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脱退届

私ことサイジョーはこの記事の公開をもってサークル「レナモラシオン」から脱退いたします。
これはメンヘラかまってちゃんの「試し行為」ではなく私が決定したことです。
桐ケ原氏は悪くはありませんがあなたと関わる仮称「Aさん」の存在に脳が拒否反応を示し平静でいることができません。
草薙素子の「世の中に不満があるなら自分を変えろ、それが嫌なら耳と目を閉じ孤独に暮らせ」に現在の私を照らし合わせるならば、現状抱いている不満は私の中にある強いこだわりから来るものであり「我慢する」ことすらままならないゆえに実行不可能です。私の選択肢は二番目しかありません。
とにかく私を苛むストレッサーから逃れることしかできないのです。
だから逃げます。これまで学校からも就職からも人との関わりからも逃げてきたように、私の出来得る唯一の手段は後ずさりして手を引くこと、これだけです。

レナモラシオンが冠した「純文学官能小説サークル」。まずはどこから「純文学」と「官能小説」が結びついたのか、そこから思い出す必要があります。「思い出す」というよりはこの言葉の意味するところを考えることもせずただ乗りし今や完全に乗っ取ったAさんへの「ご説明」です。彼女がこの記事を読むことを大前提としています。桐ケ原氏への訣別に見せかけた壮大なAさんへの嫌味として書いております。女一匹が筆をかけて貴様に語りかけておるのであります。

「純文学の定義」として90年代に私が二度原稿執筆依頼を受けて書いたものの両方とも没にされ掲載されなかったJUNE誌の担当(?)編集氏の言葉があります。
「どこにもカテゴライズできないものを純文学と呼ぶんですよ」
原稿は没になりましたがこの言葉は四半世紀以上経ってもずっと私の心の中にあります。

桐ケ原さんが「実は俺、官能作家になりたかったんだよね」と切り出して10年前に書き進め未完のまま放置されていた「放課後のドミナ」をどうやって世に出すか、二人でずいぶん考えました。pixivやなろうのアダルト版など小説の投稿サイトを試しに見に行きましたが台詞と擬音だけで表現された「絵のないエロ漫画」と形容したいもののそれではエロ漫画にあまりにも失礼がすぎるおよそ小説とは呼べない、呼びたくもない稚拙なものがランキング上位を占めるあの場所に彼の作品を掲載してはならないと思いました。あの場所では元来小説の文章であるべきものが毀誉褒貶どころか罵詈雑言のみで一切「読者」に受け入れられないのが過去の実体験により容易に感じ取れました。そんな場所で「読者に受け入れられない」という失敗体験を桐ケ原氏に与えたくはありませんでした。
だから同人誌での発行を提案したのです。そして自分でも参加したことのない「文学フリマ」を発表の場に選んだのです。

官能小説サークルとして参加するサークルが当時ひとつしかなく、出展申し込みの際にどこのカテゴリにも当てはまらずに、その時に思い出したのが前述のJUNE編集さんの言葉でした。
ジュブナイルポルノではなく黒表紙方面の伝統的な官能小説でもない、青春小説とエロスの折衷。
カテゴライズ不可能な小説なのだから「純文学」。
レナモラシオンが掲げた「純文学官能小説」はそうして生まれました。

「放課後のドミナ」を一度だけの頒布で終わらせるには惜しく、初めはゲストとして呼ばれたはずの私がいつの間にかなあなあでサークルメンバーとして呼び込まれてサークル誌「L'hainamoration」が発刊されるに至りました。
私は私で幼少期からいやらしいものを好む困った子供で、男女でも同性愛でもとにかくいやらしいものならなんでも読みたい盛りの中学3年生の時にクラスメイトにこっそり貸してもらった小説JUNEで「未成年でも読んだり書いたりしてもいいエロがあるのか」と衝撃を受け、16歳から創作JUNEサークルに入って文章を書きつつ男性向けエロ漫画を読み始め、そこで受けた影響をJUNE→BL小説にフィードバックして90年代初頭にスカトロ喰いBL小説や男女の絡みも男同士の絡みもあるニッチな作品で大体のBL読者に嫌われつつ一時期だけいい思いをし、その後は10年に1冊ペースで奇跡的に単行本が出るものの最後の本が爆死して完全に業界から干され、今はBLを憎む90年代の怨霊として成仏できずそれでも一縷の望みを抱き続けて生きてきました。
そんな経緯で私もまたBLの世界にはいられず、念願どおりに男女の絡みを書いたとして基本悪文の極みと見做されているこの文体のせいで「実用的なもの」にはならず、けれども悪文と言われても私は私のこのくどい文体を愛しているので捨てるつもりも変えるつもりもないのでやはり「官能小説にはなれない何か」しか生み出せず、またしても「カテゴライズ不可能だから私も純文学としてエロを書こう」と勝手に「純文学官能小説」を冠したサークルにモラルもへったくれもない酷いものを載せてきました。

私たちは既存の官能小説に自らが括られることがないことを知っていたから自分たちを「純文学官能小説」とカテゴライズしたのです。
そうでなければどこにもいられなかったのです。
桐ケ原氏はまだジュブナイル官能小説の範疇に少しは入れたかもしれません、星海社の賞で処女作にして編集者の寸評をもらえるだけの力量を最初から持っていたのですから「こうすれば本になった」とアドバイスされるだけ一般に受ける可能性がありました。
けれども私はBLを追われた身で、官能小説らしいものも書けず、また人に合わせてそれらしいものにするつもりもさらさらなく、自分の文体でもって自分なりのエロを書いていきたかった者にはここしか居場所がなかったのです。自分たちで自分たちをカテゴライズした場所にしか。

そこにAさんがやってきました。いかにも既存の官能小説のスタイルに則った作品を書く彼女に頭の「純文学」の文字は見えなかったようで、「官能小説を書くお仲間がいる」と桐ケ原氏と仲良くなり、「初めて桐ケ原氏の小説を認めた者」を自称し、大変お気に入りの模様です。
行動力があり人脈もある彼女はあっという間に「純文学官能小説アンソロジー」と称した本を作り上げました。ほぼなろうワナビの方々の原稿でもってして。そこで桐ケ原氏の文章は明らかに異質で浮いていました。少なくともあの中で読んで字の如くの「純文学」をやってのけたのは彼だけでした。

Aさんの電子書籍でのプロデビューが決まり、彼女は有頂天で、やれ「新人賞に応募しなくともプロになれる」だ「コミケにもコミティアにもプロが出ているのだから文学フリマにもプロが参加していいはず」だと私からしてみたら「ひょっとしてこれはギャグで言っているのか?」な言動を繰り返し、こともあろうにどこにもカテゴライズされないどころかバリバリ既存の方法を踏襲したプロ官能小説家を文学フリマに誘っているところを見て、完全に「だめだこりゃ」となりました。あの、コミケはともかくとしてBL小説本を出していたほどですからJ.GARDENへの参加歴はないのでしょうか。ほぼ商業作家が自作の番外編を同人誌で発行してそれを目当てに商業BL読者が朝から長蛇の列を作り、プロ作家の本だけ買ってさっさと退散していくイベントでアマチュアが出る意味などひとつもないイベントですが。
脱線しましたが、日陰でひっそりと生きていた弱々しい草が一粒飛んできたナガミヒナゲシの種によって侵食されるようなもので、陽キャコミュ強人脈豊富なパワフルAさんに棲息地を奪われ、陰キャでコミュ障どころか16歳から昼夜逆転引きこもりの人間嫌いの私は駆逐されました。私のいる場所はもうどこにもありません。

もともと90年代のBL雑誌乱立バブル期に同人作家青田買いで商業の世界にごく短期間いただけで、そのほんのいっときの、己の人生で唯一の成功体験を忘れられずに無様に商業に、小説にしがみついてきた怨霊が私です。
最後だと思った居場所すら奪われた今、もう成仏こそできずともいい加減目を覚ますべきなのでしょう、お前の書くものには読む価値などない、そんなものを書いたって誰も読まない、読まれたとしていい評価などされない。
幼稚園児の頃から祖母に繰り返し怒鳴りつけられてきたその通りに私はそもそも生まれてくるはずではなかったいらない存在でしかないのです。

文章を書いても無駄なので、私はいてはいけない存在なので、外来種に駆逐されたこの期に乗じておさらばいたします。
桐ケ原氏の面倒は一番の理解者を自称しているAさんが見てくださると思いますのでこの際すべてお任せすることにします。文学フリマの申し込みは最初から合同サークルとして机1本取ればいいですしそのほうが楽です。原稿作りも一太郎でなんとかしてくれることでしょう。
それではこれまでお世話になりました。50歳を目前にして私をいじめない男友達ができるとは思ってもみませんでした。そういう人がいることを幼稚園卒園以来初めてしれたのは収穫でしたがもう二度と現れることはないと思います。
うさみ☆先生にも感謝を。人生であんなにエロ漫画の話をできた人は先生だけです。楽しかった。

私は狭い人間関係しか築くことができない、それも長く続かず友人知人などとは縁がないだめな奴です。ほんの一人、自分が関わるわけではない人物が現れただけで関係を全てなかったことにして縁を切ってしまう奴です。
桐ケ原氏とAさんに関わり合うななどとは言えず、むしろ二度と上京することもなく今生皆さんとお会いすることもないであろう私が立ち去るのが最善策です。
Aさんとの関係は切らないでください。交友関係の広い人に何かすると信者ファンネルが飛んできます。ファンネルを向ける相手が私ならば標的が消えているのですから桐ケ原さんの安全は担保されます。これまで好かれることがなかった私です。憎まれるのには慣れています。

サイジョー、それ以前の西条公威、これにて完全消滅です。皆喜んでくれることでしょう。

喜んでください。





# by crawfish2023 | 2023-03-03 03:32