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♪~
♪「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」
♪「私は決して今を」
♪「今を憎んではいない」
♪「命ある日々 静かに誰かを 愛した日々」
♪「空が晴れたら」
♪「愛を、愛を伝えて」
♪「涙は明日の為 新しい花の種」
♪「空が晴れたら」
♪「逢いに、逢いに来て欲しい」
♪「涙は枯れないわ 明日へと繋がる輪」
(蘭光)よし えいぞ。
(万太郎)うんまい!(蘭光)おお。 アハハハハ…。
佑一郎君 うまいのう。
(佑一郎)おまんは そんなに あけすけやにどういて いっつも一人でおるがじゃ?
えっ? 一人じゃないけんど…。
名教館じゃ大抵一人で 本 読みよったろ。
商家の当主なら もうちっと周りと交わらんと いかんじゃろう?
けんど 当主ゆうても峰屋は 番頭に手代衆がおる。
酒は 杜氏の親方と蔵人らあが造ってくれゆう。
当主らあ 何ちゃあせんで えい。
わしは おらんでも…。そりゃあ違う。
佑一郎君には 分からんき。分かる。
わしも もう家督を継いじゅう。10歳の時じゃ。
えっ?
父上が亡うなっての。
わしが母上と弟を養わんといかんけんど俸禄も のうなったき家の者に暇を出して 家財を売って…。
わし 全然知らんと…。
おんなじ学校に3年もおって知らんがは おまんだけじゃ。フッ…。
おまんとは いつか こういう話したいと思うちょった。
おまんは 怖うないがか?
母上と弟はわしが学業を終えるがを待ちゆう。
わしは この先 応えられるじゃろうか?
わしは これまで そんなこと…。
名教館を去っても 学びは続くぞ。
この先の世はますます身分らあ のうなっていく。
身分が消えた時 何が残ると思う?
己じゃ。自分が何者か 人は それを探していく。
学びは その助けになる。
世の中は 変わり続けゆうけんど。
だが いたずらに振り回されては いかん。
道を選ぶがは いつも己じゃ。
よし 食え。
♪~
(蘭光)うまいのう。 ハハハ…。
♪~
おまんは… キンセイラン?
金色にも見える 花の色。
真ん中が 赤みが かかっちゅうき。
キンセイランじゃないろうか!?
ん?
お~ そうやろう!
わしも 実際に目にするがは初めてじゃけんど。
ゾクッときたき!
なんて きれいながじゃ!
(蘭光)ああ ああ…!先生の言うたとおりじゃ!
文字では 心は震えんかったに!うん。
ヘッ。 心が震える先に 金色の道がある。
その道を 歩いていったら えい!
それから 名教館は廃止され小学校が設立されました。
身分の別なく開かれ初めて女子の入学も認められました。
よう。おはよう。
入ろうか。
万太郎。 わしは行かん。
東京の新政府で役人をしゆう叔父がおる。
わしは その家で書生をやる。
東京へ?ああ。
東京に来たら いつでも知らせをくれ。
佑一郎君。
(綾)万太郎!
ごめん 支度に手間取うてしもうた。
おばあちゃんが恥ずかしくないようにしろ言うて。
おなごも やっと 学校に行けるがやね。
姉ちゃん よかったのう。うん。
竹雄は 本当に えいが?
(竹雄)フッ わしは 峰屋の仕事がありますき。
さあ お二人とも 弁当です。
ほんなら。
(寛太)受け取ってください!
ねえねえ 万ちゃん 面白いきね!
同じ場所やに名教館とは まるで違うのう。
そうじゃ!何ゆうたち おなごがおるきのう~!
では みんな 本を出して。(一同)はい!
先生がこれから文字の書き方 読み方を教えます。
まずは 先生について 読んでみましょう。
「いろはにほへと」。
(一同)「いろはにほへと」。
「ちりぬるを」。
(一同)「ちりぬるを」。
(先生)「わかよたれそ」。(一同)「わかよたれそ」。
(先生)「つねならむ」。(一同)「つねならむ」。
こりゃあ えいの!何しゆうが?
(先生)こら 席に着け!
こら 待たんか! おい!先生の言うことが聞けないなら外に出とれ!
はい!
あ~あ 座っちょったら えいに…。
(先生)「いろはにほへと」。
(一同)「いろはにほへと」。
(先生)「ちりぬるを」。
(校長)ご苦労さん。あ…。
初日は どうだった?初めて学校に通う子らが大半ですしこんなものでしょう。峰屋の槙野は?
それが席にも座っていられないありさまで。
そこの博物図を持っていって日がな一日 眺めていました。
神童とのうわさ 買いかぶりでしょう。まあ 田舎というのは 大げさだからな。
そうですよ。 名教館の池田蘭光といえば万能の学者と有名でしたが来てみれば こんな小さな村ですよ。
要するに 佐川に閉じこもって隠とんしてただけの変人ですよ。フフ…。
(先生)「いろはにほへと」。(一同)「いろはにほへと」。
ありがとうございます。大変面白かったです。
なるほどのう…。
こうやって見たらヤツデは モミジの葉と似ちゅうのう!
サザンカは ウメとおんなじ交互に葉っぱが ついちゅう。
センリョウと シモツケは まるで違うに葉っぱのギザギザは おんなじじゃ!
親戚じゃったら面白いのう!
うちも おばあちゃんとおじちゃんらあはちっとも似ちゃあせんけど 親戚じゃき。
おまんらあみたいにどっかを探しよったら…。
(先生)何をやっとるか!うわっ!
槙野 お前は なぜ皆の邪魔をする?
お前の声が聞こえてくるから皆の気が散る。
そりゃあ 申し訳ないですけんど…。
きちんと座って。
お前は 大店の当主なんだろう?
そんな態度じゃほかの子らに 示しがつかん。
分からないことがあるなら 質問しなさい。
(英語で)
な… 何だ? うじゃうじゃと…。言いたいことがあるなら はっきり言え!
お前は 先生をバカにしているのか?
分からない者を見下して 楽しいのか!?
出ていけ!分かりました。
ほんなら やめます。
(ざわめき)
万太郎!
えいぞ! 万ちゃ~ん!
待ちなさい! 槙野君!
今やめたら 小学校中退ということになるが いいのか?
よく考えなさい。小学校ぐらい出ておいた方がいい。
けんど ここにおっても しかたないき。
勉学は どこでも続けられる。わしの先生が そう教えてくれましたき。
ちょちょちょちょっと… 槙野君!
先生 わしの金色の道は どこじゃろうか?
♪~
はあ…。
フッ…。
はあ…。
お母ちゃん今年も バイカオウレンが満開じゃ。
お母ちゃんの一等好きな花ようけ咲いちゅうよ。
天狗 また春が来たがじゃ!
(竹雄)若!
おお 竹雄!
港から 知らせです!大阪からの本 届きましたき!
来たか!
竹雄 置いてくぞ!若! 本が絡むと 速…!
さあ いよいよ万太郎の冒険が始まります。
うお~ 待っちょれ~!若~!