自民党・門博文 元衆議院議員 旧統一教会との「密接交際」証拠写真
衆院和歌山1区補選の有力候補者にまたしても 本誌直撃に「知識が薄かった」「落選中なので表明する機会がなかった」と呆れた言い訳
自民党の門(かど)博文元衆議院議員(57)が2月6日、和歌山市内で会見を開き、過去に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と関係があったことを突如として公表した。門氏は今年4月の衆院和歌山1区補選の候補者とされており、「後付けよりは事前にと思い、自主的に公表した」と説明した。
だが、この説明は真っ赤な嘘である。門氏と旧統一教会の関係について取材を進めていた本誌は2月4日、和歌山市内にある事務所で同氏に直撃。門氏はそれを受けて、慌てて会見を開いたのだ。
県議会議員の父を持つ門氏は、’12年の衆院選で初当選。国土交通大臣政務官などを務めたが、’21年に落選していた。中川郁子(ゆうこ)議員との「不倫路チュー」スキャンダルでもよく知られる。
そんな門氏と旧統一教会の密接な関係は、地元ではかねてから有名だったという。和歌山の自民党関係者が証言する。
「門は会見で、『関連団体の会合に出席したほか、祝電やメッセージを複数回送った』という旨の発言をしましたが、その数は膨大です。少なくとも’14年の衆院選の頃から、教団および関連団体とかなりの数のやり取りをしています」
本誌は教団と門氏の関係を示す「証拠資料」も大量に入手した。イベントでの講演写真や祝電など、その数、10件以上。レイアウトの都合ですべてを公開することはできないが、主だったものを詳述する。
・’14年7月6日、旧統一教会の関連団体「アジアと日本の平和と安全を守る和歌山県フォーラム」の集会で講演
・’15年10月12日、「世界平和統一家庭連合出帆大会」に祝いの文書を送付
・’16年8月16日、関連団体「世界平和連合(FWP)」の副会長宛に「勉強会」の案内を送付
・’17年11月21日、旧統一教会の集会「孝情ファミリーフェスティバル」に祝いの文書を送付
・’19年4月、「世界平和連合」の幹部宛に志帥会(二階派・門氏が所属)のパーティー券送付の案内を送付
・’20年2月23日、「世界平和統一家庭連合『文鮮明聖誕百周年 聖婚60周年』記念大会」に祝いの文書を送付
これ以外にも、’18年2月には関連団体幹部と議員事務所でツーショットを撮影、’21年1月には「自民党費」の入金を催促する文書まで出している。
すべて安倍晋三元首相の銃撃事件が起きる前とはいえ、旧統一教会の悪質な勧誘や霊感商法は周知の事実だった。パーティー券送付や党費の催促は、門氏側が自主的に教団との関係を深めようとしているものとしか考えられないが、本人はどう申し開きするのか。前述したとおり本誌が2月4日、和歌山市内で直撃すると、門氏は「証拠資料」が事実であることを認めた上で、概ね次のように語った。
「去年の安倍さんの銃撃事件があって、統一家庭さんがクローズアップされた。正直申し上げて、裁判やトラブルがあるということに対して知識が薄かったのは事実です。事件以降、(自民党の)議員にアンケート調査があったことは承知していますが、自分は落選中の身でありましたので、わざわざこちらから(教団との関係を)表明する機会がなかった。もっと慎重にいろんな情報をとって対応すべきだったと、大いに反省しております」
この発言について、政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう断ずる。
「旧統一教会が問題ある団体だと知らなかったのであれば、政治家として勉強不足のそしりは免れない。言い訳にも理由にもなりません。また、自ら公にして謝罪をする機会はいくらでもあったはずで、発覚しなければそのままにしようという思惑が透けて見える。有権者をないがしろにしているとしか思えません」
本誌2月3日号では、鶴保(つるほ)庸介参議院議員も旧統一教会と関係がありながらそれを隠していたことを報じた。それに続き、またしても衆院和歌山1区補選の候補者に関係が発覚。自民党の候補者選びはさらに難航しそうだが、いちばん頭が痛いのは地元の有権者だろう。
『FRIDAY』2023年2月24日号より
PHOTO:加藤 慶(5枚目)
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