イルカやペンギンと並ぶ水族館の人気者、ラッコ
そんなラッコが今、急速に数を減らしていることをご存知ですか?
5年後、残念ながら私たちは水族館でラッコに会うことができないでしょう
ラッコさんに何が起きているの!?
この記事ではそんなラッコの現状について徹底解説します
もちろん興味ある項目だけでもいいので見てみてくださいね
どうして数が減ってしまったの?
乱獲
時は遡り18世紀ごろ、毛皮目的の乱獲により徐々に個体数が減ってしまいました
僕たちの毛皮は撥水性と防寒性に優れていたから人気だったんだ
タンカー事故
また、1989年に起きたアラスカのタンカー事故も大きなダメージを与えたようです
この事故で大量の原油が海を汚染し、3000頭以上のラッコの命が奪われたとされています
この事故はラッコだけでなく、他の多くの生き物にも被害をもたらしました
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飼育下での繁殖に成功するも、、、
やっとラッコの減少に焦り始めたヒトはワシントン条約でラッコの捕獲を規制
2003年を最後に日本に新しくラッコを迎えることが禁止されました
その後、飼育下での繁殖も成功しましたが、飼育環境下で繁殖を繰り返した結果、
弱い個体が生まれるようになり現在まで数が減ってしまいました
これがここ最近日本の水族館でラッコの数が激減してしまった要因です
2023年4月現在、水族館で見られる3頭
メイちゃん(鳥羽水族館)
▼2004年5月9日生まれの19歳。(2023年時点)
▼鳥羽水族館生まれ、鳥羽水族館育ち
父はコタロウ、母はポテト
3頭の中では最高齢で、人間に換算すると80歳に相当します
キラちゃん(鳥羽水族館)
▼2008年4月21日生まれの15歳。(2023年時点)
2021年、アドベンチャーワールドで最後の1頭となったキラちゃんは、
メイちゃんのいる鳥羽水へお引越ししました。
ラッコは共同生活する生き物だから、一人ぼっちにならないような配慮だね
アドベンチャーワールドでは34年間で26頭のラッコの赤ちゃんが産まれました
国内有数のラッコ飼育実績を誇る水族館が最後の1頭を手放すのは、相当辛かっただろうと推察します
いつかまた水族館でラッコを飼育できる時代が来た時に、そのノウハウが後世まで引き継がれていることを切に願っています
リロくん(マリンワールド海の中道)
▼2007年3月30日生まれの16歳。(2023年時点)
▼キラちゃんのお兄ちゃん(父はカン、母はフローラ)
2012年にアドベンチャーワールドから海の中道へお引越ししました
マナちゃんというパートナーがいましたが、
マナちゃんはお腹に赤ちゃんを宿したまま、亡くなってしまいました
▼見分けポイント ・メイちゃんは白っぽい ・キラちゃんは黄色っぽい ・リロくんはグレーっぽい
最近まで生きていた3頭
マナちゃん(マリンワールド海の中道) 2021年2月死去
リロくんのパートナーでした
リロくんとの赤ちゃんをお腹に宿したまま体調を崩してしまい、子宮破裂で亡くなってしまいました
母マリンの5頭目の子供で、唯一大人まで育ったのがマナちゃんということもあり
飼育員さんの悲しみも計り知れません
ラッキーくん(鴨川シーワールド) 2021年5月死去
▼1998年5月13日に鹿児島の水族館で誕生
▼マリンピア日本海へお引越し
▼須磨海浜水族園へお引越し
明日香ちゃんのパートナー候補としてお呼ばれしたみたいです
▼2021年4月に鴨川シーワールドへお引越し
須磨海浜水族園のリニューアルに伴い、明日香ちゃんと共にお引越ししました
しかし、その1ヶ月後2021年5月に23歳で亡くなってしまいました
明日香ちゃん(鴨川シーワールド) 2022年5月死去
▼1999年2月3日に須磨海浜水族園で誕生
▼2021年4月に鴨川シーワールドへお引越し
須磨海浜水族園のリニューアルに伴い、ラッキーくんと共にお引越ししました
しかし、その2年後2022年5月に23歳で亡くなってしまいました
まとめ ーこれから回復することはあるの?ー
以前のように、身近で見られるようになったらいいなあ
私も切実に思います
ラッコはもう二度と日本の水族館で出会えないのでしょうか
ここから私の見解を述べていきたいと思います
水族館のラッコは?
日本の水族館で個体数を復活させるのは難しい
今生きている3頭は皆高齢のため、今からの繁殖は難しいでしょう。
高齢妊娠がきっかけで亡くなってしまったマナちゃんを思うと、
無理に繁殖させるのではなく余生をゆっくり幸せに過ごして欲しいなというのが私の願いです。
(各水族館もその意向のようです)
野生のラッコは?
一般的に生物は、外的要因によってある一定の個体数を割ってしまうと
↓個体数が減る
↓近親交配が起きやすくなる
↓遺伝的に弱い個体が増える
↓個体数が減る
いわゆる「絶滅の渦」というループに入ってしまいます
野生にどれほどのラッコが生き残っているのか、正確な数を知る方法はありません
ですが、絶滅の渦に入るラインを割っていないのであれば、復活の可能性はまだあると考えます
最近では、北海道でラッコの集団も目撃されたそうです。
野生の個体数が復活しつつあるのであれば数十年という長い期間を経て、再び水族館でラッコに会える時代が来るかもしれません
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