看護師、呼吸の穴誤りふさぐ 愛媛県立病院で患者死亡
愛媛県立中央病院(松山市)は4日、記者会見を開き、呼吸確保のため70代の男性入院患者の首に開けた穴に、看護師が誤って空気を通さない粘着性のシートを貼り、男性が窒息死したと明らかにした。河崎秀樹副院長は医療ミスを認め「あってはならないこと」と謝罪した。
松山東署は業務上過失致死の疑いで、病院関係者らから詳しい状況を聴いている。
病院によると、男性は約10年前に喉頭を摘出。口や鼻からの呼吸ができなくなったため、呼吸確保のため首の表面に「永久気管孔」と呼ばれる穴を開けた。
その後男性は11月15日に脳出血で入院。同17日に手術した。永久気管孔には異物の混入を防ぐガーゼが貼られていたが、たびたび剥がれていたことから、12月3日に20代の女性看護師が剥がれにくい粘着性シートを当てた。約1時間半後、再び見回った看護師が、男性の心肺停止に気づき、医師らが蘇生を試みたが、男性は同日、死亡した。
病院によると、看護師はたんなどを吸引するため気管を切開した穴だと勘違いしたとみられる。医師が看護師に永久気管孔であることを事前に明確に説明したかはっきりしないという。
男性は喉頭を摘出していたため会話ができない状態だった。〔共同〕