未成年を成人として逮捕 別人の名をかたりマイナンバーカードも所持 「人定」誤りウソが判明せず04月12日 20:00
窃盗事件で大阪府警に成人として逮捕された人物が、未成年であったことが分かりました。他人の氏名をかたっていたということです。
今年2月26日、大阪市内の飲食店で客の財布が盗まれる窃盗事件が起き、防犯カメラの捜査などから容疑者の緊急逮捕にいたりましたが、起訴の後、本人の名前が違うのではないかと弁護士から検察に指摘があり、調べたところ、未成年であることも分かったということです。
警察などで逮捕した際に、容疑者がどこの誰かを特定する「人定」に誤りがあったもので、4月12日に正式に名前が判明しました。
警察によると、逮捕されたのは18歳未満の少女で、当初は実在する20代女性の名前をかたり、公的身分証を所持していたということです。また、この公的身分証について、盗難の被害届が、2月26日までに出ていたということです。
大阪地方検察庁は「当庁が公判請求した窃盗事件について、被告人の人定が誤っており少年であることが判明したことから、裁判所に公訴棄却の申し立てを行い、本日(12日)、公訴棄却の判決を受けるとともに、少年を家庭裁判所に送致した」と発表しました。
この事件の公訴を棄却した大阪地裁の判決によると、検察は起訴時点では逮捕された人物を、所持していたマイナンバーカードから、広島市に本籍がある風俗店従業員と特定していましたが、本人が弁護士に対し、自分はタイ国籍で2005年生まれだと申し立てたということです。入国管理局での本人確認などから、タイ国籍の少女と判明しました。