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(三郎)構えい!
(三郎)始めい!(佑一郎)やあ!
(三郎)逃げるな!(庄之介)卑怯者。
(せきこみ)
やあ!
(竹雄)う…。
これ以上は!代わりに わしを打ち据えてつかあさい!
(古沢)こら~! 何やりゆうか!?
何ちゃあないですき。 ただの稽古です。
(古沢)一同 席に着け。(一同)はい!
町人が。 行くぞ。
おけがは ありませんか?苦しいところは?
♪~
(万太郎)うわ! うわ うわ…。アハハ。 また おまんか。
若…。
ああ… 拭いちゃろう。結構です!ああ そう?
あ?講義の最中やろう。 何で門を出ゆう?
もう 帰る…。
せっかく勉学の機会を得たがやに?
勉学らあ いらん。
あ? おまんは 峰屋の当主やろう?
峰屋は 番頭に手代衆がおる。
酒は 杜氏の親方と蔵人らあが造ってくれゆう。
わしは 何ちゃあ…。
新しい時代が来たのにか?
今は 世の変わり目。武士の子らは それが よう分かっちゅう。
嫌でも変わらざるをえん。
この先は ただ 己の才覚によってのみ立たんといかんと骨の髄まで分かっちゅう。
おまんも しきたりに とらわれんと。
今こそ 変わる時なんじゃ。
おばあちゃんは何ちゃあ変えたらいかんと。
先祖代々やってきたことをそのまま続けていけと。
ふ~ん… おまんは どう思う?
えっ…。
うん… ほんなら ここへは用もないな。
帰れ 帰れ。 フフフ。
よいしょ。 う~…。
うら!
おっ ハハ! あ~ ま… 待って!
消えるな!
よっ!
あ… あ~ 消えるかあ…。はあ…。
♪~
♪「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」
♪「私は決して今を」
♪「今を憎んではいない」
♪「命ある日々 静かに誰かを 愛した日々」
♪「空が晴れたら 愛を、愛を伝えて」
♪「涙は明日の為 新しい花の種」
♪「空が晴れたら」
♪「逢いに、逢いに来て欲しい」
♪「涙は枯れないわ 明日へと繋がる輪」
(せきこみ)
(せきこみ)
(竹雄)大丈夫ですか?熱が出ちゅうがじゃないですろうか?
失礼します。
あざが…。
あ… 何ちゃあ ありません。
それより ちっくとだけ面白かったですき。
面白い?
お武家様に逆ろうてこのとおりピンシャンしちょりますき。
昔なら 手討ちにされたち文句は言えんかったろうに。
なあ 竹雄。はい?
おばあちゃんは変わったらいかんと言いゆう。
おばあちゃんの言うことは間違うちゅうわけない。
けんど あのおじさんは変わる時やと言いゆう。
どういうことじゃろうか?
どういて…ここが冷えるがじゃろうか?
大変じゃ!そりゃ 風邪ひく前触れですき!
地面に転がっちょったら いかん!帰りましょう。
♪~
(たま)大奥様 失礼いたします。
若様が お戻りになったがですけんどご様子が…。
(タキ)また熱か?(たま)いや…。
万太郎 名教館に行かんとはどういうことじゃ!?
お武家の子らあに いじめられたかえ?
万太郎 おまんは 確かに 体は弱い。
けんど 心まで弱いままじゃ いかん!殿様が せっかく おまんを名教館にお許しくださったがじゃ!ありがたく…!行かん!
万太郎!そうやち 違うこと言うがじゃ。
名教館が違うことを教えるわけがないじゃろう!
おばあちゃん!名教館に行かんなら 飯抜きじゃ!
たま 竹雄 えいな?はい。
大奥様 若様は 昼飯も…。
フン!
♪~
はあ…。
何しゆう?(綾)おばあちゃん…。
ごめんなさい! つい…。
その帳面は当主だけが受け継ぐもんじゃ!
(綾)掃除しようと思うたら桶の絵が見えたき。
知りたかったがです。
お米を蒸したとこからどうやって酒が出来るがか。
あの匂い 忘れられんで。
あの時 たった いっぺんじゃったけんど蔵に入った途端 何かが変わった。ひんやりして ふわっとした甘い匂い。それから 何か生きている気配。
蔵の中で 何が起こりゆうがか知りとうて。
言うたじゃろ!
おなごは蔵に一歩たりとも立ち入ったら いかん!
おなごは汚れちゅう。昔っからの決まりじゃ!
おまんは?
おなごじゃ…。
とはいえの家業に目が向くがは えいことじゃ。
目が向くき 酒の出来が気になる。商いに張りが出る。
家の者たちも ねぎらえる。
それに…。
とにかくこの帳面に 勝手に触ったら いかん。
これは 万太郎のもんじゃ。
はい…。
ただ 万太郎には 支えとなる者が要る。
あの子のことはただ生きちょってくれたら えい…それだけ思うて 育ててきてしもうた。
そのせいで…。
綾… 万太郎のこと 支えてくれるかえ?
はい。
いつか嫁に出ても 万太郎のこといつまでも力づけてくれるかえ?
当たり前です。あたしは たった一人の姉ですき。
♪~
うう…。
・(綾)万太郎 握り飯 持ってきたよ。
あ…。
ないしょね。
姉ちゃん…!
うっ…。あっ…。 ゆっくり食べや。
あのね えいこと 教えちゃろうか?えっ?
万太郎はそのうち あたしより背が高うなる。
力も強うなる。
声やち 低うなるがじゃ。
変じゃの。
立派な当主になって 酒を造って峰屋を大きゅうして…。
あたしは 嫁に行く。
どっか知らん家で 知らん旦那様に尽くす。
どうせ尽くすがなら峰屋に ずっと おりたいがのう。
おったら えいき。
おなごやき。 おなごは嫁に出される。
どんなに酒造りが しとうても蔵の中に入ることさえ できん。
汚れちゅうがじゃと。
汚れちゃあせん!
姉ちゃんは どこも 汚れちゃあせんき。
わしの大事な姉様じゃ。
したいなら したらえいが!
酒造り したらえいき!
わしは蔵に入れて 姉ちゃん入れんらあおかしいが。
万太郎…。おかしいが!
昔っからの決まりじゃ。
そんなが 変えたらえい!
おまんも しきたりに とらわれんと。
今こそ 変わる時なんじゃ。
万太郎は 優しいね。
せっかく学問所へ行かせてもらえるがじゃき。
万太郎 頑張りいや。
うん!
若 大丈夫ですか?
おまんは 帰っちょってくれんか?
一人で行く。
♪~