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ぼっち「あぁ…学校辞めたいな…」
学校辞めたい…高校に入ってから私はこの言葉を何度口にしただろうか。本来は鮮やかに彩られた青春の1ページとなるはずである高校生活。しかし現実はこうだ。勉強も人付き合いも上手くいかない私、何かを発せばおかしな人間だと思われる始末。誰からも必要とされない人生…。
あぁ…憂鬱だ…どうして私はいつもこう暗いことばかり考えてしまうんでしょうか…
学校帰りにふらりと寄った公園で私はブランコに座り地面を蹴る。前へ後ろへとブランコを漕ぎながら私は空を眺める。私なんか、消えてしまえば……
おかしい。今日は練習の筈なのにぼっちちゃんが一向に来ない。私はスマホを取り出し一時間前に送ったロインのメッセージを確認する。
虹夏「既読…ついてない…」
リョウ「ぼっち、全然連絡付かない」
いつもすぐに既読がつくぼっちちゃんが今日に限っては音沙汰ない様子だ。
喜多「ダメです。グループで目撃情報を探したんですけどなかなか…何かあったんでしょうか…」
喜多ちゃんの一言で私は血の気が引くのを感じた。一歩間違えてしまえば取り返しの付かない事態になる、そんな気がした。ぼっちちゃんに限ってそんな筈はない…
虹夏「わ、私ちょっと探してくる!お姉ちゃん!」
星歌「あぁ、行って来い」
ありがとうと言って私はスマホをポケットに入れ勢いよくスターリーを飛び出した。焦りからの突発的な行動、もちろんぼっちちゃんがどこにいるかなんて分かりっこない。
虹夏「早く…早く見つけなきゃ…」
私はぼっちちゃんのいそうな場所をできる限り回った。いつだったか喜多ちゃんに教えてもらったぼっちちゃんの探し方は内容こそ酷いものの実際にはかなり実用的なのだ。
しかし見つからない…もう一時間以上は探してる。いや、そもそも無謀だったんだ。こんなに広いのに私一人で探せるわけがない…焦りで判断力を欠いたんだ。
虹夏「ぼっちちゃん…どこ?」
そんなときだった、ポケットの中の電話が鳴る。私はそっと取り出して画面を確認すると、そこには喜多ちゃんと書いてあった。すぐさま電話に応答する。
虹夏「喜多ちゃん!ぼっちちゃんきた!?」
私は少し声を荒らげながらそう聞く。
喜多「い、いえ…」
その返答に私はゆっくりと肩から崩れる。失望だ…いや、勝手に早とちりした私が悪いのだけど。
喜多「だけどぼっちちゃんの目撃情報は見つかりました!そこはですね…」
喜多ちゃんが友達から聞いた全身ピンクの人を目撃した場所、そこはあの公園だった。私が初めてぼっちちゃんと出会った…。
虹夏「ありがとう!」
私は一言の感謝を告げると乱暴にスマホを落として再びポケットに入れ走り出す。幸いそこまで距離は遠くない。私は冬の暗闇を一人かける。
虹夏「ついた…」
公園の前まで来ると私は一気に息を吸う。暗くてあまり見えないのだが私はブランコを漕ぐピンクの人を見つけ、近づいていく。
俯いていて表情を確認できない…、早く顔を見せてよ。
私が近くまで来るとぼっちちゃんはゆっくりと顔を上げて私を充血した真っ赤な目で見つめる。
ぼっち「虹…夏ちゃん…?」
虹夏「ぼっちちゃん…どうしたの?しんぱ「帰ってください」」
ぼっち「私の心配なんていりません。もういいんです。もう…わたしなんて」
すると私はぼっちちゃんの手が傷だらけになっていることに気づく。
虹夏「ぼっちちゃん、それ…」
私は指を指しながらその傷について聞く。
ぼっち「もういいです、帰ってください。虹夏ちゃんにはわからないんですよ…」
わからない、そう言われたとき私は凄く心が痛かった。私はぼっちちゃんの味方でありたい、理解者でありたい、特別でありたい。私の中の思いが崩れる音がなる。それでも私は諦めない、彼女は私のヒーローであり親友だ。不思議なところも多いけどそこも合わせて私は知りたい。分かってあげたい…
虹夏「分からないよ…」
私は私の言葉に肩を落としたぼっちちゃんの手を大事に手で包む。温かい手、これがぼっちちゃんだ。少しびっくりしたのかぼっちちゃんも私に目線を合わせる。
虹夏「でも私はぼっちちゃんのことを知りたい …」
ぼっちちゃんの手を包む私の手に雫がポタリポタリと垂れる。やがて声を上げて泣き始めるぼっちちゃんを私は言葉なきままに腕を体に回して抱きしめる。
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