“三刀流”小林あか里が連覇「世界で活躍したい」…チャレンジサイクルロードレース

チャレンジサイクルロードレースで連覇を果たした小林あか里
チャレンジサイクルロードレースで連覇を果たした小林あか里

◆自転車 ▽報知新聞社主催 チャレンジサイクルロードレース大会 最終日(9日、静岡・日本サイクルスポーツセンター)

 日本自転車競技連盟の登録競技者による8カテゴリー13種目のロードレースが行われ、604人が参加した。女子23歳以下のレース・WUの部(34キロ)は、21歳の小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)が2連覇を飾った。

 ラスト2周。小林は立ちこぎでペダルを踏むアタックを仕掛けた。後続を一気に引き離すと2位に1分12秒差をつける圧倒的な強さで連覇を果たした。ゴール後は両拳を突き上げ「得意の上り坂があって好きなコース。レース中に作戦を考えて、(スパート後)最後まで踏み切れたのが良かった。連覇できてとてもうれしい」と喜びをかみ締めた。

 96年アトランタ五輪マウンテンバイク(MTB)代表の母・可奈子さん、MTB選手の父の影響で、5歳の時にMTBを始めた。高校2年時にスイスに渡り、国際自転車競技連合(UCI)の本部があるワールドサイクリングセンターとの縁で欧州のチームに入って世界のレベルを肌で感じた。

 ロードレースは帰国後の22年に弱虫ペダルサイクリングチームに入り、本格的に始めた。すぐに才能が開花し、昨年のチャレンジサイクルロードレース同種目で優勝。同年10月の全日本選手権23歳以下の部も制した。

 MTBとシクロクロスとの“三刀流”で挑む。自転車が強豪の欧州の選手は複数の種目に励むケースが珍しくなく、小林も「メイン種目とかはない」と話す。

 趣味はお菓子作りでレース前にはチームメートに手作りのものを差し入れる。この日は「チョコマフィン」などを持参。21歳の女子らしい一面もあるが、ペダルに足をかければ、母譲りの気持ちの強さを示す。昨年のMTB全日本選手権は悪天候で地面がぬかるんでいた。難条件下、レース中に体勢を保てずコース内の岩で顔面を強打。前歯が折れ、顎を切って左足は打撲。「顔面が血まみれでした」。それでも優勝。周囲は小林の「ど根性」に驚くばかりだったという。

 24年パリ五輪はMTBで母と親子二代での出場を目指す。「母がオリンピアンだったので、オリンピックはずっと自分の中の目標としてあった。絶対に狙って行きたい」と誓った。また、自転車強豪の欧州再挑戦も胸に秘めており「自転車大国で活躍できる選手が、日本の女子では少ない。世界で活躍する選手になりたい」と夢を思い描いた。

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