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記憶喪失のぼっちちゃんが五股させられる話 - ゆうの小説 - pixiv
記憶喪失のぼっちちゃんが五股させられる話 - ゆうの小説 - pixiv
9,017文字
記憶喪失のぼっちちゃんが五股させられる話
記憶を失ったぼっちゃんがモテる話です
001
2023年4月7日 14:26


どうにも私は友人を庇って、車にはねられたらしい。
――らしいというのは、病院で目を覚ました今の私は高校生になってからの記憶をなくしているためだ。
家族から私がバンドに入り、友達までできて、ライブも成功したと聞いた。
――が、全く実感がわかない。人生そんなに上手くいくわけない。...でも、本当ならなんて幸せなことだろうと思う。バイト先には母から連絡をして、事故から目覚めたことや記憶を失っていることは伝えてあるらしい。
今日から家族以外との面会が許可される。バンドメンバーの伊地知さん、山田さん、喜多さんの誰か一人でも来てくれたら嬉しいな。でも怖い人とかだったらどうしよう。

...
コンコン
ひとり「え!?も、もしかして来てくれたのかな」
ひとり「あ、はい…どうぞ…」
喜多「その…失礼します…あの…こんにちは…」ガチャ
ひとり「あ、はい…えっと…」
喜多「ごめんね、わからないよね…私、一人ちゃんと同じ高校に通ってる喜多っていうの」
ひとり「あっ、あなたが喜多さんですね。母からお話は聞いています。同じバンドを組んでいただいていて、バイト先も一緒だとか」
喜多「そうなの、でも、そんな風に今の私がバンドをやれているのも一緒の所でバイトをできてるのもひとりちゃんのおかげで…」
ひとり「え、えー!そうなんですか!?」
喜多「うん、ホントにひとりちゃんには色々助けてもらって…それなのに、私ひとりちゃんにこんな仕打ちを…こんなことになってしまって、本当にごめんなさい!」
ひとり「き、喜多さん!頭を上げてください…その、今の私は何も覚えていないですが、それでもきっと自分がやりたくて、喜多さんを助けたんだと思います。だから、そんなに気負わないでください」
喜多「ひとりちゃん…ありがとう…本当にありがとう…」
ひとり「い、いえ、私も と、友達を助けられたなんて本望ですよ!」
喜多「友達…ね」
ひとり「えっ?あれ?違いました...か?」(もしかして、友達じゃなかったの!?どうしよう!勘違いしちゃった...)
喜多「違うの!実は…私とひとりちゃんは友達以上の関係で…その、付き合ってたみたいな…」
ひとり「えっ…!?付き合ってたって…私と喜多さんが恋人同士ってことですか!?」
喜多「うん…でも、覚えてないよね…」
ひとり「…すみません。思い出せません…」(自分にはその趣味はないと思ってたけど、記憶なくなる前は女の子が好きだったのかな)
喜多「謝らないで!むしろ、そうなっちゃったのは私のせいなんだから」
ひとり「あの…でも…」
喜多「だ、大丈夫!…こうなったのも自分が招いた結果で…気にしてないと言えば、嘘になるけど…私は記憶が無くなろうとひとりちゃんのことは大好きだから!...ひとりちゃんはこれからも、私の彼女でいてくれる?」
ひとり「その...すごく嬉しいです…でも、今の私は喜多さんのことを覚えていなくて…きっと喜多さんが好きになってくれた後藤ひとりではなくなっちゃったと思うんです…」
喜多「そんなことない!今少し話しただけでわかるよ、今のひとりちゃんも前と変わらない優しいひとりちゃんだって」
ひとり「い、いや、でも…こんな中途半端なの、やっぱり良くないですよ…」
喜多「お願い、そんなこと言わないで…ひとりちゃんが私を責めるのは当然だけど…どれだけ怒っても、好きなだけ叩いたり蹴ったりしてもいいから…それでもやっぱり別れたくない…もし別れることになったら私…」
ひとり「そ、そんなことしないです!わかりました。私も頑張って喜多さんのこと思い出せるよう頑張るので、不束者ですが、こんな私をよろしくお願いします!」
喜多「ひとりちゃん!」ダキ
喜多「でも…これから一生記憶戻ることが無くても、私はひとりちゃんを支えていくし、私のことを彼女って思ってくれてるだけで、私は幸せだから…」
ひとり「あ、ありがとうございます!」
喜多「そうだ!ひとりちゃんと私の馴れ初め話していい?もしかしたら、記憶が戻る助けになるかも」
ひとり「いいですね、お願いします」
喜多「ひとりちゃんは付き合う前から優しくてカッコよくって…

喜多「それじゃあ、そろそろ帰るね…今回の件は本当にごめんなさい、助けてくれてありがとう」
ひとり「いえ、また来てくれたら嬉しいです」
喜多「もちろん!彼女だもん!じゃあ、またね!」
バタン



ひとり「はぁー、私すごかったんだなー。高校入ってから一念発起して頑張ったのかな」
ひとり「それにしても、彼女にバンドにバイトなんて、これは十分陽キャといってもいいのでは?私は既にとんでもない潜在陽キャパワーを秘めているのかもしれない、うへへっ」
コンコン
ひとり「あれ?あ、はい…どうぞ…」
リョウ「ぼっち、お見舞いに来た」
ひとり「え、すみません…えっと…」(わぁ、かっこいい人。同じバンドの人かな?)
リョウ「ホントに忘れてるんだ。私は山田リョウ。ぼっちと同じバンドメンバーだよ」
ひとり「あ、あなたが山田さんですね。母から聞いています。」
リョウ「山田さんじゃなくて、リョウさんって呼んでくれてたから、ぼっちにはこれからもそう呼んで欲しいな」
ひとり「リョウさん…ところで、あのぼっちというのは?」
リョウ「ぼっちは私が付けたあだ名だよ、『ひとりぼっち』から取ってぼっち」
ひとり「私、あだ名とか初めてで嬉しいです!」
リョウ「まあ、前もそんなこと言ってたよ」
ひとり「そうなんですね。あ、あのバンドのこともっと教えてほしいです。何か思い出せるかもしれないですし」
リョウ「そうだね。元々、ぼっちは虹夏っていう私の友達がサポートギターをお願いして連れてきて…

リョウ「…というのが結束バンドで活動してきた大体の出来事かな」
ひとり「色んなことがあったんですね。私もまた皆さんの力になれるように早く退院して頑張りたいです。あと、やっぱりそんな思い出を忘れちゃったのは寂しいので、記憶も取り戻せるよう頑張ります!」
リョウ「…」ジー
ひとり「あれ?リョウさん?…どうしましたか?」(何か視線が熱っぽいような…)
リョウ「いや、やっぱり ぼっちじゃなきゃダメだと思って…」
ひとり「えっと…何がでしょうか?」
リョウ「私の彼女」
ひとり「…えっ?私とリョウさんって、付き合ってたんですか!?」(えっ、これって二股!?)
リョウ「そう。やっぱり、そのことも覚えてないんだね…」
ひとり「そ、その、すみません…」
リョウ「じゃあ、あの夜のことも?」
ひとり「あの夜?」
リョウ「ぼっちと私が星空のもとで愛し合ったあの夜のことだよ」
ひとり「…た、大変申し訳ありません!でも、何の記憶もないんです…!」(やっちゃってる!喜多さんより深い所までやっちゃってる!まずい!まずい!)
リョウ「はぁ…まあ、でも忘れちゃったのは ぼっちのせいじゃないし、これからも私のそばにいてくれるならいいよ」
ひとり「…え、あの…いや…」(逆に今なら、何とか二股をうやむやにできるかもしれないから、断りたい…)
リョウ「えっ…もしかして私のこと捨てるの?」
ひとり「い、いえ、そんなことはないんですが…私もちょっと記憶が戻ってないですし、とりあえず一旦この問題は保留にして療養に尽力しようかと思いまして…」
リョウ「それなら、とりあえず私と付き合いつつ記憶を取り戻せばいいじゃん。前と同じ状況なら思い出しやすいと思うよ」
ひとり「いやぁ…やっぱりそんな適当なことはいけないと思ったりしまして…」
リョウ「別に当人達がそれでいいならいいじゃん。…それとも何か私と付き合えない理由があるの?」
ひとり「い、いえ、別にそうゆうわけでもないんですが…」
リョウ「じゃあ、いいよね?」
ひとり「えっと…」
リョウ「い い よ ね?」
ひとり「うっ…」
リョウ「い い よ ね?」
ひとり「あ、はい…」(やっぱりダメだー!押しに勝てない…)
リョウ「良かった、ショックで危うくバンドをやめるところだった」
ひとり「恐ろしいこと言わないでください…」
...
リョウ「さてと、そろそろ帰ろうかな」
ひとり「あ、今日は来ていただきありがとうございました」
リョウ「また来るよ。バイバイ」
ひとり「お、お疲れ様です…」
バタン



ひとり「やばいなぁ。メンバー内で二股かぁ…バレたら解散になっちゃうのかなぁ…」
ひとり「何とか穏便に済ませる方法を考えなきゃ…」
コンコン
ひとり「え...また誰か来た…あ、はい、どうぞ…」
虹夏「ぼっちちゃん、大丈夫?」ガチャ
ひとり「え、えっと、大丈夫です…もしかして、伊地知さんですか?」
虹夏「おー、すごい。よくわかったね」
ひとり「母から聞きました。私と一緒にバンドしてくれてる方だって。喜多さんとリョウさんはもういらっしゃったので…」
虹夏「なるほど!でも、ちょっと惜しいな!私のことは『虹夏ちゃん』って呼んでくれてたよ」
ひとり「あ、そうなんですね」
虹夏「そういえば、お姉ちゃん見てない?この時間くらいにお見舞いに来るって言ってたんだけどなー」
ひとり「お姉さんですか?」
虹夏「そうそう、ぼっちちゃんのバイト先の店長でもあるね」
ひとり「あっ….そういえば、先ほどリョウさんからそんなことを聞きました。でも、まだいらしてないですね。」
虹夏「そうなんだ。すれ違っちゃったかなー、まあいいや。…ところで、ぼっちちゃん」
ひとり「な、なんですか?」(なんだろ、すごい嫌な予感がする)
虹夏「実は私とぼっちちゃんはちょっと特別な関係で、ある約束をしてたんだけど、そこだけでも覚えてくれたりする?」
ひとり「えーと…なんですかね…私が虹夏ちゃんの舎弟で、ラーメン奢るとかですかね…」
虹夏「全然違うよ!…実はね、私たち付き合ってたの!」
ひとり「エー…ソウナンデスカー」(三股でメンバーコンプリートしちゃった…)
虹夏「やっぱり、びっくりするよね…女の子同士だし」
ひとり「あ、いや…まあ愛の形は色々あると思いますし…。ちなみに、あの…約束というのは?」
虹夏「私と生涯をかけて私達のバンドを最高のバンドにすることだよ」
ひとり「な、なるほど…記憶はなくしてしまいましたが、その約束は果たせるよう頑張ります…」
虹夏「ありがとう!…それはそれとして、ぼっちちゃんは、これからも私と付き合ってくれるよね?」
ひとり「い、いや…えっと…」(あえて、そこには触れなかったのに!)
虹夏「えっ…もしかして私と別れようと思ってるの…?」
ひとり「そ、その別れるといいますか…やっぱりこうゆうことってちゃんとしたいので、記憶が戻るまで一旦保留にしたいといいますか…」(三股はまずい!というか、メンバー全員はロックバンドにしても爛れすぎてる!)
虹夏「やっぱり!私との関係をなかったことにする気なんだ!…ひどい…ひどいよ…」
ひとり「ち、違います!一旦、一旦保留にするだけです!私、絶対に記憶を取り戻しますから!」
虹夏「…ひどいよ…」
ひとり「あ、あの…やっぱりご納得いただけないですか…?」
虹夏「…」
ひとり「あ、あの…」
虹夏「私ね...小さいころに母親を亡くして、父親もほとんど家にいないし、お姉ちゃんだけでずっと寂しかったの…でも、ぼっちちゃんがこれからはずっと自分がそばにいるって言ってくれてホントに嬉しくて…なのに、全部なかったことにするなんて…ひどい…」
ひとり「そんなお辛いことが…知りませんでした…」(すごく胸が痛い…)
虹夏「…ねぇ、ぼっちちゃん、お願い。これからもそばにいて?記憶がなくても、これからまた一緒に作っていけばいいから…」
ひとり「い、いや…でも…」
虹夏「お願い…お願いだから…」
ひとり「うーん…」
虹夏「ぼっちちゃんに見捨てられるなら、生きていく意味がないし…もうお母さんの所に行こうかな…」
ひとり「わ、わかりました、わかりましたから…あの…これからもよろしくお願いします…」
虹夏「ホント?嬉しい…ありがとう、ぼっちちゃん」
ひとり「い、いえ、以前の私もきっとこうすると思うので…」(ついに、自分で三股決めてしまった…いっそ誰か殺して…)
虹夏「あっ、そうだ。これからも付き合ってくれるなら、前みたいに私のこと愛してるって言って?」
ひとり「え、えぇっ!、私本当にそんなこと言ってましたか?
虹夏「毎日言ってくれてたよ!事故に会ってから最近聞けてなくて、力が出なかったんだよー、お願い!」
ひとり「えぇ…に、虹夏ちゃん、愛してます…は、恥ずかしい…」
虹夏「ありがとう!私も愛してる!」
ひとり「あ、はい…ありがとうございます…」(罪悪感だけが積みあがっていく…)
虹夏「あっ、私用事あるんだった!本当にごめんね、帰らなきゃ…」
ひとり「えっ…あ、はい。大丈夫です…」
虹夏「絶対またお見舞いに来るから!じゃあ、またね」
ひとり「さ、さよならー」
バタン



ひとり「それにしても、三股って…前までよくバレなかったな。あぁでも、もしかしたら付き合い始めたの、最近なのかも」
ひとり「記憶があったときの私ってプレイボーイ?ガールだったんだなー。今の私なら三股なんてする度胸も甲斐性もないのに」
コンコン
ひとり「あっ…虹夏ちゃんのお姉さんかな。あ、はい、どうぞ…」
星歌「ぼっちちゃん、元気?…あれ?虹夏、いない?」
ひとり「あ、ついさっきまでいたんですけど、急用とかで帰られました」
星歌「えー、そうなんだ。えっと、ぼっちちゃん、私のことわかる?」
ひとり「あ、はい、私のバイト先の店長さんで、虹夏ちゃんのお姉さんですよね?母と虹夏ちゃんから聞きました」
星歌「そうそう、今回は災難だったね」
ひとり「は、はい…でも名誉の負傷ですから…」
星歌「そうだね、ぼっちちゃんは喜多ちゃんを守って偉かったよ」
ひとり「うへへっ、そうですかねー…あっ、そういえばバイトとか全然いけてなくて、大変申し訳ありません…」
星歌「そんなの全然大丈夫だよ、ゆっくり休みな…ところで、さ…ぼっちちゃん…実はいつも皆の前では私のこと店長さんって呼ぶけど、二人っきりのときは、星歌さんって呼んでくれてるんだよね…」
ひとり「え?そ、そうなんですか?」(あれ?何だか雲行きが…)
星歌「うん、バイトと店長っていうだけの関係じゃなかったんだ」
ひとり「それってつまり…」
星歌「うん、私とは恋人同士なんだよ」
ひとり「マジ…っすか…」(四股…?しかも、姉妹相手に?こんな狭い交友関係の中で?記憶失う前の私の性癖どんだけねじ曲がりすぎでしょ…もう、肉食系というより雑食系になってる…いや、同性ばかりだから偏食か…)
星歌「そうなんだよ…びっくりしちゃったよね、性別も同じで歳も離れてるのに…」
ひとり「い、いえ、人を好きになるのに性別も歳の差も関係ないですから…」
星歌「ぼっちちゃん、優しいね」
ひとり「そんなことは…」
星歌「そんな優しいぼっちちゃんは、こんなことになっちゃったけど、これからも私とは恋人を続けてくれるよね?」
ひとり「えっ…」
星歌「うん?」
ひとり「そ、その…恋人なんですが…記憶を取り戻すまで少し時間をいただけませんか?」(もう焼石だけど、何とか三股に抑えよう…星歌さん大人だし、たぶん こう言っておけば待ってくれるはず…)
星歌「えっ…やっぱり、嫌だった?」
ひとり「そ、その決して嫌とかではないんですけど…少し心の整理を…」
星歌「やっぱり、私の恋人なんて嫌なんだ…」
ひとり「いえ、ですから…」(虹夏ちゃんと似てるなぁ、何だこの重い姉妹…)
星歌「ひどい…ひどいよ…ぼっちちゃん…」
ひとり「うっ…えっと…」
星歌「なんか最近虹夏も冷たい気がするし…ぼっちちゃんにも見捨てられるなら、もう生きていくのしんどいな…仕事も人生もやめちゃおうかな…」
ひとり「そ、そんなこと言わないでください…星歌さんはきれいですし、私でなくても…」
星歌「ぼっちちゃんがいいんだよ…ねえ、お願い…」
星歌「母親を亡くして、こんな形で最愛の人がまた離れていくなんて、いやだよ…」
ひとり「...うーん....わかりました…」(こんな風にお願いされたら断れない…)
星歌「ホントに!?ぼっちちゃん、本当に優しいね…ありがとう…」
ひとり「い、いえ…こんな私を選んでくれてありがとうございます…」(四股もかけてる最低な人間なのに…)
星歌「自分をそんな風に言っちゃダメだよ。ぼっちちゃんはすごい人なんだよ。前のライブでは…」

星歌「さぁて、一通り話せたし、そろそろお暇しようかな。ごめんね、長く居座っちゃって」
ひとり「い、いえ、色々なお話を聞けて良かったです。ありがとうございました。」
星歌「じゃあ、体調には気を付けてね。また、お見舞い来るから」
ひとり「お、お疲れ様でしたー…」
バタン



ひとり「あ”ぁー、私のばか…まずい、まずい…四股は絶対まずい…ホストでもこんなにする人いないって…」
ひとり「しかも、何で全部バイト先なんだ私…どんだけ肝が据わってるんだ…」
コンコン
ひとり「あ、はぁい…どうぞ…」(いったい何人来るの…怖くなってきた…)
廣井「やっほーぼっちちゃん、大丈夫?」ガチャ
ひとり「あ、はい…まあまあ元気です。それで、あの…どなたでしょうか?」
廣井「わぁ!ホントに忘れちゃったんだねー!私は廣井きくりでーす。誰よりもベースを愛する天才ベーシストだよ、ベースはどっかに忘れちゃったけど」
ひとり「はぁ…すみません。廣井さんは母から聞いたことない名前ですね。人違いでは?」(この人すごいお酒のにおいする…ホントにベース引けるのかも怪しいし)
廣井「ホントなんだってー!あっ、さっき先輩来てなかった?星歌先輩、あの人の後輩なの」
ひとり「あ、先ほどいらっしゃいました。店長さんのお知り合いの方なんですね」
廣井「そうそう!それだけじゃなくて、一緒に野外ライブしたたり、ぼっちちゃんが私のライブに来てくれたり、私がぼっちちゃんのライブに行ったりもしたんだよー」
ひとり「わ、私がそんなにアクティブに…信じられません…でも、色々お世話になってたんですね、ありがとうございます」
廣井「ううん、私もすごく楽しかったし!また、一緒にやれるといいね!」
廣井「…それはそうと、ぼっちちゃん…」
ひとり「はい?」(あれ?なんか雰囲気変わった?)
廣井「…本当に私の事、忘れちゃったんだよね?」
ひとり「それは…本当にすみません」(愛した4人の彼女のことも忘れてるくらいなので)
廣井「いや、別に謝って欲しいわけじゃ無いんだけど。ただ…」
ひとり「ただ?」
廣井「私と恋人同士ってのを忘れられたのが少しショックだなぁって…」
ひとり「あ” あ” あ” あ” あ” あ” あ”!!」ガンガンドカッ
廣井「ちょっと何やってるの!?」
ひとり「いや、こうやったら早く記憶が戻るかなぁ〜と思いまして」(五股て…片手フルコンプしちゃった…)
廣井「な、何言ってるの!そんな事したら、記憶喪失が今より酷くなっちゃうよ!やめてよ!」
ひとり「止めないでください!こうなったら記憶を死んでも取り戻すか死ななくては!」
廣井「死んじゃダメだってば!それに…そこまでして記憶を取り戻さなくてもいいと思う。記憶が無くなったくらいで、私がひとりちゃんを思う気持ちは変わらないよ」
ひとり「いや、でも!…. 廣井さん、店長のお知り合いなんですよね!?こんな事、店長さんにバレたら…」(色んな意味でヤバい)
廣井「そんなの私だってわかってるよ!だから、これは私達だけの秘密って、ぼっちちゃんと約束してて…」
ひとり「そうなんですか...すみません、取り乱して…」(なるほど。こうやって私はバレないように…)
廣井「やっぱ私が彼女って嫌?」
ひとり「いえいえ!光栄です。こんなに綺麗なお姉さんと…」
廣井「あー!いつもの呼び方になった!ぼっちちゃんいつも私のことお姉さんって呼んでくれてたんだよ。まあ、いつもはこんなに綺麗にしてないんだけどね、今日はぼっちちゃんのお見舞いで特別な日だからねー。でも、それなら、これからも私と付き合ってくれるよね?」
ひとり「あ、あの…ただ私はお姉さんの事忘れてしまってるので…少し時間をもらえませんか?心の整理をしたくて…」
廣井「…それって、もしかして別れようって話をしてる?」
ひとり「い、いえ、そうゆうわけではなくてですね…あの心の整理のために一旦保留にさせてもらえないかなーなんて…」
廣井「やっぱり、一旦別れようとしてるじゃん!ひどいよー!うわーん!」
ひとり「ほ、保留です!破局ではないです…」
廣井「実質的に同じじゃん!禁酒するから!別れるなんて言わないで!」
ひとり「で、ですからぁ…話を聞いてくださいって…」
廣井「ねえ、お願いだから!!捨てないでよ!!嫌いでもいいからぁ!!うわーん!!」
ひとり「あ、あの声を抑えてください…周りに聞こえちゃいます…」
廣井「嫌だよぉ!!!こんなのってないよ!!!生きてけてないよお!!!」
ひとり「あの...わかりました、わかりましたから…別れないので、泣くのをやめてください…」
廣井「ホントに?ありがとう、ぼっちちゃん!」
ひとり「い、いえ…私もここまで思ってもらえてすごく嬉しいです…」
廣井「ありがとう、ありがとう…大好きだよぉー」

廣井「じゃあ、そろそろ帰ろうかな。今日は情けない姿みせちゃった、でも、ありがとうね、ぼっちちゃん」
ひとり「いいえ…今日は来てくれてありがとうございました」
廣井「また来るからねーバイバーイ」
バタン

ひとり「泣き落としに屈してしまった...まあ、もう四股から五股は誤差の範囲内か…」
ひとり「でもなぁ、バイト先の店長の知り合いまで手を出すなんてあまりにも見境なさすぎる私…」
ひとり「なんで、記憶を失う前のツケを今の私が払うんだー!」


記憶喪失のぼっちちゃんが五股させられる話
記憶を失ったぼっちゃんがモテる話です
001
2023年4月7日 14:26
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