数ある自転車トラブルの中で、絶望感を持ってしまう状況があります。
それは「スポークが折れて」しまうこと。
転倒、落車、金属疲労と理由は様々ですが、なかなか経験するトラブルではないためちょっと焦ってしまいますよね~。
でも、大丈夫!
対処方法さえ知っていれば、焦る必要はありません。
ロードバイクだろうがクロスバイクだろうがママチャリだろうが、やることは同じです。
- 基本的には乗らない。
- 折れた後に必ず行う応急処置を紹介します。
- 自転車屋まで遠い場合、強制的に乗る裏技もある。
- 自転車のスポークが折れたら、ショップへ持ち込み修理する。
→スポーツ車1,000円~。
修理時間は10分~。
→ママチャリ3,500円~。
修理時間は40分~。
過去に2度のスポーク折れを経験したサラピエ。
実体験をもとに応急処置から持ち込み修理までの流れをご紹介します。
自転車のスポークが折れた時は?【応急処置~持込修理までの流れ
応急処置:折れたスポークはそのままにしない
「スポークが破損した!」と認識した時点で、最優先に行うことがあります。
「折れた」スポークを、左右に位置する『折れていない』スポークに巻き付ける
やることはたったこれだけです。
応急処置の目的は、折れたスポークがプラプラと遊ばないようにすること。
スポークがグニャリと曲がるならば、折れてないスポークに巻き付けてもOKです。(折れたスポークはどうせ破棄するため)
それが出来そうにない場合は、テープ、結束バンド、紐を使ってとにかく固定してください。普段持ち歩かないアイテムなので、コンビニやホームセンターに駆け込みましょう。
破損の放置は、機材と人間に危険
なぜ、応急処置が必要となるか分かります?
折れたスポークを固定していないと、回転時に縦横無尽に動き回ります。
その事により、下記の可能性が出てくるんです。
理由は色々ありますが、やっぱり一番はホイールへのダメ―ジですかね。
写真の状況だと、折れたスポークがフォークに引っかかり、他のスポークをテコの原理で曲げてしまう可能性があります。
折れたスポークのまま自転車に乗っても大丈夫なのか?
手押しで移動:自転車の乗らずに済むパターン
スポークの固定が終えたら、近くにある自転車屋を目指すことになります。
市街地でのトラブルだと、多くの人がこちらのパターンかと。
持ち込みの修理はサイクルベースあさひのようなチェーン店でもいいですし、プロショップでも構いません。
基本的には「乗って」移動するのは、避けた方がいいです。
そのほうが金銭的ダメージが少なく、安全性も高いから。
時間に余裕があり、数キロ以内にお店がある場合は、自転車を手押しして移動しましょう。
手押し移動を推奨する理由
※こちらは構造の説明なので、読み飛ばしOKです。
ホイールは均等のとれた張力で円を保っている
ホイールという物は、スポークの張力を利用して、リムとハブを引っ張りながら固定しています。つり橋のワイヤーを想像してもらえると分かりやすいかと思います。
ママチャリ用のスポークだと34本、ロードバイク用のスポークだと20本以下の物も珍しくありません。たったそれだけの本数で体重を支えてくれているわけです。
どんな種類の自転車にしろ、リムとハブが中心から均一に引っ張られることで、ホイールが『円』を保つよう設計されています。
バランスが崩れると他のスポークが曲がる
トラブル発生時には均衡を保っていた1本のスポークが折れてしまっているわけですから、その部分の張力が無くなってしまいます。
支えがない状態で、荷重をかけると、周りのスポークにも影響を及ぼしかねません。
本来、折れたスポークが吸収するはずだった衝撃を、周りのスポークが受けることになってしまうので。
ホイールの状態を考えるならば、歩くのが一番
歪みや曲がりが酷くなると、「スポーク1本の交換」だけでは済まなくなり、『ホイール全体の交換』が必要になってくるでしょう。
以上のことから、よっぽどの理由がない限り、押して歩くことを推奨します。
後述しますが、スポーク交換ならば1,000~3,500円と幅がありますが、5,000円以内には収まるでしょう。ホイール交換となると8,000円以上のパーツ代に工賃がプラスされます。
※通常の使用でも、ホイールのバランスは崩れてしまうので、定期的に「振れ取り」というメンテナンスが必要になってきます。詳細はコチラをご覧ください。
自転車に乗らざるをえない状況の場合
とはいえ、「押して歩く」わけにはいかない状況もあるでしょう。
- 自転車屋(または自宅)までの距離が遠い。
- 時間を厳守しなければならない用事がある。(学校、会社など)
現代人って本当に大変💦
トラブルにあっても時間は待ってくれないんですもん。
ロングライドで遠出している人だと、郊外で自転車屋が無いパターンも・・・
状況と修理費を天秤にかけて判断してみてください。
その手助けとなる応急処置(裏技)をご紹介します。
必要な物はテープと添え木
必要な物は2つ。①添え木、②固定に使うテープです。
添え木はその辺の枝でもいいですが、理想は割り箸。
テープは、布テープ、ビニールテープ、セロハンテープ、など重ねられるものにしてください。どちらもコンビニで入手できますね。
ちなみに、重ねて巻くことにより強度の確保を行うので、ガムテープは不可です。
添え木をしてスポークをグルグル巻きにする
スポークが折れた状態から、
割り箸を当てて、テープで固定します。
写真は分かりやすくするためにここで終わっていますが、あとはテープを引っ張りながらグルグルに巻き付けてください。折れたスポークはどうせ捨てるので剥がすことは考えなくて大丈夫。
割り箸が隠れるぐらいの量を使わないと意味がありませんからね~。
セロハンテープであっても、強度はしっかりでます。
乗る場合の注意点
これで、緊急的に自転車には乗れるようにはなったはずです。ただし、あくまでショップに行くまでの処置なので、「乗り続ける」のは危険です。
出来るだけすぐに修理をしてください。あとは下記にも気をつけ、安全運転で目的地を目指します。
安全優先:状況に応じた判断をする
記事では「自転車屋まで行く」前提で話を進めていますが、電車での輪行や車での回収という選択肢も考えておきましょう。
あまりにも目的地まで距離が離れていると、「自走」が無謀な場合もあります。
自転車をどこかに駐輪して、公共交通機関で帰る。家族や知人に連絡して迎えにきてもらう。
無理をして事故をするより、怪我をしないことがやっぱり大事!
スポーク交換の費用と修理時間
やっとのことで自転車屋に到着!
これで一安心なのですが、次に気になるのが修理費。
実はママチャリとスポーツバイクで工賃が違っています。
それはホイールを簡単に外せるかどうか?という点。
そういう意味ではママチャリの方が手間がかかるため、料金はちょっとお高く時間もかかります。
スポーツバイクの場合
ロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイクの場合は、修理時間も短く、料金も安く済む場合が多いかと思います。
大阪在住時に、有名なプロショップに持ち込み修理を依頼したことがありました。
使っていたのは、シマノのWH-R501。完成車に付属していたり、トレーニング用に選ばれたり、用途の多い名品だと思います。
お店の人:「純正のスポ―クじゃなくてよければ、すぐに修理できるよ」
特にこだわりはなかったので、修理を依頼。ものの10分程度で済み、料金も1,000円ぐらいでした。
サラピエ:「えっ!?そんなに安いんですか?」と聞き返したぐらい。
それもそのはず。スポーク自体は100円と非常に安く。修理料金のほとんどは工賃。
「振れ」は出ていなかったので、1本分のスポーク交換と調整だけの料金で済みました。
ママチャリの場合
ちょっと厄介なのがママチャリのほう。
サイクルベースあさひの工賃(前輪のスポークが一本折れた場合)
- 料金:3,500円~
- 作業時間:約40分
さきほども申した通り、スポーク自体は非常に安いのですが、ママチャリだと逆に修理費が高くつきます。
それは、ホイールの脱着に手間がかかるため。
1万円のママチャリだと、高額な工賃に思えてしまうかもしれませんが、決してボッタクリではないことは覚えておいてください。
スポークが折れる原因
スポーク折れの原因には様々な物がありますが、多くの場合は「金属疲労」が原因と考えられます。
などの場合は、金属が経年により劣化しているので、転倒や落車のときにポッキリ!
または乗っているときにポッキリという事もあります。
スポークが折れただけですと、交換で済みますが、リムが破断する可能性もあります。
写真のようになってしまっては、手の施しようがありません。ホイールの寿命と割り切り新しいものを購入しましょう。
ホイールは前後セットのイメージが強いですが、「リアのみ」「フロントのみ」も販売しています。
必要なほうだけを購入すれば出費も少なく助かります。
まとめ:スポーク折れは固定して、交換・修理は早めに。
本記事の要点をまとめます。
- 自転車には出来るだけ乗らず、手で押して移動するのが理想。
- 移動の際には、折れたスポークを、他のスポークに巻き付ける。
- テープと添え木の裏技もあるが、安全を優先する必要あり。
- スポーク自体は、100円前後と安価。
- スポーツ自転車とママチャリで修理費が違うのは手間の差。
→スポーツ車は1,000円~。
→ママチャリは3,500円~。
日頃の点検では、避けようのないスポークの折れ。
ある日突然降りかかるトラブルではありますが、どうかパニックにならずに冷静に対処してください。一番の悪手は、「そのまま乗る」ことですからね~。
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