石に意味が必要なら自分でつければいいじゃない

母から先日お下がりの翡翠やら珊瑚やら琥珀やらの古めかしいジュエリーをもらったので、お手入れの方法を検索しようとするとパワーストーンのページばかりが出てくるのはなぜでしょうね?

そして肝心の石の手入れの仕方は月光浴をさせろだの、水晶の上に乗せろだの、塩の上に乗せて浄化しろだのと書いてあります。

月光浴させるとパワーが蘇り輝きが増すのだそうですよ。

そのうち月のパワーで変身できるかもしれません。もし変身しちゃったらやはり月にかわってお仕置きもしなくちゃいけないのでしょうか?

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さて、私はごく個人的な好みの問題として、石にパワーがあると主張するスピリチュアル商法が好きになれません。

宝石としての価値がない、そのままでは値段がつかない石ころに、パワーストーンという意味を持たせることで商品としての価値を無理につけているのだと思っているし、石にパワーがあるかないかはネス湖にネッシーが居るかどうかという問題と似たようなものだと思ってます。

存在していないことがすでに証明されているけれど、在ると信じたい気持ちは分からなくは無いです。人類はロマンチストなのだから。

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まあ、大した値段じゃないものなら神社やお寺で買うお守りや破魔矢みたいなものだと思うし、ビジュアル的に可愛くて素敵なデザインならアクセサリーとしての価値はあると思います。
私は欲しくないけれど、目くじら立てようとも思わない。


さて、譲り受けたジュエリーの中で私が特に気に入ってるのはこちらのオパールの指輪。

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これは祖母のお下がり。コモンオパールという遊色効果の出ないオパールで、通常宝石としては扱われず資産価値はありません
←なんて残念なのでしょう


でもお気に入りです。ちなみに私がはめていると石がでかく見えますが、私の指は尋常じゃなく細いので大きく見えるだけです。
指輪のサイズは人差し指で7号です。結婚指輪は驚異の3,5号でお店の方を驚かせました。

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さて、オパールのこの色合い、この形、じーっと見てると何かに似ていることに気づきます。

そう、それは…


水信玄餅!


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そっくり!ヾ(=^▽^=)ノ


アメリカではレインドロップケーキと名付けられ販売されています。
レインドロップとは素晴らしいネーミングセンスですね。そう言われれば私もこのオパールが雨粒の結晶に見えてきました。


さて、こちらのレインドロップリング←たった今命名ですが、資産価値(バリュー)は無いもののセンチメンタルバリューならたっぷりあります。
センチメンタルバリューとは、他人から見たらつまらないものだけれど、その人にとってはかけがえの無い思い出や思い入れの価値のことです。


この指輪は祖父が勤め先を変わり高給をもらえるようになったことで、それまでの余裕のなかった暮らしから抜け出し、ようやく一息ついた時に祖母に贈ったものだそうです。高価な石で無いけれど、その時点で祖父が買える精一杯のジュエリーだったのでしょう。
祖母が30歳くらいの頃の贈り物だとか。祖母は嬉しかったでしょうね。


それが、私にとってのこの石の意味です。


石は貴石だろうと半貴石だろうと、見ていて綺麗ならそれでいいじゃないですか。
意味なんかなくたって。

もし意味が必要なら、他人がつけた根拠の無い意味づけを信じるより、自分が意味をつけて(あるいは意味を見出して)大切にすればよいではないかと思うのです。