脳波との違い
脳波(Electro-Encelphalo-Graphy :EEG)では脳の電気活動により生じた2つ電極間の電圧を計測したものですが、
脳磁図(Magneto-Encelphalo-Graphy :MEG)は脳の電気活動により生じた変動磁場を捉えたものです。

脳波では頭蓋骨を介するため、信号が1/5~1/10に減衰しますが、脳磁図では頭蓋骨による信号の減衰はありません。
脳磁図の信号は
- 電流源とセンサー距離の二乗に比例して小さくなる
- 電流の向きとセンサー面の向きの角度に依存する
などの制約があります。
頭皮脳波(scalp EEG)、脳磁図(MEG)、皮質脳波(Electro-Cortico-Grpahy :ECoG)の感度は、
scalp EEG < MEG < ECoG
となっています。
頭皮脳波では皮質が6cm2以上、
脳磁図では皮質が3cm2以上同期して活動することで、信号として捉えるとされています。
皮質脳波が一番感度がいいのですが、頭を開ける必要があります。

脳波の電極は頭皮上に固定されています。検査中頭を動かしても電極と頭の位置関係が変わることはありません。
しかし、脳磁図ではセンサーは頭皮に固定されていないのでセンサーが頭のどの辺りの信号を検出しているかはわかりません。
そこで脳磁図では頭の位置を知らせるコイル(Head Position Indicator coil :HPI coil)を用います。
脳磁場の計測の前に予めHPIコイルに電流を流し、電流源の位置を計算します(等価電流双極子推定を行います)。
頭とセンサーの位置関係を計算した上で脳磁場を計測します。
原理的に脳磁場の計測中に頭を動かすとセンサーが頭のどの位置の信号を拾っているかわからなくなりますので、
頭を動かすたびにコイルに電流を流して頭とセンサー位置の計算を行い、検査をやり直さなければなりません。
脳磁場計測中は頭を動かしてはいけません!
