2022.01.02

死刑は「12月」がなぜ多い…? ほとんどの人は知らない「死刑執行が決まる瞬間」

日本は、世界でも珍しい「死刑執行」をする国

2021年12月21日、刑確定死刑囚3人の刑が執行された。死刑執行は2019年12月以来の2年ぶり。世界では死刑制度が廃止される国が増えている中にあって、日本はいまや稀有な死刑を執行する国になっている。

「裁判において十分な審理を経た上で,最終的に死刑判決が確定したものです。以上のような事実を踏まえ、法務大臣として慎重な上にも慎重な検討を加えた上で死刑の執行を命令した次第です」

今回、古川禎久法務大臣が会見でこう語ったのもそうした背景があったからだろう。

古川大臣 photo/gettyimages
 

そもそも死刑とはどのように行われているのか、死刑囚はどのような生活を送っているのか、そして死刑制度は存続させるべきものなのか――令和に時代に突入したいまこそ、日本国民全体が改めて考えるべきテーマとして浮かび上がっている。

最近では、死刑に立ち会った刑務官に取材したマンガ『刑務官が明かす死刑の話』が死刑制度の実態が詳細に描いているとして話題になるといったことも起きている。

「刑務官が明かす死刑の話」より

実際、『刑務官が明かす死刑の話』では、マンガを通して死刑へのさまざまな知識を学ぶことができる。

たとえば、死刑執行に携わる刑務官の「数」について紹介している箇所では、そもそも死刑において執行ボタンを押す刑務官は1回の死刑において3~5人だということが紹介されているが、そうしたことを知っている人はかなり少ないのではないか。

今回の死刑執行をめぐる法務大臣の記者会見でも、じつはそんな日本の死刑制度に関する課題や問題が議論された。

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