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私はいつから孤独だったのだろう。小学生の頃はまだマシだったような気がするし、そうでない気もする。
ただ、あの頃はまだ私の周りにはそこそこ人がいて根暗な私に対して私に笑いかけてくれる人もいた。それが偽物だとわかったのは中学から、小学校の頃は優しかったみんなも中学に上がると途端に知らん顔。自分から話しかけられない私はあっという間に孤立した。勉強もいくら頑張ったっていい結果は残せない。そんなとき始めたのがギター。いつかギターの腕で友達ができるようにと願って始めたギター。勉強と練習を両立させる事は厳しかったけどかなり頑張ったはずだ。だけどここでもやっぱり足を引っ張るのは陰キャ気質だった。どれだけ上達しても誰にも聞いてもらえないんじゃ意味がないじゃないか。私はネットに居場所を作り、現実世界を遮断する道を選んだ…
虹夏「ぼっちちゃん!ぼっちちゃん!帰ってきてー!」
ぼっち「ハッ!わ、私は何を…」
あれ?ここは…
虹夏「ハッ!じゃないよーこれからライブだよ?今日は大事な日だからしっかりしてよ~」
あ、思い出した…ライブへの緊張感で過去の失敗談のことばかり考えていたら意識が飛んだんだ…。
ぼっち「す、すみません…」
リョウ「ぼっち、別に気にしないで。虹夏だって好きで怒ってる訳じゃ」
虹夏「怒ってないわぁ!」
ぼっち「ひっ!ヒィィィ!」
喜多「ちょっと先輩たち!ひとりちゃんを落ち着かせてあげてください!」
あ、喜多ちゃん…優しい
喜多「でもひとりちゃん本当に大丈夫?一回外の空気を吸ってきたら?」
ぼっち「あ、そうします」
虹夏「私もいくよー」
虹夏ちゃんに手を引かれて外にまでくると彼女がこんなことを言い出した。
虹夏「ぼっちちゃんはさ、最近悩んでることとかない?」
あ、さっきの事か…
ぼっち「な、ないで「うそだよね」」
流石虹夏ちゃん…わたしの嘘が通用しない….
ぼっち「と、時々昔のことを思い出すんです。私がこのバンドに入る前の…」
虹夏ちゃんは大体察したようで私の話を黙って聞いてくれた。
ぼっち「せっかく手に入れた私の居場所がなくなってしまったらって考えると怖いです…」
ぼっち「私はもう孤独になりたくない…」
どんなに孤独でも流すことはなかった涙は今私の頬を濡らしながらつたった。虹夏ちゃんは私を優しく抱きしめながら背中をさする。
虹夏「大丈夫。ひとりちゃんの居場所は私達だから。絶対になくなったりしない」
あぁ、私にはもう怖いものなんてないんだ…
その時私の肩から重荷が降りたようなそんな感じがした。私が恐れていた孤独はもうおとずれない。
あの日、私をどん底の人生から助け出してくれたのは虹夏ちゃんだ。虹夏ちゃんがいなければ私はまだ地獄をさまよっていたに違いない。虹夏ちゃんが私をヒーローだと言うけどそれは私だって同じだ。今日のライブが終わったら告げよう、虹夏ちゃんは私のヒーローだ。