子どもの入院。親の付き添いは必要か?
現在5ヶ月の息子を育てている42歳のママです。
息子はこの2ヶ月の間に2回入院しました。
尿路感染症でした。
入院中にいろいろと検査を受けた結果、
『膀胱尿管逆流』と診断されました。
息子の場合は、片方の尿管が普通より太く
そのため尿が出るときに
尿管から腎臓へ尿が逆流し、
それが原因で感染を繰り返してるとのことでした。
逆流の程度は5段階中の4。
将来的には手術が必要だが、
今はとりあえず感染を起こさないことを目標に
抗生剤を内服しながら
外来通院で経過観察中です。
1回目の入院後、退院してから毎日
抗生剤を飲んでいたにもかかわらず
2週間ほどでまた発熱して
入院となってしまったため
2回目の入院後の退院からは
抗生剤を2種類飲んでいます。
それでもまたすぐ熱が出るんじゃないかと
毎日とても不安です。
息子の入院した病院は
全館で面会禁止になっていますが
小児科のみ特別に面会・付き添いOKとなっています。
ルールがいくつか決まっていて
・病棟に入れるのは両親どちらか1名
・病棟への出入りは最小限に
・付き添いのシャワーは院外で
親の面会・付き添いは
〝可能な範囲で〟とのことでしたが
夫は仕事の忙しい時期で休むことが難しく
平日は私、土日は夫が面会に行ってました。
私は週に2回ぐらい病院に泊まり
翌日は昼過ぎに帰宅、
それ以外の日は毎日昼前~夕方まで面会に
行ってました。
どちらの実家も遠方で、
このご時世、高齢の両親に
手伝いに来てもらうわけにもいかず
近場には頼れる身内もいません。
本当なら24時間ずっと付き添いをするのが
よいのでしょうが、
わがままや甘えと思われるかもしれませんが
私の体力・気力的にもこれが精一杯です。
医師からは、息子は今後も尿路感染症で
入院を繰り返す可能性は高いと言われています。
少しでも長くお家で過ごせるよう
お薬を調節して様子を見ていきましょうとのことです。
短期間での繰り返しの入退院、
正直、心も体もしんどいです。
私はどうすればいいのでしょうか・・・。
子どもの付き添いについて
HISAKOさんのお考えをお聞かせ願えませんか?
↑↑↑
わたしが小児科病棟に勤務していたのは
まだ独身のころでした。
総合病院だったので、入退院を繰り返す常連さんも多く、
そのつど患児のママは付き添っておられましたが
当時、子育てのイロハも知らなかったわたしは
その過酷さがまるでわかっていませんでした。
ママなんだもん、
病気のわが子に付き添うのが当たり前でしょ?
それぐらいにしか思ってなくて
なんの深みもない、
思いやりのカケラもない
本当にダメダメな医療従事者でした。
ときは経ち、
12人産んで、うち4人の子が入院を経験しました。
患児を受け入れる医療従者の立場から
お願いするママの立場になりました。
病院の方針もいろいろでしたが
病室に泊まり込んで看護せざるをえないことも
ありました。
一番たいへんだったのは
生後2ヶ月の赤ちゃんがいるときに
上の子が入院になったとき。
赤ちゃんは小児科病棟には入れないので
授乳を断念するしかなく・・・。
授乳ができない上に、
付き添いの親の分の食事も出ないので
ダッシュで院内のコンビニに
ごはんを買いに行く生活。
3食コンビニが延々続き・・・
シャワーも自由にできない・・・
これを健康的生活と呼べるでしょうか。
親族が近くにいれば
食事を差し入れてもらうことも可能だったかもしれませんが
わが家の場合はそれも叶わない状況だったので
自力で調達するしかありませんでした。
夜は狭い子どものベッドに一緒に入って
膝を折り曲げて眠るか
ベッドサイドの硬くて狭い簡易ソファーベッドで
仮眠をとるか。
・・・で、当然のごとく
疲労と栄養の偏りとストレスと
いきなりの断乳が重なって
乳腺炎になりました。
「乳腺炎です!」って言ってるのに
発熱の原因がなんらかの感染症だと困る!
と言われ、強制帰宅を命じられ、
代わりに夫がなんとか仕事を休んで病院へ。
わたしは40度の高熱の中、
家できょうだい児たちの世話と家事を
全部ひとりでしなければならなくなり
もう、生きた心地がしませんでした。
妊娠中に
子どもの入院付き添いをしたときも
地獄でした。
病室においてある付き添い者用の椅子、
あれは決して快適ではありません。
腰や背中、あちこちが痛くて
おなかも張ってくるしで本当にキツかった!!
夜中は看護師さんがしょっちゅう部屋に入ってくるので
あまり眠れません。
わたしは小児科病棟勤務経験があるので
子どもの点滴管理は細心の注意を払う必要があることや、
呼吸器系の病気の場合には
時間ごとの吸入や、鼻吸い処置など
夜中の頻回のお部屋訪問が必須事項であることは
理解しています。
だけど、親の立場になったとき
夜中の人の出入りが
こんなにしんどいんだと思い知りました。
落ち着いて眠ることができず
朝の時点でぐったり疲労感・・・
かといって、昼間も同様の状況なので
仮眠もとれません。
ふらふらになりながらも、
ママがいない家で
我慢して待ってるきょうだいたちのことも気になって
メンタル、ヤバかったです。
ママであるわたしとしては、
他のきょうだいたちのことも、
入院してる子のことも、
どちらも大事にしたくて・・・
いろんな意味でいっぱいいっぱいでした。
完全看護で泊まり込みは不可、
という病院も経験しましたが、
昼間、面会に行くと
ひとりぼっちの病室で泣きはらしたわが子。
いつから泣いてたんだろ・・・と
こっちまで悲しくなり、
おむつはパンパンで
これ、いつから替えてないんだろ・・・と
切なくなりました。
ただ純粋に、
病気の子どもについていてあげたいママの愛情。
そして付き添わなければいけないという
規範意識。
病院の中でも、家族と子どもは希望どおりに
一緒に過ごす権利がある、という考え方は
家族思いのようで、家族思いではなかったです。
現実的には
ママの体力、メンタル、きょうだい児たちのお世話、
仕事など
生活にはいろんな背景があって、
面会や付き添いは、できる場合、できない場合があるから・・・。
『親は付き添って当たり前』という
社会の暗黙の圧力は
このような背景にまったく配慮のない、
乱暴な固定概念じゃないかと思いました。
付き添わない選択をしたら
白い目で見られるんじゃないか・・・?
世間の目も気になるでしょうし
たとえ心身が限界突破したとしても
仕事を失っても、
献身的に付き添い続けてこそ
この子のママと言えるんだ、と
自分自身を理不尽に追い込んでいくという
悪循環の一面もあります。
多くの小児科病棟では、
「可能な限りの付き添いを」
「親の希望があれば付き添いを」
という建前で
医師の許可をもらえば付き添いOKとされます。
人手のかかる小児看護の現場。
看護師や他のスタッフの配置数は
実はまったく足りていません。
大人の患者も、子どもの患者も
配置される看護師の数はほぼ同じである時点で
家族の労力に依存するしかない・・
それがリアルな現場の実情なのかもしれません。
「看護師代わりに家族を使ってはならない」
というのは
厚生労働省からも通達されていますが
「親の希望」という遠回しの半強制で
面会や付き添いを要請されているだけのように
当時、感じました。
もちろん完全看護の小児科病棟もありますし、
病院によっていろいろですが、
親が本来求められるべき
選択肢を限定されている現実・・・
それが現在の日本の小児科看護体制には
根強く残っていると思います。
無理な面会をなにげに強要されないのなら
あなたのペースでいいと思います。
それはわがままや甘えとは違います。
他の親御さんより面会の時間が短かったとしても
ママがゆとりを持って
笑顔で会いに行ってあげることが、
子どものためにもあなたのためにも
一番大切なんじゃないかと思います!
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