源を神以外に求めることができました。だからこそ、「神とは何なのか?」というテーマがこの映画には通底することになったのです。

モノリスの主ともいえるべき「宇宙人」の姿が現れないのも、神のように姿そのものがない生命体というように考えたからでしょう。

ちなみに、キューブリックは後に『A.I.』でも「神はいるのか?」というテーマを用いて脚本を製作しています。スピルバーグが受け継いで公開にいたりましたが、どこか似ているような気もあるのはそのためでしょう。

また、TMA・0は小説では透明ですが、映画では再現できなかったので真っ黒になっています。各辺の比は1:4:9という最初の3つの自然数の二乗となっていると小説には記載がありますが、これは人工物であることを視覚的に認識させるためのものらしいです。

この映画では場所は不明でしたが、『3001年終局の旅』では、アフリカのオルドヴァイ峡谷であることが示されました。

本当は南アフリカで撮影予定だったんですけどね、前述の通りキューブリックの飛行機嫌いのおかげでフロントプロジェクションシステムを利用することになったシーンです。

30分くらいあるので、予備知識なしで見ていると意味が分からず眠くなること間違いなし笑

ソ連の科学者には極秘!月面に埋められたTMA-1が発する信号

次に登場するモノリスがTMA-1。ティコモノリス、ティコ磁気異常1号とも呼ばれています。

類人猿の世界から「骨が宇宙船になる」という有名なモンタージュによって現代に切り替わりますが、すでに月に居住可能になっています。残念ながら2001年時点では月面で生活しているまでには至りませんでしたが。

アメリカ合衆国宇宙評議会のヘイウッド・フロイド博士は、月面クラビウス基地に向かって発掘されたモノリスを調査します。

途中、宇宙ステーション5でソ連の科学者たちには秘密を徹底した点は、いかにも冷戦時代という感じですよね。「伝染病の蔓延」という理由で敵国の進入を防いでいるのです。

そしてフロイド博士たちがモノリスに触れているちょうどそのとき、400万年ぶりに太陽光を浴びたモノリスは、強力な信号を木星に向けて発します。
※たまに勘違いのレビューがありますが、「接触」が招いたのではなく、「太陽光」が招いたのです

どうして月に埋まっていたのか?というと、先述の通り、これは「かつてのヒトザルが月に到達するレベルになりましたよ」というサインだったのです。同時に「次は木星にいくといいよ」というメッセージでもありました。

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本当は木星ではなく土星だった!HALはIBMから命名されている?

ちなみに、小説では、この時点で木星ではなく土星であり、このあとボウマン船長が向かう先も土星です。土星の衛星の中の一つ“ヤペタス”に向かう設定だったのですが、映像的に土星の環を再現することが難しいことから木星へ変更されたそうです。

そうして始まった『木星使節(JUPITER MISSION)』では、宇宙船ディスカバリー号が木星探査へ。2001年時点では最速の宇宙船とのこと。

ディスカバリー号の乗員たちが食べる宇宙食は、実際にNASAが当時開発していた宇宙食とのこと。今見たら当たり前の光景のようですが、当時はそもそも「宇宙食」なるものが斬新だったので、この時点でも多くの観客が目を見張ったことでしょう。

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出典:2001年宇宙の旅 : 作品情報 – 映画.com
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ちなみにNASA以外にも多くの企業や研究機関が参画しており、その数なんと40社

コンピュータ画面はIBMが全面協力しています。AIが反逆するということが分かってからはロゴを外していますが、一か所だけまだ消えていないとか。

IBMといえば、史上最高の人工知能HAL(ハル)9000型コンピュータの「HAL」が「IBM」を1文字ずつ前にずらして命名された(=IBMよりも1歩先を行くコンピュータ)という都市伝説がありましたが、これは公式で否定されています。

単に「”H”euristically programmed ”AL”gorithmic computer」の略語ですし、IBM説は原作小説でも否定されています。

なぜHALは暴走したのか?自己矛盾が招いた人工知能の”葛藤”

そしてHALの暴走が始まります。

HALは、船のアンテナ部品=AE35ユニットの故障が72時間で達成されてしまうと予測するのですが、ボーマン船長が調査してみたところどこも異常はなかったのです。

これが原因で、ボーマンとプールはHALのことを不審に思い停止させようと試みるのですが、唇の動きでその計画がばれてしまい、プールは船外活動中にポッドに衝突されて宇宙服を壊され、人工冬眠中の3人は生命維持装置を切られてしまう始末に。静かに仲間が死ぬところとか、まさに宇宙空間って感じの演出ですよね。ボーマンも動揺の様子を見せずに淡々としています。

遺体回収のために戻っていたボーマンを入船させようとせずにいるHALに対して“Open the pod bay doors, HAL”(進入口を開けろ、HAL)という言葉が発しますが、これは印象的なフレーズとして後世でも有名になりました。

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しかし、なぜHALはここまで暴走してしまったのでしょうか。

それは、HALにはモノリス調査という「極秘の任務」が与えらえていた一方、乗組員には「秘密」にしなければならないという自己矛盾状態が発生してしまったからでした。

精神疾患というのか良心の呵責というのか、HALはそのためにある種のエラー状態のようになってしまい、ありもしないユニット故障を予測してしまったのです。

自らを殺害しようとするボーマンとプールを見て、HALは自分の目的である「知的生命体の調査」は人間たち無しで遂行した方が良い、と考えるようになってしまったのです。つまり、これはHALが自我を持って反逆しているのではなく、人間たちから自らに与えられていた極秘任務を遂行するために(手段を選ばずに)行動した結果だったのです。

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怖い?生物的な意思を見せるHAL…監督が問う人間と機械の生存競争

なんとか船に戻ることができたボーマン船長は、HALの思考部を停止させるべく、論理ユニットを取り外していきます。さきほど「良心の呵責」と記載しましたが、ここでもまたHALが人間らしい発言をします。それは、

・怖いです
・やめてください
・意識が朦朧としてきました

といった言葉。

人工知能であれど、どこか生物的な意思を感じますよね。

遂には「デイジー」の歌を歌い始め、そのまま停止されてしまいます。

この「デイジー」は初期稼働のときの記憶が再生されているのですが、なぜデイジーだったかというと、アーサー・C・クラークがベル研究所を訪れてIBM704が『デイジー・ベル』を歌うところを見て衝撃を受けたからだそうです。

キューブリックは以前から「AIの暴走」について予見していたといわれています。

「使うもの(人類)」と「使われるもの(機械)」の関係性が逆転する可能性があることを考え、彼は「人間と機械の生存競争」というテーマを持ち込んだのです。

彼は後に『A.I.』でこのテーマを取り扱う予定でしたがなかなか実行に移されず、スピルバーグが監督して引き継いで完成させましたね。

ちなみに、HALは、その後小惑星の名前になったり、ウォーリーではHALを搭載したロボットが登場したり、AI関係のSF映画ではどこかHALに似ている気がしたり、多くの分野で影響を与えた人工知能となりました。

なぜ”ホテルの部屋”だったのか?最後の赤ちゃんは何だったのか…

『木星 そして無限の宇宙の彼方へ(JUPITER AND BEYOND THE INFINITE)』ではいよいよ、難解なラストシーンがやってきます。

3番目に登場する巨大なモノリスの名前はビッグ・ブラザー

木星の衛星軌道付近でボーマンが遭遇し、”スターゲート”と呼ばれるワームホールのようなもので異次元を移動していきます。

このトリップ映像は『インターステラー』や『コンタクト』でも似たような光景がありましたが、本作のものが一番強烈です。とにかく映像の時間も長いですし、様々な色でその「旅」を演出しています。音楽も良い味を持っていますね。

そして、一番難しいと言われる王朝風の白いホテルの一室のシーン

最初なにが起きているのか分からないのですが、ボーマンが年老いていく自分を発見していることが分かります。徐々に老人になっており、最後は衰退している姿にまで変貌しています。そしてモノリスが登場し、彼が手を差し伸べると、光に包まれた胎児に。

これが「人類を超越した存在」「時間を超越した存在」「精神的な高次元生命体」と言われる”スター・チャイルド”です。スター・チャイルドとなったボーマンは、自らの母なる星である地球を見下ろし、そこで映画は閉幕します。

前述の通り、モノリスの主人は、地球人類を高次元の生命体に進化させるために、ボーマンをここまで導きました。なので、最後の部屋も、モノリスの主人が用意した環境ということになります。

では、なぜ、「ホテルの一室」だったのでしょうか。

それは、「人類にとって良い環境と思われるから」「地球人の暮らしを再現できるから」「ボーマンの記憶で一番安らぎを感じられたから」などの理由があると言われています。

確かにホテルといえば、リラックスとか安心という印象です。ここであれば人類がゆっくり成長できるだろうと考えれられたのでしょう。

あとは、キューブリックの美術的な嗜好も入っているでしょう。クラシックな部屋に最先端のスペースポッドという組み合わせはシュールレアリスムとも言われているらしく、キューブリックの他の作品でも見られる「趣味」といえます。

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肉体を離れて精神のみの生命体へ?スター・チャイルドはどんな意味?

時間経過が意味不明なところからも、「時間を超越」したことがわかるシークエンスです。

映画ではナレーションも説明もないことで意味不明ですが、クラークは小説版『2001年宇宙の旅』で面白い解釈を残しています。

「究極に進化した地球外生命体の“遺物”であるモノリスにより、人間は太古の昔より進化をしてきたが、今度は人間が(ボーマン船長が)肉体を離れて精神のみの生命体へとさらなる進化をする。

 宇宙にいる多くの種族がそうして進化をしてきたように、人類もようやくその仲間入りをし、宇宙の一部になったのだ。それが地球外生命体の目的だった。

というか、この映画を一言で要約しているともいえる言葉ですねw

2001年宇宙の旅 ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF ボーマン船長
出典:2001年宇宙の旅 : 作品情報 – 映画.com
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また、以下のようにも述べています。

「生物は水中から陸という高次元に移動したことで劇的な進化を遂げた。では我々人類も地球から宇宙という高次元に到達した時、そして再び宇宙の神秘に触れた時、更なる進化を遂げる可能性があるのではないか?」

なるほど、そう考えると「宇宙人とのコンタクト」と「人類の起源・進化」が結びつく意味が分かりますよね。

クラーク自身は著書『失われた宇宙の旅 2001』で何回もラストについて書き直したと書いており、キューブリックがOKを出すまで相当な苦労があったことが分かります。

「宇宙空間に胎児の姿で浮遊する」という映像で、ここまで解釈させようというのはいくらなんでもムリな気がしますがw

続編小説は四部作!意味不明になったのは説明全カットが原因?

ちなみに、ボーマンのその後については、小説の続編(四部作)で語られています。

『2010年 宇宙の旅』
『2061年 宇宙の旅』
『3001年 終局への旅』

モノリスの主人である地球外生命体については、『3001年 終局への旅』では数百光年彼方に存在するとされています。

また、シリーズすべてこの映画の内容を踏襲していますが、基本的にパラレルワールドという設定らしいです。

この続編があるからこそ、今ではだいぶ本作のことが理解しやすいですが、当時観た人たちはいろいろ考察したのでしょう。

2001年宇宙の旅 ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF 宇宙服
出典:2001年宇宙の旅 : 作品情報 – 映画.com
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クラーク自身はストーリー理解を促すために、ナレーションを書き上げていましたが、せっかくの未知の世界との遭遇を陳腐にしたくないというキューブリックの判断で、すべてカットされています。

それは分かりませんよぉ、とほほ。。。

「モノリスの存在の意味、人類と宇宙の関係性に一人一人が想いを馳せて欲しい」

とはいわれてまして、キューブリックさん、、、勘弁してくださいw

とはいえ、そのおかげで哲学的な思考ができる不朽の名作となったのは間違いないでしょう。

3001年終局への旅
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核戦争の時代を終わらせる意味もあった?ラストの本当の意味を解説

最後のスター・チャイルドにはもっと意味がありました。

まず、そもそもアーサー・C・クラークの代表作でもある『幼年期の終わり』では、未来を担う子供は”スターチャイルド”に進化しています。クラークはこれを本作に取り入れたのでしょう。

また、当時は核戦争の危機がある時代

本来は別の筋書きがありました。

スター・チャイルドが地球の目の前まで来ているのは、地球軌道にある軍事衛星をすべて破壊し、殺し合いの時代を終わらせるという意味があります。

類人猿のころに与えられた「知恵」によって、破壊や殺戮を繰り返すようになった地球人類も、次なる進化のフェーズを迎えたのです。

物質や道具で進化をたどってきた地球人類も、精神的な存在・超常的な力を持つ生命体として進化しよう。そんなメッセージがスター・チャイルドから伝わるというラストだったのです。

こうして、最後にあの有名な曲が流れて映画は終わります。

音楽と言えば、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」やヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」などといったクラシックの名曲をうまく利用したのも評価が高いポイントと言われていますね。

ということで、長い考察コラムとなりましたが、以上となります。

それではまた!

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コメント

  1. 匿名 より:

    月に初めて降りたのはアポロ11号ですね

    0
  2. 匿名 より:

    ボーマンがHALを止める(○す?)場面、怖い止めてと訴えている時は相手にしてないボーマンが、初期化されたのか自己紹介を始めて「歌うこともできるよ」となった時に堪らず「歌ってくれHAL、ぜひ聞きたい」と声を発した場面が好き。朦朧とした抑揚のない音声で「デイジー・・・デイジー・・・聞かせて・・・おくれ・・・」と歌い始めるHAL、作業を進めるボーマン、HALの音声が消えていき、HALに託された秘密のミッションと木星到達のお祝いメッセージが流れ・・・

    命がない機械であるHALを○すという矛盾

    乗組員をサポートする立場でありながら秘密の任務を担い、乗組員を排除することがその任務を達成できるという考えに至ってしまったAI

    道具を扱い、命を絆ぐために命を奪いながら進化していった人類が最後に奪ったのは「芽生えたであろうAIの自我」で、それを経て「肉体のない高位生命体への仲間入り」、宇宙との合一って凄い脚本ですよね

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