---------------------------------

----R----005--------------------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----m------------------------------
----a-n-----------------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------


（万太郎）天狗　来て！誰か　花をちょうだい！
♪～
（ふじ）震えちょります。布団が足らんがやろうか？
（鉄寛）汗ですろう。　拭いちゃってください。
♪～
（竹雄）綾様！
♪～
♪「言葉足らずの愛を　愛を貴方へ」
♪「私は決して今を」
♪「今を憎んではいない」
♪「命ある日々　静かに誰かを　愛した日々」
♪「空が晴れたら　愛を、愛を伝えて」
♪「涙は明日の為　新しい花の種」
♪「空が晴れたら」
♪「逢いに、逢いに来て欲しい」
♪「涙は枯れないわ　明日へと繋がる輪」
裏の神社じゃ！万太郎　花を探しに行ったがやろう！
坊は　綿入れ　着ちょったろうか？
連れ戻さんと！綾様は　ここに！　わしが行きます！
あたしも行く！　待ちゆうらあ　できんき！
日が暮れる。　早う行こう！はい！
万太郎！坊　どこです？
万太郎！坊！
おらん…。
万太郎　行ったかもしれん。あそこから先は　入ったらいかんと。
けんど！
竹雄は　村の方を捜して！
わしも行きます。
坊！
（風の音）
綾様　大丈夫ですか？
ハァ…　ハァ…ハァ…　ハァ…。
お母ちゃん…。
どういて万太郎ながやろう思うたことがある。
弱～いのに　やりたがり。
迷惑ばっかしかける。
勝手に倒れるしつまらん葉っぱを　ず～っと見ゆう。
うちの男衆とは　まるで違う。
あたしと万太郎が　あべこべやったらって思うたこともある。
あたしが男なら　早う大きゅうなって蔵人みたいに働くに。
酒の神さんにも嫌われんと峰屋の役に立つに。
綾様…。
けんど　違うた。
どうか　また　峰屋に来てくれますろうか？
へい！こちらこそ！ありがとう！
あたしは　ああいうふうに人を笑わせることは　ようせん。
万太郎は　弱～いけんど万太郎じゃないと　いかんがやき！
うっ！
あ…。
♪～
万太郎！坊　どこですか？
（せきこみ）
♪～
ん？
花じゃ！
♪～
うっ…　ああ…。
♪～
（鉄寛）残念やけんど夜明けまで　もつかどうか…。
（タキ）ヒサ　まだいかん！　しっかりしい！
万太郎は　名教館に行く！
綾も　女らしゅうなる！
おまんが　見ちゃらんで　どうするが…。
お母ちゃん待っちょって！
あっ！
うっ…。
あれ？
ん～！
どうしよう…。
誰か　来て。
助けて…　助けて！
（たま）坊ちゃん。
坊ちゃん！
万太郎！坊！
竹雄　あれ！
草履じゃ。　坊の草履じゃ！　坊がおる！
万太郎！坊！
・助けて！万太郎？　万太郎やね？
坊　どこです？
万太郎！坊！
（ミツ）綾様！（キヨ）竹雄！
おった？おらん！　どうしよう…。
坊　つかまれますか？
ちゃんと　つかんで！ぐっ！
ああ！
（綾）万太郎！
ぐっ　あああ～！
ああ！ハァハァ　ハァハァ…。
万太郎…　バカ！
お姉ちゃん！
（泣き声）
（竹雄）本当に　坊は　駄目坊じゃ。
二度と　そばを離れませんき。
（泣き声）
子供らを呼んじゃってください。
ふじ　子供らを。
大奥様…。
申し訳ありません。
坊ちゃんが　おられませんき！
綾様も竹雄も子供らが　そろって　どっかへ！今　手分けして村へ捜しに行っちょります！
見つけえ～！
この上　子供らまで…！
許さんき！　絶対許さん！
（戸が開く音）
おばあちゃん…。
あ…　あああ…。
はあ…。
お母ちゃん　花　採ってきたよ。
どういたが？
違う…。（綾）えっ？形が違う。
お母ちゃんが好きながは　これじゃないき。
お母ちゃんが好きな花採ってこれんかった！
（泣き声）
（ヒサ）きれいやね…。
お母ちゃん　いかんとって！
万太郎…春になったら…お母ちゃん…　あそこにおるきね。
♪～
また会おうね…。
お母ちゃん…。
♪～
（ヒサ）咲いたねえ　万太郎。
うん。
（ヒサ）見えんなってもちゃあんと根を張っちゅう。命の力に満ちちゅう。
万太郎もね。
♪～
さあ　望みや！おまんは　何がしたいがぜ？
わしは…。
わしは　この花の名前が知りたい！
どういて　おまんはねじれて咲いちゅうが？
秘密は　茎やね。
おまんら　みんなあみんなあ　名前があるがじゃ？