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今日も何事もなく目覚めて、お館様から預かっている鎹鴉からも「異常ナシ!」の報告を聞く。推しが生きている、それだけで素晴らしくすがすがしい朝だ。天気は曇りだが。
超ド級金持ちな私の目覚めは、こうして鬼殺隊の面々について知ることから始まる。基本夜活動する鬼殺隊のために最初は私も起きていたんだけど、だからって何もできないこと知ってからは普通に夜は寝てる。それに金稼ぎはもっぱら日中なもんだから、金持ちである、というアイデンティティを守るためにはやっぱり働かないとだ。まぁ、前世社畜だった頃を考えればどうってことないけどね。
そうして起きて顔を洗ってご飯を食べる。着替えるのはその後。今日は行く所があるから、朝ごはんで服を汚すわけにはいかない。お腹がふっくらするのも嫌なので程ほどに朝食を終えて、私はクローゼットを開けた。我儘令嬢らしく衣装部屋を持っているが、大体は私のご機嫌取りに送られてきたもので、私はあまり買ったことがない。施設の子の晴れの日だけ買って送ってあげている。秘密だけど。
クローゼットの中からお気に入りの、今日に相応しい一枚を取り出した。
「さて、いざ行くわよ!」
いざ行かん、煉獄家へ。
推しに会う日は、やっぱり一張羅を着ないとね。
一話(novel/11783050)