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~自宅~
先日の事故で記憶を失った私ですが、記憶を取り戻しました。
あれから物理的な傷は治ったので、記憶喪失の方は自宅療養で治そうということになり、自宅に帰って、自室に置いてあったギターを弾くうちにバンド、ライブ、そしてみんなのことを思い出すことができました。
取り戻した上で思うけど…
ひとり「やっぱり、誰とも付き合ってないじゃん!!」
ひとり「喜多ちゃん...30分も馴れ初めを話してくれたのに、全部嘘って…もう怖いよ…」
ひとり「あの夜ってどの夜なの…星空の下で会ったことなんてないよ…リョウさん…」
ひとり「虹夏ちゃんも結束バンドを最高のバンドにすると入ったけど、生涯をかけてとは言ってないよ…愛してるも言ったことないし…」
ひとり「星歌さん、もとい店長さんも嘘ついてたし…年上を名前呼びしてたなんておかしいと思ったんだ…」
ひとり「お姉さんも私達だけの秘密なんてないじゃん…泣き落としされて損したー!」
ひとり「でも…とりあえず今後のことを考えなきゃだよね…今のまま五股なんてしてたらいつか絶対修羅場になる…」
ひとり「いっそ、記憶が戻ったから嘘つかないでって言ってもいいんだけど…気まずくなったら嫌だなぁ…それでバンド解散とかになっちゃったら…」
ひとり「うーん…そうだ!なんとなく記憶が戻りつつあるんですけど、私たち本当に付き合ってましたっけ?って牽制してみよう!みんな冗談で済ませてくれるかもしれない!」
…
~放課後~
喜多「それじゃあ、ひとりちゃん 今日もバイトに一緒に行きましょー」
ひとり「あ、はい」
ひとり(私の記憶がないこともあり、最近は喜多さんがいつも一緒にいてくれる)
喜多「ねぇ、ひとりちゃん。次はどこでデートしよっかー」
ひとり(バイト行く途中で、喜多さんと二人きりだし、ここがチャンスかな…)
ひとり「あ、そ、そのことなんですけど…」
喜多「…? どうしたの?」
ひとり「じ、実は最近何となく記憶が戻ってきてて…」
喜多「…へぇ、それは良かったじゃない」
ひとり「そ、それで逆に病院での話が忘れつつありまして…私と喜多さんが付き合ってたとか、何かの間違いとかだったりしませんか?」(お願い…!なかったことにして!)
喜多「しない」
ひとり「えっ…!?」
喜多「ひとりちゃん、かわいそうに…まだ完全に記憶が戻ってないみたい…でも大丈夫、私がこれからも支えていくから!」
ひとり「い、いや…割と戻ってきてる方というか…大体思い出せた感じなんですけど…やっぱり喜多さんと付き合ってる記憶がどうにもなくて…」
喜多「まだ、100%じゃないじゃない!残りの失った記憶の中にあるのね!でも、無理しなくてもいいの、思い出はまた作ればいいんだから」
ひとり (どうしよう、全く引かない…ここは少し強引に)
ひとり「い、いや…さすがに全く思い出さないのはおかしいと前へ2 / 6 ページ次へ
~放課後~
喜多「それじゃあ、ひとりちゃん 今日もバイトに一緒に行きましょー」
ひとり「あ、はい」
ひとり(私の記憶がないこともあり、最近は喜多さんがいつも一緒にいてくれる)
喜多「ねぇ、ひとりちゃん。次はどこでデートしよっかー」
ひとり(バイト行く途中で、喜多さんと二人きりだし、ここがチャンスかな…)
ひとり「あ、そ、そのことなんですけど…」
喜多「…? どうしたの?」
ひとり「じ、実は最近何となく記憶が戻ってきてて…」
喜多「…へぇ、それは良かったじゃない」
ひとり「そ、それで逆に病院での話が忘れつつありまして…私と喜多さんが付き合ってたとか、何かの間違いとかだったりしませんか?」(お願い…!なかったことにして!)
喜多「しない」
ひとり「えっ…!?」
喜多「ひとりちゃん、かわいそうに…まだ完全に記憶が戻ってないみたい…でも大丈夫、私がこれからも支えていくから!」
ひとり「い、いや…割と戻ってきてる方というか…大体思い出せた感じなんですけど…やっぱり喜多さんと付き合ってる記憶がどうにもなくて…」
喜多「まだ、100%じゃないじゃない!残りの失った記憶の中にあるのね!でも、無理しなくてもいいの、思い出はまた作ればいいんだから」
ひとり (どうしよう、全く引かない…ここは少し強引に)
ひとり「い、いや…さすがに全く思い出さないのはおかしいと」
喜多「ひとりちゃん、無 理 し な く て い い か ら」
ひとり「あ…はい…」
ひとり(どうしよう…全然認めてくれない…)
喜多「もー、ひとりちゃんは責任感が強いから焦っちゃう気持ちはわかるけど、ゆっくりでいいから」
喜多「それに、私はひとりちゃんに助けてもらったんだから、これからずっと支えていく義務があるの」
ひとり「責任感っていうより、身に覚えのない恐怖感といいますか…それに、もう治ってきていますし...これまでに十分支えてもらいましたよ…」
喜多「...」
喜多「ひとりちゃん…そんなに私のこと嫌い?」
ひとり「あ、いや…そんなことは…でも、やっぱりおかしいと―」
喜多「やっぱり私のことが嫌いなのね…すごく悲しいなぁ...」
喜多「そこまで嫌われちゃってるなら…もう一緒にいるのやめようかな...」
ひとり「えっ…?ど、どうゆうこと…ですか…」
喜多「ひとりちゃんに嫌われちゃったなら、ひとりちゃんと会うのも辛いし...」
喜多「それなら私はもうバンドもバイトも学校もやめちゃおうかなって」
ひとり「そ、そんな…待ってください!お願いします!そんな悲しいことは言わないでください…喜多さんは初めてできた大切な友達なんです…そんな他人みたいになっちゃうのは嫌です!」
喜多「…っ!」ゾクゾク
喜多「私だって大好きなひとりちゃんから、離れたくない…でも、ひとりちゃんに嫌われてるのに近くにいるなんて辛すぎるから…」
ひとり「そ、そんなぁ...嫌ってなんかいないです...」
喜多「でも、私を避けようとしてるのは嫌っているからでしょ?」
ひとり「わ、私は避けようとなんて...」
喜多「あーあ、ひとりちゃんがこれからも私と恋人として一緒にいてくれるならなぁ…これまで通りに過ごせるのに...」
ひとり「そ、それは…」
喜多「じゃあね…ひとりちゃん。さよなら…本当に助けてくれてありがとう」
ひとり「わ、わかりました!一緒にいますからぁ!行かないでください!」
喜多「…それは恋人として一緒にいるのよね?」
ひとり「...」
喜多「はぁ...じゃあね...」
ひとり「こ、恋人としてです…!」
喜多「嬉しい!私達また恋人になれたのね!じゃあ、告白からやり直しましょ?ほら、ひとりちゃん 言って?」
ひとり「えっ…私が告白するんですか?」
喜多「一緒にいてくれるんでしょ?ひとりちゃんから言って欲しいなぁ。あっ、今度は忘れちゃってもいいようにちゃんと動画に残しておくわね!」
ひとり(まずい…証拠握られる…)
ひとり「あっ…あの…動画は…」
喜多「まあ、いいじゃない!最近は告白してるところを動画に残すのが普通なの。…それともやっぱり嘘だったの?」
ひとり「うぅ…き、喜多さん、好きです。私と付き合ってください…」
喜多「うん!私も大好き!記憶を失う前よりもたくさんの思い出を作りましょうね!」
ひとり「…はい、これからもよろしくお願いします…」
…
ひとり(考えてみれば喜多さんは最初に恋人と言ってきた人だし…優先しなきゃいけないよね…残りの人達を何とか頑張ろう…)
~バイト前~
ひとり(今ならリョウさんだけと外でお話できそうだな...)
ひとり「あ、あの、リョウさん。ちょっと、外でお話しできないですか?」
リョウ「うん?いいよ」
...
ひとり「す、すみません。バイト前にお時間をいただいて…」
リョウ「全然いいよ。彼女のために時間を作るなんて当たり前じゃん」
ひとり「あ、あの…そのことなんですけど…最近少しずつ記憶が戻ってきてまして」
リョウ「...ふーん、良かったじゃん。どう?私達のこと思い出した?」
ひとり「あ、いや…それが不思議なことにリョウ先輩と恋人になったみたいな記憶は特になくて…」
リョウ「じゃあ、まだ思い出せてないんだね。別に焦らなくても大丈夫だよ」
ひとり「い、いや...思い出せてないというか、そもそも付き合ってなかったりしたんじゃないかなーって…思いまして…」
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~バイト前~
ひとり(今ならリョウさんだけと外でお話できそうだな...)
ひとり「あ、あの、リョウさん。ちょっと、外でお話しできないですか?」
リョウ「うん?いいよ」
...
ひとり「す、すみません。バイト前にお時間をいただいて…」
リョウ「全然いいよ。彼女のために時間を作るなんて当たり前じゃん」
ひとり「あ、あの…そのことなんですけど…最近少しずつ記憶が戻ってきてまして」
リョウ「...ふーん、良かったじゃん。どう?私達のこと思い出した?」
ひとり「あ、いや…それが不思議なことにリョウ先輩と恋人になったみたいな記憶は特になくて…」
リョウ「じゃあ、まだ思い出せてないんだね。別に焦らなくても大丈夫だよ」
ひとり「い、いや...思い出せてないというか、そもそも付き合ってなかったりしたんじゃないかなーって…思いまして…」
リョウ「そんなわけないじゃん」
ひとり「全く思い出がないのはおかしいと思うんですよ…」
リョウ「一緒にいれば、これから思い出していけるようになるから」
ひとり「あ、あの…私みたいのを連れていてもあまりいいことないですよ…」
リョウ「私は周りの目なんて気にしない」
ひとり「い、いやぁ…でも…」
リョウ「とりあえず、関係の解消とかはやめとうこうよ、ね?」
ひとり「でも…それは不誠実というか…」
リョウ「前も言ったけど、私達がそれで納得するって言ってるんだからいいじゃん」
ひとり「わ、私としても気持ちの整理をつけてたいみたいな…」
リョウ「ああ言えばこう言うばかりだね。ここまで譲歩してるのに」
ひとり「す…すみません…」
リョウ「はあ…あのさぁ!」
ひとり「っ!」ビクッ
リョウ「ぼっちさぁ、私のこと舐めてない?」
ひとり「あっ…いえ、そんなことは…」
リョウ「私病院でも確認とったよね?“いいよね?”って、そしたら“わかりました”って言ったよね?」
ひとり「えっ…」
リョウ「言 っ た よ ね ?」
ひとり「は…はい…」
リョウ「それを今更ひっくり返すの?あまりにもひどくない?」
ひとり「ず…ずみません…」グズッ
ひとり(リョウさん、すごく怖い…)
リョウ「泣きたいのはこっち方。私のことをぬか喜びさせたかったの?」
ひとり「いえ、そんなつもりじゃ…」
リョウ「じゃあ、何で意見をコロコロ変えるの?私を困らせて楽しい?」
ひとり「違うんです…本当にすみませんでした…お願いです、許して下さい…」グズッ
リョウ「…」ゾクゾク
リョウ「じゃあ、なんて言うべきかわかるよね?」
ひとり「そ、それは…その…」
リョウ「…」
ひとり「…」
リョウ「ねぇ、ぼっち」
ひとり「は、はい…」
リョウ「…さっきは怖いこと言ってごめんね…私、ホントにぼっちが大好きだから、つい大きな声出しちゃって」
ひとり「い、いえ、そんな…私がはっきりしなかったので…」
リョウ「私はシンプルにぼっちの気持ちを知りたいんだよ、教えて?」
ひとり「あ…あの…」
リョウ「ゆっくりでいいから」
ひとり「で、でも…」
リョウ「ん?でも?」
ひとり「い、いえ…わ、私はリョウさんのことが好きです…」
リョウ「ぼっち、すごく嬉しいよ、私もぼっちが好きだから相思相愛だね。なら、記憶とか関係なく私達が付き合うのは自然なことだよね?」
ひとり「え、えっと…」
リョウ「自然だよね?」
ひとり「あ…はい…」
リョウ「じゃあ、私たちは付き合うってことでいいよね?」
ひとり「…はい…」
リョウ「良かった。今度こそ確認したよ?忘れないでね?」
ひとり「わ…わかりました…」
…
ひとり(あぁ…、また断れなかった…)
ひとり(でも、リョウさん怒ってたし…万が一、私とは一緒にいられないってバンド抜けちゃったら、虹夏ちゃんの夢もきっと叶えられなくなっちゃうし…それに私も今の結束バンドでやっていきたいし..)
ひとり(何とか二股に抑えられれば、最初の半分以下になるし、大分マシだよね…)
~バイト後~
ひとり(よし、みんな帰って残ってるのは虹夏ちゃんだけになった...)
ひとり(今度こそ…)
ひとり「虹夏ちゃん、ちょっとお話したいことがあるんですけどいいですか?」
虹夏「あれー?まだぼっちちゃん残ってたんだ。みんな帰っちゃったよ」
ひとり「あ、はい…虹夏ちゃんと二人きりでお話ししたくて…」
虹夏「二人きり?あっ、そうゆうことか!次のデートでどこ行くかはロインでも良かったのにー」
虹夏「でも、話し合って決めるのが一番いいよね!」
ひとり「あ、いや…そうじゃなくて…」
虹夏「えっ?じゃあ、何の用かな?」
ひとり「実は最近ちょっと記憶を取り戻しつつありまして…」
虹夏「…そうなんだ、良かったね」
ひとり「色々思い出しつつあるんですが、虹夏ちゃんと付き合ってた記憶が全然ないんですよ…」
虹夏「…」
ひとり「それで、私達もしかして付き合ってなかったんじゃないかなって思いまして…」
虹夏「そんなことないよ」
ひとり「え…」
虹夏「やっぱり、まだ記憶が完全に戻ってないみたいだね…ぼっちちゃん 焦らなくていいから、ゆっくり治していこ?」
虹夏「それより、このお店見て?この間テレビでやってたんだけど、ここのカフェでカップル割やってるらしくてー」
ひとり(このままだと、また押し通されちゃう…今度こそちゃんと意志をはっきり示さないと…)
ひとり「あ、あの…ですから!」
虹夏「…」
ひとり「私、やっぱり付き合ってた記憶がないのはおかしいと思うんです…!何かの勘違いかもしれませんから、付き合ってるのは一旦保留にしてくれませんか?」
虹夏「…」
ひとり(言えた…けど、虹夏ちゃんすごく怖い顔してる…)
虹夏「はぁ...そっか…わかったよ。ぼっちちゃんと付き合ってるのは勘違いだったかもね」
ひとり「..っ!そうなんですね…!そうゆう勘違いもたまにありますよね!」
ひとり「あっ、でも虹夏ちゃんの夢はちゃんと思い出せたんですよ!私、これからもギタリストとして結束バンドを最高のバンドにするために頑張りま――」
虹夏「あー、うーん…いや、大丈夫だよ。」
ひとり「えっ…大丈夫…?って何がですか…?」
虹夏「そんなに頑張らなくてもいいよ」
ひとり「な、何でですか…もしかして、ひどい勘違いをしてたから私にはもう期待しないってことですか…?」
虹夏「いや、そうじゃなくて…なんて言うんだろ、私は今日にも死んじゃうだろうから私の夢とか気にして頑張らなくてもいいよーってこと」
ひとり「えっ…死ぬって…ど、どうゆうことですか!?冗談ですよね!?」
虹夏「冗談なんかじゃないよー。ぼっちちゃんに見捨てられるなら生きていく意味がないって前に言ったじゃん。だからもう、死んじゃおうかなーって」
ひとり「そ、そんな…お願いですから、死ぬなんて言わないでください!虹夏ちゃんは私を導いてくれた恩人なんです!まだ、何も恩返しできてないんです!」
虹夏「でもなー…私もう生きる意味なくなっちゃったし…」
ひとり「お願いですからぁ…」
虹夏「…だったら、私を助けて?」
ひとり「そ、それは…虹夏ちゃんと付き合うってことですか?」
虹夏「そう、それでこれからはずっと私のことを一番に考えてね」
ひとり「うっ…」(そしたら、結局3股することになっちゃう…)
虹夏「…」
虹夏「… …なーんてね、ぼっちちゃんの言う通り冗談だよ。ぼっちちゃんは何にも心配しなくていいから」
ひとり(どうしよう…死ぬなんて嘘?…でも、もし本当だったら?…明日になって取り返しのつかないことになっていたら…)
虹夏「話は終わりかな?じゃあ、バイバイ、元気でね」
ひとり「ま…待ってください!」
虹夏「なに?」
ひとり「わ、私、虹夏ちゃんと付き合います…!だからもう、死ぬなんて言わないでください…」
虹夏「ぼっちちゃんは優しいなぁ。でもいいの?私、これから先ずっと ぼっちちゃんの一番がいいっていうのは譲らないよ」
ひとり「…それでもいいです。虹夏ちゃんにはこれからも元気でいてほしいので…」
虹夏「そっか...嬉しい…すごく嬉しいよ!.」
虹夏「ありがとう、ぼっちちゃん。私も大好き!愛してる!」
…
ひとり(はぁ..また失敗だった。でも、今回は仕方なかった気がする…)
ひとり(喜多さんの件は最悪私が全部やめれば喜多さんはこれまで通り過ごせる…リョウさんの件も同じく私がバンドをやめればいいだけ…どっちも元の私に戻るだけ)
ひとり(でも、虹夏ちゃんの場合は万が一本気で死んじゃったら…一生後悔する…これでよかったんだ…)
~駅までの帰り道~
ひとり(でもなぁ、これでバンドメンバー全員と三股確定しちゃったなぁ...)
星歌「あれ?ぼっちちゃん、まだお店にいたんだ」
ひとり「あっ...店長さん...はい、お邪魔してました...」
ひとり(店長さんの件もどうにかしないと)
星歌「ぼっちちゃん、”店長さん”じゃないよね?」
ひとり「せ、星歌さん...」
星歌「そうそう、忘れちゃダメだよ」
ひとり(今がチャンスかも)
ひとり「そ、そのことなんですけど...最近記憶を取り戻しつつあるんですけど、店長さんのことを星歌さんって呼んでたことがなかったように思うんですが...」
星歌「ふーん、記憶が戻ってきてるのは良かったね...でも、私の分をまだ思い出してくれてないのは残念だなぁ...」
ひとり「え、あの...すみません」
ひとり「で、でも…思い出してないんじゃなくて、そもそも事実がないんだと思ったりするんですけど…」
星歌「何でそう思うの?」
ひとり「そ、それは色々と思い出してきているのに星歌さんと付き合ってた思い出がないらで…」
星歌「さっきも言ったけど、まだ100%じゃないんだからわからないじゃん」
ひとり「で、でも…90%くらいには来た気がするんですよ…!」
星歌「じゃあ、残り10%に全部あるんだね。私も運が悪いなぁ」
ひとり(全然引かない…ここは強気で…)
ひとり「い、いやぁ、そんなことあってあるんですかねー、やっぱりおかしいようなー」
星歌「… …はぁ…ぼっちちゃん、何が言いたいの?」
ひとり「えっ、ですから…その….」
星歌「私が嘘ついてるって言いたいの?」
ひとり「い、いえ…」
星歌「はっきりしなよ!!」
ひとり「っ!」ビクッ
星歌「病院では恋人になるって言ったけど、面倒になったから、記憶にないで押し通そうとしてるんでしょ!!」
ひとり「ち、ちがっ…」
星歌「それっていくらなんでも失礼じゃない?ねぇ!?」
ひとり「申し訳ありませんでした…すみませんでした…」グズッ..
星歌「…」
星歌「…」ギュッ
ひとり「えっ、あの…」
星歌「ごめんね、ぼっちちゃん、怖かったよね」
ひとり「い、いえ、私が悪いんです…」
星歌「私もムキになっちゃって…大好きなぼっちちゃんに怒鳴っちゃうなんて…」
ひとり「そんな…私が変なこと言ったから…」
星歌「ぼっちちゃんは少し不器用なところがあるから、伝え方を間違えちゃっただけなんだよね?」
星歌「本当は記憶はないけど、これからもよろしくお願いしますって言おうと思ったんだよね?」
ひとり「えっ…」
星歌「そ う だ よ ね ?」
ひとり「は…はい…」
星歌「いい子だね、ぼっちちゃんは」
星歌「じゃあ、ちゃんと自分で言ってみようか。ね?」
ひとり「はい…これからもよろしくお願いします…」
星歌「良くできたね、よしよし」
…
ひとり(結局リョウさんと同じように言いくるめられてしまった…)
ひとり(でも、バイト先の店長だし…この先バンドをやっていく上でもお世話になるし…しょうがないよね…)
ひとり(でも、虹夏ちゃんと星歌さんで結局姉妹込みの四股かぁ…)
~駅前~
ひとり(今日は本当にしんどかった...これから2時間もかけて帰らなきゃいけないのに、体力はもう0だよ...)
廣井「あれ?おーい、ぼっちちゃーん」
ひとり「あっ、お姉さん…」
廣井「今から帰り?まだ時間あるなら、これから飲みにいこ~?」
ひとり「あっ…すみません、未成年ですし、帰り遅くなっちゃうので…その...」
廣井「あれー?ぼっちちゃん未成年だっけ?じゃあ仕方ないね~」
ひとり「お姉さん、今日はひどく酔ってますね…」
ひとり(あれ?…でも、それならあの日言ってたことも酔って忘れてるかも…)
ひとり(よし…このまま付き合ってる話題には触れずに うやむや にしてしまおう…)
廣井「不安が多くて…幸せスパイラルをキメてないとやってられないんだよぉ」
ひとり「そうなんですね…でも、体に悪いので控えたほうがいいと思います」
廣井「そうだね…ぼっちちゃんと会えて将来の不安も少し消えたし、本格的に禁酒しようかなぁ」
ひとり(結束バンドの話ですよね?)
廣井「彼女にいつまでも心配させるわけにもいかないし」
ひとり(私のことじゃないよね?)
廣井「ぼっちちゃんと これからも歩いていくためなら頑張れるよ!」
ひとり(あ、ダメだ…これ忘れてないやつ)
ひとり「あ…あの…!実は最近色々と記憶が戻ってきてまして…」
廣井「おー、よかったね!、ぼっちちゃん」
ひとり(あれ?動揺しない..)
ひとり「そ、それで…お姉さんと付き合ってた記憶が全然思い出せなくて…私達付き合ってたっていうのは何かの勘違いじゃないですかね?」
廣井「やだなー、勘違いじゃないよ。私だってそこまで適当じゃないってー」
ひとり「こ、こんなこと私が言うのもおこがましいんですけど、よーく思い出してみてください!」
廣井「うーん、やっぱり付き合ってたよ」
ひとり「え、えーっと...ホントですか?それはギター担いだ別の人間じゃなかったですか?お姉さん、酔ってるから別の人と私を混同してたり――」
廣井「...もしかして、また別れ話をしようとしてる?私のこと嫌いになった?」
ひとり「い、いや...そうじゃなくって――」
廣井「嫌って言った!!やっぱり嫌いになったんだ!!」
ひとり「あ...あの...声が大きいです、みんな見てますから」
廣井「ひどいよー!!別れないって言ってくれたのにー!!うわーん!!」
ジロジロ...ザワザワ...ヒソヒソ...
ひとり(ひっ...周りにすごい見られてる)
ひとり「と、とにかく、泣き止んでください...!お、お話しましょう」
廣井「やっぱり、別れ話しようとしてる!もう死んでやるー!!!」
ひとり「わ、別れ話じゃないので…一旦、落ち着いてください...」
廣井「うぅ…わかった…」
ひとり「とりあえず、この話はまた今度にしましょう…」
廣井「泣きわめいてごめんね…」
ひとり「い、いえ...」
廣井「きっと、ぼっちちゃん的に納得のいかないところがあるんだよね?」
ひとり「ま、まぁ…そうですね…」
廣井「それなら、とりあえずさ、落ち着いて話すために今から私の家に来てゆっくり話し合おうよ、ね?」
ひとり「な、何でわざわざお姉さんの家に…?」
廣井「大丈夫、何もしないから、ね?」
ひとり「いや…あの…もう帰らないとなので…」
廣井「ね?行こうよ?とりあえず、家行こ?ね、ほら行こうよ大丈夫だから、ね?平気だから行こ行こ行こ?」
ひとり「あ…あの…失礼します!!」
…
ひとり(はぁ..ダッシュで逃げちゃった…でも怖かったぁ)
ひとり(あれ?ロインが届いてる...お姉さんかなぁ)
ひとり(全員から!?未読200件!?)ゾクッ
ひとり(ホントにどうしたらいいんだろ…)