プロ転向の狙いとは? 陸上女子の田中希実(23)がスポーツ用品メーカーのニューバランス社と所属契約を締結。3日の会見では「世界のトップで戦うのが一番の目標。陸上界だけでなく、たくさんの方の目に留まる選手になっていきたい」と抱負を語った。
一昨年の東京五輪では1500メートルで日本人初の8位入賞を果たすなど、世界の舞台で活躍。しかし、近年はがむしゃらさやハングリー精神が薄れてきたことを実感していたという。田中は「世界のトップでは潜在能力以上のものがいる。より強い思いと確かな取り組みが必要。自分自身を変えないといけないという思いが強かった」とプロ転向の意図を説明した。
同志社大出身の田中は、スポーツ界屈指の読書家としても知られている。五輪出場経験を持つ陸上関係者は「本当に賢いと思うし、昔は理論派みたいな感じでいくのかなと思っていたけど、意外に感情で動くところもある」と指摘する。理詰め一辺倒ではなく、内に秘めたハートの熱さも本来の持ち味。今回の決断は自身のモチベーションを高めるきっかけとなりそうだ。
その田中は「がむしゃらさを見せるだけでもいけないし、結果やカッコいいと思わせる両方の側面が必要だと思う」。新たな環境に身を置き、さらなる飛躍を目指す。