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介党鱈
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夢の続きでまた会いましょう

夢の続きでまた会いましょう - 介党鱈の小説 - pixiv
夢の続きでまた会いましょう - 介党鱈の小説 - pixiv
1,966文字
ぼっち・ざ・ろっく!
夢の続きでまた会いましょう
今回は割と頑張ったほうです。注意として鬱作品なのでそういうの求めてないって人は気を付けてください。それではお楽しみを

追記 ラスト少し修正加えました
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44581764
2023年1月13日 16:12

 虹夏ちゃん…おきてください…
誰かが私を呼んでいる…深くまで落ちた私の意識はその声につられて段々と覚醒していく。心地良い揺れとふかふかな枕が相まって…揺れ?
虹夏「ん…」
思いまぶたを開けるとまず初めに目に付いたのはピンク色の何か。何だかゴワゴワしているけれど、とてもふわふわで心地よい。
ぼっち「あ、あの…」
虹夏「わっ!」
突然、頭上から声がして驚きのあまりに私は体を勢いよく起こす。すると、ガンッ!と鈍い音を立てて私の後頭部に痛みが走る。
ぼっち「グェエ」
虹夏「わっ!あっ!ぼっちちゃんごめん!」
そうだ、私はぼっちちゃんに膝枕されてたんだ…。頭をうったおかげか私は朧げとしていた記憶が蘇る。
ぼっち「い、いえ…下北沢駅次なので…」
虹夏「え、駅?」
私は改めて周りを見渡した。確かに電車の中だ。そこで私はある違和感に気づく。人が乗っていない。広い車内にポツリと二人だけ。
虹夏「ね、ねぇぼっちちゃ「に虹夏ちゃん」」
私の声を遮るようにぼっちちゃんが声を張り上げる。
虹夏「どしたの?」
ぼっち「ま、まだ時間ありますし、お話でもと…」
虹夏「え、ほんとにどしたの畏まっちゃって」
普段も大概だけど今のぼっちちゃんは出会った頃並みに片言だ。
ぼっち「いや…えへへ、本当に今日のデート楽しかったので…」
虹夏「んもーそういうことね、私も楽しかったよ!」
ぼっち「に、虹夏ちゃんに選んでもらった服絶対大事にします」
虹夏「いやいや、しっかり着てね?」
こんなに可愛いのにどうしてこう自分に自身がないのか…
その可愛さを彼女自身に自覚してもらうため私達は作戦を練ったりして頑張ってみたけど結局のところぼっちちゃんはぼっちちゃんだった。
ぼっち「いや、えと、はい…」
あぁ…これは、着ないね。
ぼっち「に、虹夏ちゃん!」
虹夏「うわ、急に何?」
ぼっち「ほっ本当は…」
何かを話そうとして言い淀んだぼっちちゃんはそのまま視線を下げる。さっきまで明るい空気だった車内は一瞬にしてお通夜テンションだ。
ぼっち「虹夏ちゃんは…私がいなくなったとしたら結束バンドを続けられますか?」
何かをブツブツと言っていたぼっちちゃんが急に視線を戻して話し始める。それはいつになく真剣な眼差しで。
虹夏「な、なにいってんのぼっちちゃん…流石に冗談きついよ…?」
しかし返事は帰ってこない、ぼっちちゃんは無言で私を見つめ続ける。
虹夏「どうしてそんなに真剣なのか分からないけど…私は多分続けられないと思うよ」
ぼっちちゃんは私のヒーローだ。大体一人でもかけたらそれは結束バンドとは言えないと思う…。
ぼっち「そっそれは、困ります…」
虹夏「どうして?」
ぼっち「私は結束バンドを自分の居場所として残したいです。どうか私がいなくなったとしても「ちょっと待って?」」
全く意味がわからない…
虹夏「どうしてさっきからぼっちちゃんが消えちゃう話になってるの?そういう話はやめよう?」
ぼっち「す、すみません…」
ぼっち「でもこれだけは覚えていてほしいので…わ、私はどんなときでも虹夏ちゃんのそばに付いていますから」
ぼっちちゃんの奇行なんていつものことじゃないかと済ませればそれで終わりなのだけど、どうしてか今回だけはどうしようもなく胸騒ぎがして止まない。
キュィイイン
ドアが開き見知れた駅のホームが姿を表す。
ぼっち「あ、下北沢駅です。ここでお別れですね」
虹夏「あ、あ…えっとさ!やっぱり今日ぼっちちゃんうち来ない?一人で帰るのあぶないしさ!」
どうしてだろう。いつもここで別れているはずなのに今日はぼっちちゃんを離したくなかった。
しかしぼっちちゃんは静かに首を横に振る。
虹夏「わ、分かったよ…じゃあさ!また今度もこうやってデートしようね?」
それに対してもぼっちちゃんは首を横に振った。
ぼっち「虹夏ちゃん…私がさっき言ったこと覚えておいてくださいね?」
虹夏「わかったからさ!ねぇ?」
ぼっち「ありがとう、虹夏ちゃん」
辺りが光に包まれさっきまでの景色が崩壊していく。私の意識はまた深く沈んでいった。



目を覚ますと私はすべてを思い出し、理解した。私達はデートに行った日、電車になんか乗っていない。あの日ぼっちちゃんが突然倒れてから私達は最寄りの病院に行った。どれだけ呼びかけても返ってくるのは曖昧な返事で昨日の夜にはもう覚悟を決めておけとまで言われていた。夢の中で言われたこと。納得いかない、いかせたくない。だけどもう彼女から引き受けてしまったから、もう二度と話すことはできないから。
私は息を引き取って寝かせられているぼっちの横で顔を埋めながら泣いた。瞼を焼くような熱い涙が目から溢れ出し、喉を振り絞るように声を上げて。









夢の続きでまた会いましょう
今回は割と頑張ったほうです。注意として鬱作品なのでそういうの求めてないって人は気を付けてください。それではお楽しみを

追記 ラスト少し修正加えました
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2023年1月13日 16:12
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